CASAICO(カサイコ)
伝統工芸品・津軽塗(つがるぬり)の研ぎ出し体験をしてみよう
300年以上の歴史がある津軽塗とは?
津軽塗は、江戸時代中期、元禄年間から続いてきた伝統工芸だ。弘前藩第4代藩主・津軽信政は、藩内の産業育成の一環として弘前城内に塗りの作業場をおいたという。そして、最初は藩の依頼を受けて、道具や装身具、調度品、器などを色漆(いろうるし)で飾るようになった。これが津軽塗の始まり。津軽塗は、漆を数十回塗り重ね、磨き、研磨仕上げを施す、漆工技術の分類でいうところの「研ぎ出し変わり塗り」という技法で作られる。そのなかでも代表的な「唐塗(からぬり)」は、48工程を要し、完成までにおよそ3か月。何度も漆を塗り重ね、模様を研ぎ出していく。そんな津軽塗を体験したいなら、「CASAICO」の漆工房で開催している「漆教室」へ。今回はいろいろな体験メニューのなかから「1DAY 津軽塗研ぎ出し体験」にチャレンジだ。体験ではまず、オーナーで漆器作家の葛西彩子さんから津軽塗についてのレクチャーを受ける。「唐塗」「七々子(ななこ)塗」「紋紗(もんしゃ)塗」「錦塗」など代表的な津軽塗について聞くだけでも、津軽塗についての知識を吸収でき、興味が深まっていく。
研ぎ出し体験で津軽塗の工程を知る
「1DAY 津軽塗研ぎ出し体験」で作ることができるのは、ボールペンやイヤリング、鉛筆など。今回はボールペン(2500円)を選択。ボールペンのペン先側半分には、あらかじめ凸模様(しかけ)と色漆が4色重ねて塗られている。その表面は凸凹(でこぼこ)になっているので、それを削り、模様を研ぎ出していく。「削り出し」ではまず、消しゴムに800番の紙やすりを巻き、水をたっぷりつけながら全体を少しずつ削っていく。途中で水分をティッシュで拭き取り、削り過ぎていないか模様を確認しよう。ゆっくりと進めるのがポイントだ。次に、より細かい1200番の紙やすりで表面を整えていく。800番のときの傷を消すような気持ちで研ごう。模様の出方に納得したら、布に研磨剤をつけてこすり、艶を出してできあがりだ。紙やすりで削るとき、最初は力の入れ具合がわからず恐るおそるの作業となるが、模様が出てくるうちに「ここをもう少し削ろう」などと欲が出てくるのがおもしろい。開始から2時間弱、そうして完成した作品は唯一無二のオリジナルだ。
アーティストたちの作品を眺めるのも楽しい
「CASAICO」は、漆塗り工房を併設するイベントギャラリーなので、イベント時のみオープンする。ギャラリーでは、アートをもっと身近に、オシャレに、日々の衣食住に溶け込むことを目指し、同店が注目する作家を紹介。絵画や版画、工芸やファッション小物など、ジャンルはさまざまだ。イベントについては事前にウェブサイトでチェックしよう。漆塗り工房の「漆教室」で開催しているほかの体験は、「うるしで絵付け&蒔絵」2000円~、「ブローチに純金箔を貼る」3000円~、「かんたん金継ぎ体験」4500円など。いずれも5日前までに要予約。工房では漆器の製造やオーダーメイド、金継ぎ修理も行っている。また、ショップも併設しており、津軽塗製品、若手アーティストたちによる漆の作品が並ぶ。もちろん購入も可能だ。体験したあとに、お気に入りの作品を探してみよう。
スポット詳細
- 住所
- 青森県弘前市城東中央4-2-11 地図
- エリア
- 弘前・黒石・岩木山エリア
- 電話番号
- 0172887574
- 時間
- 10:00-17:00
- 休業日
- 不定休
情報提供: ナビタイムジャパン