JAXA宇宙科学研究所相模原キャンパス

博物館/科学館

小惑星から持ち帰った粒子も展示、宇宙がより身近になるJAXAの施設

無事地球に帰還し、日本中を熱狂させた小惑星探査機「はやぶさ」をはじめ、数々の宇宙科学ミッションを生み出しているのがJAXA相模原キャンパスだ。宇宙科学探査交流棟では日本が誇る宇宙開発の成果が公開されている。

実際に宇宙へ行った機器や実験機、打上げロケットの実物などが並ぶ宇宙科学探査交流棟} 実際に宇宙へ行った機器や実験機、打上げロケットの実物などが並ぶ宇宙科学探査交流棟

宇宙への夢をかきたてる宇宙科学探査交流棟

日本の宇宙・航空の研究開発を担っている組織がJAXA(Japan Aerosapce Exploration Agency)、宇宙航空研究開発機構だ。JAXAが全国に有する事業所のひとつ、相模原キャンパスには、日本の宇宙開発の歴史と功績、現在や将来のミッションを紹介する「宇宙科学探査交流棟」が一般公開されている。小惑星から持ち帰った粒子をはじめとする歴史的な展示物はもちろん、大きな壁面をスクリーンに見立てた「壁面シアター」での宇宙映像投影や、ガイドによる解説ツアー、大型実験施設を見学できる実験棟見学ツアーなど、展示にとどまらない宇宙とJAXAがいっそう身近になる企画を実施している。出かける前にシアターやツアーの時間をウェブサイトでチェックしておきたい。

日本の宇宙科学の歴史も解説。年表の上下にはペンシルロケットや人工衛星の模型などが年代を追って並ぶ} 日本の宇宙科学の歴史も解説。年表の上下にはペンシルロケットや人工衛星の模型などが年代を追って並ぶ

ゼロからスタートした戦後日本の宇宙開発

敗戦後の日本では、戦闘機や戦艦を開発していた工場などがGHQによって接収され、航空技術に関する研究のすべてが禁止された。航空の禁止が解かれてすぐさま、いち早く将来を見据えてロケットの研究班を立ち上げたのが「日本の宇宙開発の父」と呼ばれる糸川英夫であった。のちに、「はやぶさ」が目指した小惑星の名前となった工学博士である。必見は、歴史のコーナーの初めに陳列されている1955年(昭和30)に水平発射実験をしたペンシルロケットだ。世界初の人工衛星スプートニク1号(旧ソ連)の打上げ成功が1957年(昭和32)であったことを考えると、日本の宇宙開発は後発であったが、独創的な発想で発展を遂げてきた。

1955年(昭和30)糸川英夫博士が開発した「ペンシルロケット」の実物。日本の宇宙開発の原点となった} 1955年(昭和30)糸川英夫博士が開発した「ペンシルロケット」の実物。日本の宇宙開発の原点となった

15年後には日本初の人工衛星「おおすみ」の打上げにも成功。人工衛星自力打上げの快挙はソ連、アメリカ、フランスに次いで世界で4番目、しかも軍事目的以外の純粋な科学目的だけで研究開発した世界唯一の人工衛星(当時)であった。

日本初の人工衛星「おおすみ」となったのはラムダ4S型ロケット(L-4S)の最上段。現存する予備機の実物(一部のみ模型)が展示されている} 日本初の人工衛星「おおすみ」となったのはラムダ4S型ロケット(L-4S)の最上段。現存する予備機の実物(一部のみ模型)が展示されている

「はやぶさ」の再突入カプセルと小惑星からの微粒子

2010年(平成22)6月13日、小惑星イトカワの表面サンプルを携えて、地球に帰還した「はやぶさ」。プロジェクトチームの苦難のストーリーは映画化もされたが、交流棟には「はやぶさ」が持ち帰ったイトカワの微粒子と「はやぶさ2」が持ち帰ったリュウグウの粒子と、大気圏突入時に太陽の表面温度(約6000度)よりも高温の気体にさらされた「はやぶさ」の再突入カプセル、カプセルの着地の衝撃をやわらげたパラシュートなどが展示されている。これらを目の当たりにすると、燃え尽きながらもカプセルを地球に送り届けた「はやぶさ」の壮大なミッションとそれに携わる人々の苦労が身近に伝わってくるようだ。ほかにも小惑星リュウグウからサンプルを持ち帰った「はやぶさ2」の模型、タッチダウンしたリュウグウの表面写真、リュウグウ表面にクレーターを生成した衝突装置など、より具体的なミッションが機器とともに詳しく紹介されている。

小惑星探査機「はやぶさ2」の実寸大模型。下にはタッチダウンしたリュウグウの地表の写真が広がる。お見逃しなく} 小惑星探査機「はやぶさ2」の実寸大模型。下にはタッチダウンしたリュウグウの地表の写真が広がる。お見逃しなく

右のそろばんの珠のような形の岩がリュウグウの縮小模型。左には「はやぶさ2」の衝突装置などを展示} 右のそろばんの珠のような形の岩がリュウグウの縮小模型。左には「はやぶさ2」の衝突装置などを展示

交流棟見学後はキャンパスを散歩がてら

相模原キャンパスは、東京駒場にあった研究所が手狭になったことから、1989年(平成元)に旧宇宙科学研究所の中心施設としてオープンした。JR横浜線の淵野辺駅から徒歩15分ほど、丹沢山地を望むロケーションで、周囲は淵野辺公園など緑に囲まれている。宇宙に関する研究や開発はもちろん、実験や試験設備も備え、「はやぶさ2」のような探査機の打上げ後の管制も相模原キャンパスで行われている。交流棟見学後はキャンパスの見学エリア内を散策してみたい。M-Vロケット(ミューファイブロケット)と、その前の世代のM-3SII(ミュースリーエスツーロケット)の2機が並ぶところは絶好のフォトスポット。どちらも探査機や人工衛星の打上げに活躍したもので、M-Vロケットの大半は実物だ。また、キャンパス内の一部施設も利用可能で、食堂(平日のみ)を利用するのもいいし、帰りにはおみやげにいいJAXAグッズのそろう売店(平日のみ)にも立ち寄りたい。

宇宙科学探査交流棟の前にあるMV-ロケット(左)。上段は模型だが、実物は交流棟の中に展示} 宇宙科学探査交流棟の前にあるMV-ロケット(左)。上段は模型だが、実物は交流棟の中に展示

JAXAグッズが充実する売店。瓦せんべいは相模原キャンパスのオリジナル} JAXAグッズが充実する売店。瓦せんべいは相模原キャンパスのオリジナル

スポット詳細

住所
神奈川県相模原市中央区由野台3-1-1 map map 地図
エリア
県央エリア
電話番号
0427513911

情報提供: ナビタイムジャパン

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