観光船 かのこ
8000万年前の地層を間近に見られる観光クルージング
国定公園の離島は観光やマリンスポーツのメッカ
東シナ海に浮かぶ鹿児島県の離島・甑島は、上甑島、中甑島、下甑島の3島の総称。薩摩川内(さつませんだい)市の沖合から西へ約30kmにある、豊かな海と緑を楽しめる風光明媚な場所で、国定公園に指定されている。本土の川内港ターミナルから高速船で最短約50分。串木野新港からフェリーで最短約70分でアクセスできる。鹿児島県では珍しい、日帰りも可能な離島だ。甑島はそれぞれの島ごとに異なる地層や地形で成り立っているため、クルージングで各島の違った表情を楽しもう。マリンスポーツも盛んで、初心者も楽しめるスキューバダイビングや釣りができる遊漁船、シーカヤックなども島で体験可能。上甑島の里港(さとこう)には釣具店もあり、道具やエサをそろえたり、島の釣り情報を店主から聞いたりできる。
甑島観光にはずせない遊覧船のクルージング
甑島では観光船かのこに乗って、8000万年前の白亜紀の地層が見られる断崖や奇岩を楽しむクルージングが人気だ。地層の境目をはっきりと観察できる鹿島断崖をはじめ多彩な奇岩怪石が作り出す雄大な景観は、甑島観光のハイライトといえる。観光船の発着場は上甑島にあるコシキテラス。出発時刻が近づくと、スタッフの案内でふ頭に接岸している船へ向かう。運転席の横を通って船内に入ると客室は3つ。前方は24人定員のリクライニングシートになっていて、快適な遊覧の旅が楽しめる。窓はもちろん天井までガラス張りで、航行中移り変わる甑島の西海岸の断崖や奇岩の迫力ある景観に圧倒されるはずだ。
クルージングでぜひ見ておきたいスポット
クルージングでは、断崖や奇岩怪石の連続する様子を間近に見ることができる。海が凪いでいる日は、ライフジャケットを着けて甲板に出ることも可能。手を伸ばすと触れられそうなほど、西海岸の地層に近づける感動のクルーズだ。甑島の奇岩を代表するナポレオン岩は高さ127m。観光でこの地を訪れたフランス人が「ナポレオンの横顔に似ている」と言ったことからこの名がついたと伝わっている。また、金山(かなやま)海岸は、5つの岩礁が海中から突き出た、自然が生み出す造形美がすばらしい。近づくにつれてそのダイナミックな景観に圧倒される。その名は江戸時代、銅や金、銀を試掘したことからつけられたとも、鉱山の神・金山毘売神(かなやまびめのかみ)が由来だともいわれている。
最大時速68.5kmの快適クルージング
観光船かのこは、老朽化した先代の観光船に代わって2011年(平成23)4月1日に運航開始。白を基調とした船の胴体には、船名の由来にもなったカノコユリのロゴが入っている。全長23m、幅4.8m、総トン数19tのFRP(繊維強化プラスチック)製。最大速度は37ノット(時速68.5km)を誇る。ただし、ふだんはその3分の2の25ノット(時速46.3km)で運航している。遊覧船の運航は、1日に3便と団体向けの午後臨時便となっている。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン