米原ヤエヤマヤシ群落
八重山でしか見られない美しいヤシの群落
石垣島と西表島だけで見られる固有のヤシ
ヤエヤマヤシは、空に向かってまっすぐに伸びる幹が太さ20-30cm、高さ20m以上にもなる大型のヤシで、羽のように広がる大きな葉の形状とともに「世界でいちばん美しいヤシ」ともいわれている。その名のとおり、八重山地方だけに生息する固有の植物で、この1種のみで「ヤエヤマヤシ属」に属するほど植物学的に貴重な種とされている。天然の群落は石垣島と西表島のみに現存し、いずれも国の天然記念物に指定されているが、石垣島ではここ米原だけで見ることができる。亜熱帯の森のなかからまっすぐに頭を出して並ぶ姿は南国らしさ満点で実にフォトジェニックだ。
遊歩道の緑のトンネルを散策
米原のヤエヤマヤシ群落は、駐車場、トイレ、遊歩道が整備された観光スポットになっている。遊歩道は約200mと手軽に散策できる距離で、群落のすぐ近くまでいくことはできるが、ヤエヤマヤシは背が高いので見上げて観察することになる。遊歩道の途中には幹に実のような花のうをたくさん付けたギランイヌビワや、太古の昔から生息しているヒカゲヘゴ、甘い香りのする花が咲くクロツグや観葉植物としておなじみのクワズイモなど、亜熱帯の植生を間近に観察できるのが楽しい。運が良ければサキシマキノボリトカゲなどの珍しい動物にも出合えるかもしれない。遊歩道は深い緑に覆われているので日差しはさえぎられているが、湿度が高いので蒸し暑さを感じるかもしれない。散策したあとには、駐車場前にある売店でしぼりたてのサトウキビジュースを買ってのどを潤すのもおすすめだ。
近くにはヤエヤマヤシの記念館も
ヤエヤマヤシは1963年(昭和38)にヤシ研究の権威である佐竹利彦氏によって新種の「リュウキュウヤエヤマ」として登録された。学名は佐竹氏にちなんで「サタケンチャ・リュウキュウエンシス」という。ヤエヤマヤシ群落の駐車場から徒歩約10分、車で約1分の近隣には、ヤエヤマヤシについて詳しく紹介された「サタケ八重山ヤシ記念館」(入館料300円)がある。記念館の外には整備されたヤシ林や熱帯植物のガーデンがあり、こちらは無料で見学できるので興味のある人は訪れてみるのもいいだろう。同じ米原エリアには、スノーケリングスポットとして地元で人気の米原ビーチもあるので、石垣島の森と海を両方楽しむことができる。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン