相模の大凧センター
相模川の空を泳ぐ日本一巨大な凧「相模の大凧」
百畳敷を遥かに超える巨大な凧が壮観
県央エリアを縦断して流れる相模川に沿って県道46号を南下する。畳6畳ほどもある「相模の大凧」の看板で右折し、大凧揚げの行われる河川敷を遠望してしばらく走ると、大きな体育館のような建物が現れる。中へ入るなり、広いホールに覆いかぶさるかのような巨大な凧にビックリ! よく、広い場所を指して「百畳敷」と表現するが、この凧は128畳分。さきほど県道にあった大きな看板は大凧の端っこ部分を再現したにすぎなかったのだ。これほどの大きさだと骨を組むだけでも大変な労力のはず。どうやって作るのだろうと思いながら、ホールにあるパネルやジオラマで大凧の歴史と作り方を学んでいく。
※相模の大凧センターに展示されている大凧は88畳(7間)です。
100人近い男衆が力を合わせて空へ送り出す
大きな凧は江戸後期の1830年頃(天保年間)から揚げられていたといわれるが、現在のように巨大になったのは1895年(明治28)から。始まりは男児の初節句に揚げられていた祝い凧で、今でも大凧揚げは端午の節句に行われている。相模の大凧は正方形だ。骨を組み、手漉き和紙を貼り、題字を描く。そのあと糸目を付ける作業には最も神経を使うという。重さ950kgにもなる大凧を揚げることができるか否か、糸目調整にかかっているといわれているのだ。長さ200mの引き綱は当日、会場で結び付ける。凧を揚げるには70~100人の引き手に加えて、凧の端を持ち上げて風を迎え入れる「引っ立て役」も10人ほど必要になるそうだ。
大凧の題字は伝統的に漢字2文字
現在、大凧揚げは毎年5月4日と5日に相模川河川敷の4つの会場でいっせいに行われている。いちばん大きな8間凧を揚げる会場のほか6間凧が2会場で、5間凧が1会場で同時に揚げられ、実に壮観だ。題字は毎年相模原市民から募集しており、実行委員会が選んだ文字を市長が直筆し、これを見本として大凧に描かれる。1文字目は太陽を表す赤色で右上に、2文字目は大地を表す緑色で左下に描くと決められている。かつては世相を表した文字が選ばれることが多く、戦前には「忠武」「神風」、戦後には「慶祝」(皇太子成婚の年)、「祝相」(市制50周年)と描かれた大凧が揚げられている。
国内外のバラエティに富んだ凧のギャラリー
2階の回廊に上がり、大凧の骨組みを観察しつつ、全国各地から集められた和凧を見てまわろう。ツル、カメ、チョウなどの生き物から武将、だるま、龍、獅子などモチーフはさまざま。やはりおめでたいもの、勇壮なものが選ばれることが多いようだ。ギャラリーにはさらにインドネシアのバリ島、中国など海外のユニークな凧や連凧の展示もあって興味深い。めったに見られなくなりつつある凧揚げの文化が、日本の空から消えてしまわないようにと願わずにいられない。
スポット詳細
- 住所
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神奈川県相模原市南区新戸2268-1
地図
- エリア
- 県央エリア
- 電話番号
- 0462551311
- 休業日
- 年末年始(12/29-1/3)、3月に1日のみ
- 駐車場
- あり(53台)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 可(屋外の喫煙所のみ可)
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン