湯沢市川連漆器伝統工芸館
800年の歴史が詰まった川連漆器の展示&販売拠点
川連漆器の品ぞろえとしては全国随一
日本最大規模の広さである横手盆地の南端、秋田道十文字ICから車で20分ほどに位置する湯沢市川連町にある、伝統的工芸品・川連漆器の展示販売施設。1階には約500平方メートルの空間に常時800点以上もの漆器がズラリと並ぶ「展示販売コーナー」、2階には鎌倉時代から続く800余年の歴史を、貴重な過去の名品や工具などの展示鑑賞を通じて体感できる「歴史資料館」がある。1階展示販売コーナーの川連漆器の品ぞろえは、全国でも最大規模。伝統的な箸や椀などの食器から、今の暮らしに取り入れやすいモダンデザインの漆器まで、お気に入りの一品を見つけて購入できる。また1階では「体験教室」が開催されており、予約をすれば有料で沈金体験や蒔絵体験もできる。無料駐車場があり館内も入場無料なので、ショッピングや観光、漆器鑑賞スポットとして気軽に立ち寄れる。
半径2kmの小さな町で受け継いだ伝統
川連漆器の伝統と技術は旧稲川町川連地区の小さな町のなかで、古くは鎌倉時代から脈々と受け継がれてきた。木地職人・塗り職人・加飾職人の工房が、半径2kmほどのエリアに密集しており、職人同士が協力しあい分業制で1つの漆器を作り上げる。江戸時代には椀や膳、重箱など、日用雑器の漆器づくりで全国に知れ渡り、贅を尽くした沈金や蒔絵などの装飾が人気を博した。昔ながらの伝統技法によってできあがる漆器は、軽くて丈夫なうえに断熱性や保温性、抗菌効果にも優れており、食器としての実用性や機能性が非常に高い。国産の木地を挽いてから煙を浴びせて、木地を低温でゆっくり乾燥させる。そのため木地割れにつながる歪みを軽減し、煙の成分により防腐・防虫効果も加わる。また、漆を塗っては研ぐ作業を繰り返し、上塗りを「花塗り」という技法で仕上げることで、平滑に光沢よく仕上げることで豊かな曲線と漆のもつやさしい質感が生まれる。さらに繊細かつ華やかな沈金や蒔絵の技術により、全国でも有数の漆器の里としての地位を獲得した。
明治・大正・昭和時代の名匠の逸品を鑑賞
川連漆器伝統工芸館を訪問したら、無料で入場できる2階の歴史資料館もぜひ鑑賞したい。木地を挽く前の木材の展示をはじめ、木地づくり、漆塗り、沈金、蒔絵の道具など、伝統的な漆器づくり工程の解説とともに、本物の工具や道具を間近に鑑賞できる。特に注目してほしいのが、明治から現代にいたるまでの貴重な漆器作品や、名匠たちが残した逸品の数々だ。器としての実用性だけではなく、美術品としての美しさも同居しており、時代を経ても褪せない漆ならではの色合いや艶感にため息が出る。現代の暮らしのなかでは高級品に分類される漆器だが、長くていねいに使える一生モノとして捉えるとお手頃だ。温かいお料理をおいしくいただける保温性に加え、菌の繁殖を抑える効果もあわせもつ。天然素材で生み出すコーティング力と手触りも魅力で、使うごとに艶が加わり美しさが増していくという。2階で展示品を鑑賞したあとは、1階のショップで一生モノの漆器を探してみてはいかが。
スポット詳細
更新日:2024.04.28
- 住所
- 秋田県湯沢市川連町大舘中野142-1 地図
- エリア
- 横手・湯沢・栗駒エリア
- 電話番号
- 0183422410
- 時間
- 9:00-17:00
- 休業日
- 木、12/31-1/5
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 800年の歴史
- 工芸館の中を見学しているだけで購入意欲が沸々と沸いてくる。伝統工芸品の持つ力強さ、手にすっぽりと収まる形の良さ、日常使いに良い感じの滑らかさ、そこに工芸館職員の上手な説明が入ったらもう駄目です。日常使いをしてこその漆椀、使いこなす程に漆の光沢が輝きを増すと言われました。目の保養とちょっとした贅沢をしてしまいました。
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