安比塗漆器工房
日本有数の漆の産地で生まれた安比塗の絵付け体験
3名の女性塗師が安比の漆器文化を守る
「安比塗」が生まれたのは、実は40年ほど前のこと。八幡平市を含む北東北一帯は、縄文時代からの漆の産地で、安比川沿いの荒沢地区に住む職人によって「荒沢漆器」が作られていたという。昭和に入り衰退した「荒沢漆器」を再興しようと、1983年(昭和58)に「安代町漆器センター(現・八幡平市安代漆工技術研究センター)」が設立され、塗師の育成を始めた。すでに卒業生は60名以上。この安比漆器工房では、日本文化財漆協会常任理事・冨士原文隆さん(浄法寺塗認定伝統工芸士)指導のもと、現在、技術研究センターを卒業した3名の女性塗師が確かな技術と新しい感性で、漆器文化の継承と漆器の可能性に取り組んでいる。安比塗の漆器は基本的に派手な加飾がなく、色味は溜(黒)と本朱(赤)、木目を生かした拭漆(ふきうるし)の3種類。現代のライフスタイルにあったモダンなデザインで使い勝手がよく、人気が高まっている。
毎日使いたい! オリジナルMY箸を制作
今回、工房内の広い板張りの作業場で体験するのは「箸の絵付け」。黒か赤の箸から好みの色を選び、青・赤・黄・白の漆で自由に模様や図柄を描いていく。色は混ぜてもOKだが、漆は水彩絵の具よりもっちりして重いので、最初に板の上で試し描きしてから箸に描き始めるのがいい。「絵が苦手な人やお子さんは、スポンジに漆を付けてポンポンするだけでかわいいお箸になりますよ」とスタッフがやって見せてくれた。確かに、これなら簡単。箸の頭の部分にイニシャルや自分専用マークを描くと、デザイン性が高くなるだけでなく、自分の箸が一発でわかって便利だ。できあがったら工房で乾燥させ、約1か月後に自宅へ送付してくれる。安比塗の箸は使ったあとに洗い、やわらかい布巾で拭く。これを毎日繰り返すことで、漆が磨かれ、自然にツヤが生まれるそうだ。
生活に彩りを添えるオシャレな漆器
安比塗はシンプルなデザインで、丸みなどのカーブの施し方に品があり、使うシーンや料理を選ばない。和食はもちろん洋食でも使えば、ふだんの食事がセンスアップしそうだ。工房併設のショップでは、安比塗の汁椀や椿皿、カトラリーだけでなく、技術研究センターで漆塗りを学び、漆芸家として活動する卒業生の作品も購入できる。漆芸家の作品には器以外にもアクセサリーや漆でパターンを描いた布製の小物など、個性が光る作品が多く、見ているだけで楽しい。工房では特注品の制作もしている。飲食店用の漆器のほか、地元八幡平市の市長室のテーブルも、センの木の一枚板を拭漆で仕上げた安比塗漆器工房製だ。また、長く使うことを考え、キズなどのアフターケアにも対応している。安比塗の漆器は作り手の想いを受け継ぎ、使い続けていくことで完成する作品のようだ。
スポット詳細
- 住所
- 岩手県八幡平市叺田230-1 地図
- エリア
- 八幡平・安比高原エリア
- 電話番号
- 0195631065
- 時間
- 9:30-17:00
- 休業日
-
月(祝日に当たる場合は翌日)、年末年始不定休
[12-3月(冬期間)]日、月 - 駐車場
- あり(5台)
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、銀聯)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、QUICPay、iD、Apple Pay、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、d払い)
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 車椅子での入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン