金沢市立中村記念美術館

美術館

茶道盛んな金沢ならではの茶道具と工芸の美術館

藩政期から茶道が盛んな金沢には、城下町の個性を象徴したかのような茶道具と工芸の美術館がある。旧家伝来の茶道具や金沢の伝統工芸品など、古くから愛されてきた茶の湯の美を鑑賞してみよう。

市中心部にありながら緑とせせらぎに包まれる金沢市立中村記念美術館} 市中心部にありながら緑とせせらぎに包まれる金沢市立中村記念美術館

茶道愛する事業家が私費で設立

兼六園の真弓坂口から本多通りを南へ歩いて約5分、旧・石川県立図書館の裏手に大通りから隠れるように立つのが金沢市立中村記念美術館だ。本多公園の緑に囲まれ、辰巳用水の水音が響く同館は、もともとは民間美術館で、金沢で酒造業を営む実業家で茶人の故・中村栄俊氏が設立した中村記念館に始まる。中村氏は、1943年(昭和18)に茶道表千家に入門して茶道具の収集を始めたが、太平洋戦争敗戦を経て、日本は文化国家として繁栄していかなければならない、そのために金沢に美術館を造ろうと志を立てて財団を設立し、収集した美術品を寄贈。私邸も本多公園内に移築し、中村記念館を開館した。その後、1975年(昭和50)に金沢市が美術館と美術品の寄贈を受け、現在の金沢市立中村記念美術館は平成元年(1989年)に建設された。美術館として使用していた私邸は貸施設として利用されている。

作品ではなく、日常使いの道具として並ぶ喫茶室の茶道具} 作品ではなく、日常使いの道具として並ぶ喫茶室の茶道具

所蔵品が並ぶ2階の展示室} 所蔵品が並ぶ2階の展示室

茶道具を愛で、お抹茶をいただく

2階建て同館に入ると受付奥のロビーに数点の工芸品が展示されているが、1階に展示スペースはなく、2階が展示室になっている。同館の所蔵品は茶掛・茶碗・茶入・釜・水指などの茶道具、近世絵画、古九谷、加賀蒔絵といった中村氏収集の名品を核に、個人からの寄贈や市費による購入が加わり、現在、重要文化財5点をはじめ約1200点を数える。2階の展示室ではこれらを年4~6回の展示替えで公開している。貴重な所蔵品の鑑賞を終えたら、1階に戻って喫茶室に立ち寄ってみよう。ここでは、苔むす美しい庭園を眺めながら抹茶と菓子をいただける。庭園奥にある茶室「耕雲庵」は、江戸時代末期に金沢近郊の海運業を営む豪商が建てた茶室が、何度かの移転を経て現在地に立ったもので、今も茶会に使われている。

日本庭園を眺めながら抹茶をいただける喫茶室} 日本庭園を眺めながら抹茶をいただける喫茶室

通常は抹茶と半生菓子(350円)のセットだが、第2土曜と日曜は数量限定で抹茶と生菓子(600円)のセットに変わる} 通常は抹茶と半生菓子(350円)のセットだが、第2土曜と日曜は数量限定で抹茶と生菓子(600円)のセットに変わる

海運業、鉱山業、建築業といくつもの豪商の手をわたり、中村家所有となった茶室「耕雲庵」。金沢市に寄付され2001年(平成13)から現在地に} 海運業、鉱山業、建築業といくつもの豪商の手をわたり、中村家所有となった茶室「耕雲庵」。金沢市に寄付され2001年(平成13)から現在地に

本多公園を借景に昭和初期の旧家がたたずむ

館外の付属施設にも一見の価値がある。本多公園を挟んだ同館の反対側には、別館の旧中村邸が立つ。1928年(昭和3)築、旧家のたたずまいを今に伝える旧中村邸は市指定保存建造物で、1989年(平成元)まで美術館の本館として用いられていた。さらに、旧中村邸の庭園内には、もう1つの茶室「梅庵」がある。旧中村邸はふだん非公開だが、5月のゴールデンウィーク頃と11月の文化週間頃に内部が無料公開されるので、タイミングがあうならぜひ見学していこう。また、本多公園からは、辰巳用水が滝となって流れる斜面の階段「美術の小径(こみち)」を上がれば徒歩3分で石川県立美術館、斜面緑地に沿って「緑の小径」を進めば鈴木大拙館まで徒歩2分といずれも近い。

中村家が私財を投じて現在地に移築した旧中村邸。現在は、茶会や各種展示会、講座などに利用されている} 中村家が私財を投じて現在地に移築した旧中村邸。現在は、茶会や各種展示会、講座などに利用されている

辰巳用水が流れ落ちる音を聞きながら、石川県立美術館の真裏へ上る「美術の小径」} 辰巳用水が流れ落ちる音を聞きながら、石川県立美術館の真裏へ上る「美術の小径」

スポット詳細

住所
石川県金沢市本多町3-2-29 map map 地図
電話番号
0762210751
時間
9:30-17:00(受付は16:30まで)
休業日
月(祝日の場合は翌平日)、12/29-1/3、展示替期間
料金
[入館料]一般310円、65歳以上210円、高校生以下無料
※団体(20名以上)260円
駐車場
あり(20台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、Apple Pay、Google Pay、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
Wi-Fi
あり(KANAZAWA FREE Wi-fi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
0-30分

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 美しい敷地内にあります
    4.0 投稿日 : 2021.03.21
    SAMURAIパスポートで行きました。茶道具や工芸品が展示されている美術館です。こじんまりとしており、周辺は庭園等もあり心が癒されます。
  • 中村栄俊氏のコレクション
    4.0 投稿日 : 2019.06.16
    「美術品は一個人のものではなく国民の宝である」と収集した美術品を、財団を設立して展示。さらには収蔵品を金沢市に寄贈して、今の金沢市立中村記念美術館になったそうです。素晴らしい方ですね。本多公園に入ると、まず旧中村邸が見えてきます。二階建ての落ち着いた建物です。蔵と並んで絵になります。本館は1Fが受付、ミュージアムグッズ、喫茶室、ロビーで、2Fが展示室です。書、絵画、陶芸、漆芸、金工など約1...
  • すごく貴重な美術館
    4.0 投稿日 : 2019.06.07
    金沢市本多町あります。兼六園近くです、ぜひよってください。個人収集家の中村酒造の先代社長が収集したものです古九谷、加賀蒔絵、加賀象嵌など並びます。この中には重要文化財も多くあります。

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アクセス

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最寄り

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