JR下灘駅前
一度は降りてみたい。海沿いの小さな無人駅
かつて「日本一海に近い駅」だった下灘駅
愛媛県伊予市双海町(ふたみちょう)にある、JR四国予讃線(愛ある伊予灘線)の下灘駅は、海沿いにポツンとたたずむ無人駅。ホームから伊予灘を一望することができ、鉄道ファンならずとも知られている、もはや観光名所のような場所。一度は降りてみたい全国の無人駅ランキングでも必ず上位に入る。海面を埋め立てる形で国道378号線が開通するまでは、ホームのすぐ下に波が打ち寄せるほど線路と海岸が近接した「日本一海に近い駅」だった。そんな下灘駅までは、松山市内から約30km。車であれば1時間もかからないが、駅前の道は狭く混雑するので電車でのアクセスがおすすめだ。JR松山駅からは、予讃線普通列車で50分-1時間ほど。電車を降りると、メディアでおなじみの絶景が広がる。まるで海の上に駅が立っているように感じるほど、海はすぐそこだ。
多くの映画やドラマにも登場。唯一無二の絶景ロケーション
下灘駅のホームには、古びた3本足の上屋とレトロな青いベンチがあるだけ。目の前には海と空だけという、なんとも素朴かつ絶景が広がっている。晴れた日中には、どこまでも青い水平線にまるで空と海が溶け込んでいるかのように見える青の世界が広がり、夕刻には沈む夕日に染まるオレンジの世界が広がる。日没前後のマジックアワーには、オレンジから紫、紺色へと移ろう景色が堪能できる。この美しいロケーションは、国民的映画として知られる『男はつらいよ』や人気ドラマ『HERO特別編』など数々の映画やドラマなどにも登場してきたほか、「青春18きっぷ」のポスターにも複数回起用されてきた。
絵になる光景、おもてなしの心にあふれた駅
下灘駅の魅力は、青い海とのマリアージュや夕日だけではない。1-2時間おきにやってくる列車、ここで10分ほど停車する観光列車「伊予灘ものがたり」、毎年9月に駅のホームをステージに開催される「夕焼けプラットホームコンサート」など、その一つひとつが絵になる光景だ。さらに、地元老人会の皆さんによって植えられた花々が、ホームのプランターや構内にある花畑で駅を訪れる人たちを出迎えてくれ、温かい気持ちにさせてくれる。
駅の落書き帳「ウッフッフ」や「下灘珈琲」もお見逃しなく
開業当初から改装されながら残っているというレトロな駅舎にも風情がある。駅舎内にある、旅人が自由にメッセージを書ける駅の落書き帳「ウッフッフ」も必見。さらに、駅舎を出てみると、すぐ目の前にころんとした白いトレーラーが。テイクアウト専門のドリンクスタンド「下灘珈琲」だ。コーヒーは、注文から豆をひき、一つひとつていねいにハンドドリップするこだわりぶり。愛媛県産の柑橘を使ったジュースは、常時3種類からセレクトできる。営業時間は14時30分から夕暮れまで。電車の待ち時間に下灘珈琲でホッとひと息ついたり、ウッフッフを読んだり書いたり、ホームで刻々と変わる風景を眺めたりしながら、一度は降りてみたい下灘駅で思いおもいの時間を過ごしてみてほしい。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン