吹通川
石垣島随一のリアルジャングルを堪能できる河川
亜熱帯特有の自然を満喫
吹通川は南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港から車で約30分、石垣島の北部に位置し、野底岳を源流とする全長2.2km河川。淡水と海水が混ざり合う河口付近では、海では見ることのできない多種多様な生き物たちが生息している。見どころは、亜熱帯気候の湿地帯に生息するヒルギの群生からなるマングローブ林。吹通川のヒルギ群落は、太い支柱根からたくさん足が生えたように根が広がるヤエヤマヒルギや、根が膝のような形をしているオヒルギ、根が細く美しい花をつけるメヒルギで形成されており、石垣市の天然記念物や「日本の重要湿地500」にも指定されている貴重な湿地帯として知られている。
干潟の生き物観察を楽しむ
ヒルギ群落はエビやカニ、小さな魚たちの住処になっていて、汽水域に生息するさまざまな生き物たちを観察することができる。吹通川に架かる吹通橋の手前には駐車場があり、そこから干潟へと降りることが可能だ。干潮時に干潟に降りると、砂地にいくつもの小さな穴が空いていて、ヤエヤマシオマネキというカニが多く生息している。音を立てずに近寄って、そっと観察してみよう。ヤエヤマシオマネキのオスは片方のハサミが大きいのが特徴で、ハサミを振っているかわいらしい姿を見ることができる。そのほかにも、球体に目が付いているようなフォルムのミナミコメツキガニや、干潟でピョンピョン跳ねるムツゴロウの仲間、ミナミトビハゼを見ることができるかもしれない。
マングローブ林でのレジャーも充実
吹通川では、マングローブのなかをSUP(スタンドアップパドルボード)やカヌーで巡るアクティビティが人気だ。透明度の高い海からスタートし、上流に行くにつれて周囲の植物や生息する生き物たちも含めて、次第に変わっていく水上からの風景を楽しむことができる。マングローブに囲まれた緑のなかではマイナスイオンを感じられ、夏の晴天時でも通り抜ける風が涼しく、気持ちよく過ごせるはずだ。亜熱帯の植物のなかを進んでいく体験は、まさにリアルジャングルクルーズ。カヌーは転覆の可能性が低いこともあって子ども連れにも人気が高く、マングローブが防風林の役割を果たしてくれるので海上でのレジャーよりも風の影響を受けにくい。季節や天候にあわせてメニューを選ぶのもよいだろう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン