藤居本家

酒造

御神酒を宮中に献上、老舗造り酒屋の酒蔵を見学

江戸時代の1831年(天保2)に創業し、代々酒造りを受け継いできた藤居本家(ふじいほんけ)は、五穀豊穣に感謝する宮中行事「新嘗祭(にいなめさい)」に御神酒(白酒)を献上する栄を賜る蔵元。国の登録有形文化財の酒蔵見学と試飲が楽しめる。

白壁に赤レンガの煙突が印象的な東蔵} 白壁に赤レンガの煙突が印象的な東蔵

古社の隣にたたずむ風格漂う酒蔵へ

酒蔵見学は無料だが1週間前までに予約が必要。試飲とあわせると平均で50分ほど要するため、旅のプランニングにはゆとりをもっておこう。最寄り駅である近江鉄道愛知川(えちがわ)駅からは徒歩約15分。豊満神社御旅所の手前を進み、旧中山道へ。沓掛交差点で左折し、国道8号線を越えて道なりに歩いていくと、左手に杉玉を掲げた藤居本家の店舗が現れる。すぐそばには千年を超える歴史をもつ大隴(だいろう)神社があり、かつてこの神社の界隈が愛知郡の中心地だったと伝わる。店舗から神社境内横の通りを歩いて1分の場所に立つ別棟が15年ほど前まで酒造りを行っていた東蔵で、現在は見学施設となっている。酒蔵見学は、まず店舗内部の事務所に行けば、7代目当主らが酒蔵へと案内してくれる。

杉玉は新酒ができたことを告げるシンボル} 杉玉は新酒ができたことを告げるシンボル

土蔵造りの酒蔵は国の登録有形文化財

見学できるのは、伝統的な造り酒屋の面影を残す東蔵。樹齢700年のケヤキの巨木を大黒柱とした総ケヤキの土蔵造りで、先代の女性当主が自ら設計したもの。建築関係者も建物目当てに訪れるという。入ってすぐの清酒蔵には、左手に新酒を分析・試飲する試験室、右に受検室、その奥に仕込み蔵と貯蔵庫がある。藤居本家では、鈴鹿山系を源流とする愛知川の伏流水を仕込み水に使用しており、仕込み蔵ではその水を試飲できる。100年前にとけた雪が長い年月をかけ地下水脈を通過し、ミネラルを含んでこの地にたどり着く。口に含むとやわらかく、まろやかだ。この清冽な水と近江の酒造好適米、麹と酵母の力、そして能登杜氏や蔵人たちの熟練の技を生かし、酒を醸し上げている。仕込み蔵の一角を再生し、地酒と近江の食を味わえるレストランを2022年(令和4)10月中旬に開く予定だという。仕込み蔵の奥、「お酒のゆりかご」こと貯蔵庫は、冬に搾ったお酒を夏でも涼やかに貯蔵しておく場所だ。

東蔵の見学入り口はこちら} 東蔵の見学入り口はこちら

東蔵はNHKの朝ドラなどのロケ地として活用されることも} 東蔵はNHKの朝ドラなどのロケ地として活用されることも

ホーロー製のタンク1つから一升瓶4000本分の日本酒が醸される} ホーロー製のタンク1つから一升瓶4000本分の日本酒が醸される

神社の裏手に、現在酒造りを行う宮蔵(非公開)が立つ} 神社の裏手に、現在酒造りを行う宮蔵(非公開)が立つ

見学のあとは利き酒を楽しむ

藤居本家では、滋賀県内の契約農家が田んぼの土づくりからこだわって栽培した、その年の新米を100%使用。さらに、日本酒の原料となる「麹」を造るための「麹米」と「もろみ」を造るための「かけ米」を同じ品種で統一し、お米のもつポテンシャルを存分に引き出すのだという。滋賀県生まれで野生に近く、「まぼろしの酒米」と称される「渡船」や定番の「玉栄」「山田錦」など、お米の種類は全5種。看板の銘柄「旭日」をはじめ、前述の「渡船」、地元産のイチゴや青梅で造るフルーツ酒として醸され、人気を集めている。東蔵の見学を終えたら、販売所へ戻ってお待ちかねの試飲タイム。用意されるのは、甘口から辛口まで香りも味わいも多彩な6種。鮒寿司、小鮎佃煮、近江牛味噌漬けなど藤居本家がセレクトした湖国の肴も並んでおり、自宅でも滋賀の恵みが堪能できる。

外国からの旅行者は免税での買い物もできる。2階では時折音楽会やイベントを開催} 外国からの旅行者は免税での買い物もできる。2階では時折音楽会やイベントを開催

30種ほどがそろう。720㎖1000円~} 30種ほどがそろう。720㎖1000円~

スポット詳細

住所
滋賀県愛知郡愛荘町長野793 map map 地図
電話番号
0749422080
時間
9:00-18:00
休業日
無休

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました