体感!しだみ古墳群ミュージアム

施設左手にはカフェレストラン「CAFE MORI no UTA」が隣接している

名古屋市最多の古墳が集まる志段味古墳群

名古屋市内で確認されている約200基の古墳のうち、約70基の古墳が集まる守山区の志段味古墳群(しだみこふんぐん)。名古屋市最高峰である東谷山の頂から庄内川に沿って広がる河岸段丘に、東西1.7km、南北1kmにわたって古墳が分布しており、市内で最も古墳が集中している場所だ。古墳が築かれていない空白期間を挟みながらも、4～7世紀という長期にわたって古墳が造営され、国の史跡にも指定されている。そんな古墳群で出土した貴重な遺物や当時を再現した衣装の体験、埴輪作りといったもの作り体験などを通して、志段味古墳群をより深く知ることができるのが「体感！しだみ古墳群ミュージアム」だ。志段味古墳群の「SHIDAMI(しだみ)」とミュージアムの「MU(みゅー)」を組み合わせて、通称「SHIDAMU(しだみゅー)」とも呼ばれている。JR中央線・愛知環状鉄道の高蔵寺駅から市バスに乗り換え、勝手塚バス停から徒歩1分でアクセスできる。当時の技術や暮らしを知り、現代と比較しながら見学するのも一興だ。

施設のすぐ近くにある「志段味大塚古墳」

出土品から当時の歴史や技術について学ぶ1階展示室

入館したら、まずは入り口から向かって右奥にある1階展示室へ足を運ぼう。志段味古墳群の成り立ちがわかるガイダンスムービーや貴重な出土品などが展示されており、志段味古墳群についてしっかりと学ぶことができるフロアだ。こちらには、志段味古墳群にある古墳の1つ「中社古墳(なかやしろこふん)」から出土した、東海地方で最も古い時期の埴輪といわれている「朝顔形埴輪(あさがおがたはにわ)」や、高さが約1mもある大きな甕(かめ)など、貴重な遺物が多数展示してある。さらに奥へ進むと当時の暮らしをイラストで再現したコーナーや、古代衣装を着用できる体験コーナーなども。衣装を身にまとって当時の人になりきり、訪れた記念に写真へ残してみてはいかがだろうか。また、土・日曜、祝日に限り、展示室内のスタッフに声をかければ展示室のガイドも対応してくれるので、もっと詳しい情報を聞きたい場合はぜひ話しかけてみよう。

考古復元イラストレーター・早川和子氏のイラストによるアニメーションを上映

志段味古墳群のパノラマ図や志段味大塚古墳の王の再現など、見どころが満載だ

東海地方以東で最も古い巫女形埴輪。両手で器を捧げるように持っていたとされている

古墳にちなんだもの作り体験やガイドツアーも開催

展示室を出ると右手に2階へ続く階段がある。階段を登った左手には「こどもこふん」と呼ばれる親子スペースがあり、古墳をイメージして作られたモニュメントや、絵本、おもちゃなど未就学児も遊びを通して古墳を体感することができる。その向かいには、埴輪や勾玉作りなどの体験プログラムが開催される「体験活動室」がある。埴輪、勾玉のほかに、オリジナルバックや組紐、コースター作りなども開催しており、当日受付している。なお、曜日や時期によって開催される体験は異なるので、訪れる前に公式サイトをチェックしておこう。そのほか、毎日開催している古墳のガイドツアーも必見だ。「大塚・大久手古墳群(おおくてこふんぐん)コース」と「白鳥塚・東谷山白鳥古墳群(とうごくさんしろとりこふんぐん)コース」は約60分のツアーで、こちらも当日の受付で参加することができる。開始時間は決まっているので、事前にチェックしておくことをおすすめしたい。また、予約制の「東谷山山頂コース」もある。9:30から始まる約3時間のコースで、東谷山山頂にある国指定史跡を巡るコースだ。東谷山の豊かな自然を感じながら、ハイキング気分で古墳巡りを楽しんでみてはいかがだろうか。

オリジナルの作品を作って世界にひとつだけのお土産にしよう

しだみこちゃんのオリジナルグッズを手に入れよう

帰宅前に、館内入り口近くにあるミュージアムショップをのぞいていきたい。お菓子や古墳を模ったアイテム、ぬいぐるみなど「体感！しだみ古墳群ミュージアム」のオリジナルアイテムを多数販売。オリジナルキャラクター「しだみこちゃん」が描かれたグッズもあり、愛嬌のある見た目に心が癒やされるはずだ。「体感！しだみ古墳群ミュージアム」周辺は、大小さまざまな古墳が集まるエリアになっているので、見学後はぶらりと散歩を楽しむことができる。また、車で約2分のところに東谷山フルーツパークもあるので、新鮮なフルーツを堪能しに立ち寄ってみるのもおすすめだ。

しだみこちゃんのモデルは、展示室にある巫女形埴輪なのだそう