小島神社
潮が引いたときだけ参拝できる壱岐のモン・サン・ミシェル
内海湾に現れた参詣道
小さな駐車場から防波堤へ歩くと、小島神社がある島が見えてきた。さらに進むと、防波堤の下から島まで、道が続いているのが見えた。島へ渡るのは半ばあきらめていたので、その光景に「やった!」と思わず声が漏れた。小島神社は潮が引いている数時間のみ、島へつながる道が現れることから「壱岐のモン・サン・ミシェル」とも呼ばれる。月の引力により神様に会える神秘のパワースポットとしても有名で、特に恋愛成就に霊験あらたかとされ女性からの人気が高い。参拝者の中には宝くじの高額当選者も数人出ていて、「引きに強い」祈願スポットでもあるという。小島神社の創建は1620年(元和6)。400年以上の神社の歴史、そして弥生時代に多くの渡来人が船で行き交った内海湾の風景に思いを馳せながら参拝したい。壱岐市観光連盟のサイト「壱岐観光ナビ」の小島神社のページには、潮位を調べられる関連リンクが紹介されていて、干潮満潮の時刻を知ることができる。
宮司と参拝するツアーも
湾に現れた道は、ごつごつとした小石の多い浜辺のようで、島はさらに足場が悪くなる。島の右手から回り込むように裏手へ行くと石段があり、すぐ先に小さな社殿が現れた。実に質素な建物だが、ごく限られた時間に参詣できたことに感謝の念が湧き上がってくる。あらためて内海湾の風景を眺めると、きらきらと水面が輝く静かな入り江をひとり占めしているかのような感覚になってくる。太古、この海は壱岐を出入りする船が行き交ったというが、その光景も思い浮かぶようだった。壱岐市観光連盟は「パワースポット小島神社散策」として宮司と小島神社を参拝するツアーを行っている(詳細は同連盟のサイトで確認を)。小島神社は島全体と参道全体が神域とされているため、小枝1本、小石1つも持ち出しは厳禁だ。参拝できることに気持ちが高ぶってしまうかもしれないが、当然のマナーはしっかり守りたい。
満潮時の風景もまた神秘的
訪れる季節や時間帯によっては、小島神社への参道が海に沈んでいて、島に渡れないこともあるが、潮が満ちた風景もまた神秘的だ。今回、参拝ができた前日に来たときは、参道が波に洗われ海に沈み始めていた。だが、その光景もまた見ごたえのあるものだった。島の手前にある鳥居が海にたたずんでいる姿は凛々しく、小島が神の島であることを印象づける眺めだった。満潮時に訪ねた人のためか、防波堤から海へと降りる石段の横には、遥拝所(ようはいじょ)がある。神社を参拝できないのは残念ではあるが、ここでお参りをして、またの機会を願う人も少なくないものと思われる。小島神社は、日の出や夕暮れの景色もそれぞれ絶景として知られている。「壱岐のモン・サン・ミシェル」の多彩な魅力は訪ねる人を裏切ることはない。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン