那珂川
九州一の大都市「福岡」を貫く代表的河川
街の中心地を巡るなら水上移動が便利
那珂川を境に「福岡」と「博多」に分かれていた福岡中心部。明治になり合併されて福岡市が生まれ、博多は1972年(昭和47)に博多区となった。街は那珂川沿いに繁栄しており、川が分岐してできた「中洲」は東西約250m、南北1.5kmのなかに2000軒以上の飲食店がひしめく歓楽街として名を馳せ、「天神」はビジネス、観光、ファッションの中心地になっている。那珂川をゆったり移動する水上バスや屋形船などを利用すれば、陸では気づけなかった街の魅力を発見できる。
喧騒を離れたリバーサイドの景色に安らぐ
中洲から那珂川を挟んで対岸の天神中央公園へと架かる「福博であい橋」は、武士の町「福岡」と商人の町「博多」が出合い、つながっていく思いを込めて名づけられたもの。長さ78.2mの橋の上は遊歩道になっており、屋根付きのベンチもある。のんびり那珂川を眺めるのにぴったりなロケーションだが、日がくれると一変、ビルのネオンや夜景が美しく、楽器演奏やパフォーマンスをする人で賑やか。昼と夜の表情の違いが楽しい。橋を渡り切った天神中央公園の西中洲エリアには2019年(令和元)にオープンした複合施設「HARENO GARDEN EAST&WEST(はれのがーでん)」があり、福岡市内の人気飲食店が並ぶ。那珂川沿いのテラスで、散策のついでに目もお腹も満たされる。
「湖畔に建つチューリップ屋根」の正体は?
中洲から「福博であい橋」を渡って天神中央公園を歩き出すと、ひときわ目立つクラシカルな洋館が目に飛び込んでくる。「旧福岡県公会堂貴賓館(きゅうふくおかけんこうかいどうきひんかん)」だ。フレンチ・ルネサンス様式を基調とするこの木造建築物は、1910年(明治43)に来賓接待所として設立され百余年もの歴史をもつ。館内は1階に遊戯室や食堂、2階に貴賓室や寝室が配され、どの部屋も古き良き情緒を感じられるしつらえが施されている。板材を斜めに交差させた綾筋張りの床、金属板に立体的な模様を打ち出した天井、デザイン性のある木枠をはめ込んだ半月型の窓……。ここが日本だということを忘れる優雅な時間が流れていく。レトロなドレスの着用体験も行っており(2000円-男性用衣装も有/1時間程度)、館内での写真撮影が可能だ。
近代的なビルのなかで存在感を増す名建築
川に目をやりながら中洲の那珂川通りに沿って遊歩道を河口に向かって進んで行く。すると、中洲の先端にほど近いところで西中島橋が見えてきた。大きな橋を渡ると昭和通りの角には、まるでヨーロッパのどこかの街の駅舎のような建物。「福岡市赤煉瓦文化館」である。この建物は、明治時代の我が国を代表する建築家・辰野金吾と片岡安の設計で日本生命保険株式会社九州支店として1909年(明治42)に竣工し、現在は福岡市が譲り受けて国の指定重要文化財になっている。外観の赤レンガと花崗岩の外壁は19世紀末のイギリス様式、尖った塔やドーム型の屋根などとても変化に富んだデザインで、夜のライトアップも美しい。1階にある福岡市文学館には福岡ゆかりの文学者の作品などが展示され、カフェ&バーも併設されている。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
アクセス
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