寺坂棚田
初夏の田植えに秋の彼岸花。郷愁を感じる里山の風景
埼玉県内最大級の棚田として知られる横瀬町(よこぜまち)の寺坂棚田(てらさかたなだ)は、秩父盆地の東部、荒川支流の横瀬川と曽沢川(そざわがわ)の合流点に位置する。近くには縄文時代の遺跡があり、古くから人々が居住していたこの土地には、鎌倉時代にはすでに棚田が造られていたとの記録が残る。現在は東西400m・南北250mにわたって田畑が広がり、そのうち約4万平方メートルが水田として利用されている。田植えは5月下旬から6月上旬にかけて。水をたたえた田んぼに周囲の山々が映りこむ光景は、この季節ならでは。7月に入ると稲が青々と生長し、棚田全体がグリーンに染まる。例年7月上旬には「ホタルかがり火まつり」が行われ、かがり火と星空と楽器が協演する幻想的な風景を楽しめる(2022年はコロナ禍により中止)。9月は実りの季節。中旬ともなると稲刈りを終えた田んぼもあり、たばねた稲を棒にかけて乾燥させるはぜ掛けが見られる。朱色の彼岸花があぜ道に沿って咲き乱れ、黄金の稲穂と秋の澄みきった青空とのコントラストが美しい。なお、あぜ道に入ることは禁止されているので、マナーを守って散策を楽しみたい。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン