旧前田家本邸(駒場公園)

歴史的建造物

侯爵家の輝かしい栄華に思いを馳せる

目黒区・駒場公園内に位置する旧前田家本邸は、旧加賀藩主前田家16代当主の侯爵、前田利為(としなり)侯の居宅として建てられた館。カントリーハウス風の洋館と純日本風の和館がある。

玄関から2階への階段には真っ赤な絨毯が敷かれている} 玄関から2階への階段には真っ赤な絨毯が敷かれている

侯爵の暮らした大邸宅

東京大学駒場キャンパスに隣接する駒場公園。ここはかつて旧加賀藩主の前田侯爵が暮らした場所。約4万平方メートルの広大な敷地に洋館、日本庭園を含む和館、馬場、芝庭などがあり、当時は東洋一の大邸宅と讃えられたという。現在はそのまま駒場公園として区民の憩いの場となり、洋館、和館ともに無料で見学することができる。建築当時から立つというウバメガシのある正門を入り、洋館までのアプローチはまさに貴族の邸宅。ヒマラヤスギを越えた辺りから西洋風の立派な邸宅が姿を見せる。ほかにもイチョウやアカマツ、クスノキなどの木々が今なお残され、往時の面影を今に伝えている。

庭園から見た洋館。圧巻の迫力に圧倒される} 庭園から見た洋館。圧巻の迫力に圧倒される

侯爵邸が公園として整備されるまで

旧加賀藩主前田家は加賀百万石といわれ、現在の石川県を中心とした地域を治めた大名。前田利家を藩祖として13代にわたり加賀藩を治めた。1884年(明治17)には華族令が発布され、侯爵の爵位を授与されている。1928年(昭和3)、16代当主の前田利為侯は約3万3000平方メートル(約1万坪)の敷地に洋館と和館を建設。しかし、第二次世界大戦が勃発し、1942年(昭和17)、利為侯は従軍中に不慮の死を遂げてしまう。戦後、邸宅は連合軍に接収され、1967年(昭和42)に東京都立駒場公園として生まれ変わった。その後、1975年(昭和50)に公園と和館が目黒区に移管され、現在は洋館のみ東京都が管理している。保存状態も良く、華族の生活をうかがい知ることのできる貴重な建物として、2013年(平成25)には国の重要文化財に指定されている。

前田家の重役や元家老が出入りしたという侯爵の書斎} 前田家の重役や元家老が出入りしたという侯爵の書斎

食堂に展示されているカトラリー・セット} 食堂に展示されているカトラリー・セット

見どころが満載の洋館

アプローチを抜け洋館に対峙すると、巨大な木々や林に囲まれ、まるでヨーロッパの田舎に立つ瀟洒な邸宅に迷い込んだような気分に。レンガ風のスクラッチタイルと大華石で装飾された重厚な鉄筋コンクリート造りで、羽の生えたライオン像や尖塔などが異国情緒を掻き立てる。建物内に入ると、まず深緑の蛇紋石の柱や真っ赤な絨毯、シャンデリアなど、贅を尽くしたインテリアに驚かされる。2階へ続く階段も見事で、ここで記念写真をとる人も多いとか。各部屋は異なる意匠でデザインされ、さりげなく前田家の家紋をデザインするなど遊び心もうかがえる。家族の私的な空間だった2階は接収前の内装が復元され、婦人室の絨毯はオリジナルを修復したものだ。

修復して展示されているオリジナルの絨毯} 修復して展示されているオリジナルの絨毯

前田家の家紋をあしらうなど、細部にまでこだわったインテリアにも注目} 前田家の家紋をあしらうなど、細部にまでこだわったインテリアにも注目

銀閣寺をほうふつさせる和館

前田家が暮らし、パーティなどが開かれた洋館に対して、和館は外国からの要人をもてなすために建てられたもの。ふたつの館をつなぐ渡り廊下にもこだわりが見られ、中央の東屋を境に洋館側は洋風、和館側は和風のデザインになっている。庭園にはさまざまな植物が植えられ、前田家の四季折々の行事にも使われたという。洋館前庭園は広場を囲むようにベンチが置かれ、洋館の美しい姿や春は桜を見ながら過ごすことができる。同じく公園内には日本近代文学館もあるので一緒に訪れるといいだろう。

当時のままの林に囲まれた庭園} 当時のままの林に囲まれた庭園

スポット詳細

住所
東京都目黒区駒場4-3-55 map map 地図
電話番号
0334665150
時間
9:00-16:30(夜間閉鎖。洋館及び和館は16:00まで)
休業日
月(祝日と重なるときはその翌日以降直近の平日)、年末年始
※洋館は火も休館
駐車場
なし
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
60-120分
備考
※電話番号は「洋館」に繋がります。
「和館」の電話番号は以下の通りとなります。
和館TEL:03-3460-6725

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

最寄り

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