東祖谷山村落合伝統的建造物群保存地区(落合集落)
失われた日本の原風景を感じさせる山岳集落
九十九折(つづらおり)の峠道をひたすら越えて
四国山地を東西に走る国道439号は、バイク乗りたちを中心に「ヨサク」と称される四国ナンバーワンの「酷道(こくどう)」だ。この厳しい峠道をひたすら祖谷渓に沿って進んでいくと、やがて落合集落のふもとに到着する。しかし、山の斜面を切り拓いてつくられた落合集落の全景は、残念ながらそこから見ることはできない。「落合集落展望所」が設置されているのは、向かい側に位置する中上(なかうえ)集落である。手前にある東祖谷小中学校前の釜ヶ谷橋を渡り、九十九折(つづらおり)の峠道を抜けていくルートを走って約6分。天気が味方してくれれば、目の前に迫力ある落合集落の姿を拝むことができるはずだ。ふもとから山頂近くまで達する急斜面に民家と畑が点在する山岳集落は非常に珍しく、2005年(平成17)には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
世界農業遺産に認定された独自の傾斜地農耕システム
落合集落には舗装道路も通っているが、現在でも暮らしの中心は「里道(りどう)」と呼ばれる細い道だ。地図上では赤線で記されたことから、地元では「赤筋道(あかすじみち)」と呼ばれている。こうした里道がつなぐ家々と田畑を急斜面に造り、じゃがいもやそばなどの作物を育てるためには、独自の知恵と工夫が必要だった。その最たるものが、段々畑などを造らず、斜面をそのまま利用する「にし阿波の傾斜地農耕システム」である。等高線に沿った畝(うね)立てや「サラエ」と呼ばれる伝統農具による土上げ、刈り取った茅(かや)を円錐状に積み上げて乾燥させた「コエグロ」と呼ばれる肥料などにより、厳しい環境のなかでも持続可能な農業を実践。近年「にし阿波の傾斜地農耕システム」は高く評価され、2017年(平成29)に日本農業遺産、2018年(平成30)に世界農業遺産として認定されている。
江戸中期から昭和初期までの古民家が数多く残る
奥祖谷には平家の落人(おちうど)伝説や開拓伝承などが残るが、ここ落合集落の起源は定かではない。江戸中期から昭和初期にかけての古民家が数多く残り、その一部は「桃源郷祖谷の山里プロジェクト」による改修・再生によって体験宿泊施設となっている。「浮生(ふしょう)」「雲外(うんがい)」「天一方(てんいっぽう)」など、風情あるネーミングの茅葺き民家はいずれも一棟貸し。冷暖房やバスルームなどは近代化されており、不自由なく山岳集落の雰囲気を体験できるだろう。また、内部を見学できる古民家としては、山の中腹からやや下辺りに建つ「長岡家住宅」がある。1901年(明治34)に建てられた築120年の茅葺き民家で、国の伝統的建造物(特定物件)に指定されている。その成り立ちから上層農家と思われ、囲炉裏(いろり)部屋が2つあるほか、書院や床の間を備えた見事な広い座敷と縁側がある。
スポット詳細
- 住所
- 徳島県三好市東祖谷落合他 地図
- エリア
- 祖谷・大歩危小歩危エリア
- 電話番号
- 0120404344
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 雨の祖谷
- 雨の祖谷では、よく魔法がかかる。その美しい魔法に「四国・祖谷・落合ビレッジ」でかかった。魔法もさることながら、この地に暮らす人々との交流も私にとって特別な時間!ちなみに「四国のかずら橋」は多くの方が訪問するTHE観光地私からのアドバイス、秘境を旅したい方には「THE観光地+ビレッジツアー」をオススメします!!!じっくり旅することで、この地を生きる人々の笑顔と暮らしに出逢えることでしょう...
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- 山の中の集落
- 平家の時代から続く山の中の集落。雰囲気は昔見たブータンの田舎に似ている。住むのはとっても大変なところだと思う。
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- 見晴らしがいい
- 雲の中にある町 山深い祖谷の独特の雰囲気に包まれている 展望所からはとても見晴らしがよい併設させているトイレはキレイ落合にあるお豆腐屋さんはオススメ!おいしく、とても親切☆
TripAdvisorクチコミ評価
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