嶺岳寺
5万株のヒガンバナに囲まれた小さな仏様に心安らぐ
伊那谷のほぼ中央に位置する長野県松川町。その東側、天竜川を見下ろす標高約500ⅿの高台に、「彼岸花の寺」として名高い禅寺がある。1589年(天正17)に建立された曹洞宗の嶺岳寺だ。山号は水明山(すいめいざん)で、伊那坂東三十三番札所の第29番でもある。嶺岳寺では、住職がコツコツと増やしたというヒガンバナが、参道や山門の周囲、そして裏の斜面の果樹園にびっしり。ふだんは静かな寺が、9月後半の開花期になると多くの参詣客の歓声に包まれる。曼殊沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれるヒガンバナは、仏教と関わりの深い花だ。9月頃、何もない地面から茎だけが伸びてきて、その先に花を付け、花が枯れたあとに現れる葉は、翌年の夏に枯れるという珍しい性質をもつ。ちょうど秋の彼岸の頃に鮮やかな赤い花を咲かせることから、墓地に植えられることが多い。嶺岳寺の境内にはまた、金運のご利益があるという「黄金観音立像」や、立派な鐘楼もある。ここの梵鐘は太平洋戦争の際、兵器を作るために供出させられた。そのため、再建された鐘は平和を願って「彼岸(悲願)の鐘」と名付けられている。
スポット詳細
- 住所
- 長野県下伊那郡松川町生田438 地図
- エリア
- 電話番号
- 0265363572
情報提供: ナビタイムジャパン