前川十二橋めぐり
江戸情緒あふれる水路に架けられた12本の橋をサッパ舟で巡る
加藤洲と前川の2種類、計4コースが楽しめる十二橋めぐり
潮来市は、茨城県と千葉県の県境を流れる常陸利根川の下流にある水郷。江戸時代には、サッパ舟と呼ばれる小舟を使って荷物の運搬や移動をする文化が根付き、若い花嫁もまたサッパ舟に乗って嫁いできた。その姿には独特の情緒があり、かの徳川光圀も見物にやってきたと伝えられている。そんな江戸の情緒を今に伝えるのが「十二橋めぐり」だ。現在は、常陸利根川を横断し、加藤洲(かとうず)水門をくぐり細い水路を運航する「加藤洲十二橋めぐり」の3コースと、水郷潮来あやめ園に沿って流れる川を運航する「前川十二橋めぐり」の1コースがある。
歌謡曲と船頭さんの話がノスタルジック
加藤洲十二橋めぐりの12本の橋はすべて住民が日常生活で使う生活橋。その1本1本には人情味あふれるエピソードがあり、なかでもおもしろいのが6番目に現れる「見返り橋」だ。浮気性の旦那が若い妻を家に置いて「花街に行こうか、行くまいか」と何度も振り返ったことからその名がついたという。そんな話を聞かせてくれるのが気さくな船頭さん。BGMには『潮来花嫁さん』などの潮来に因んだ歌謡曲が流れ、その雰囲気は昭和のノスタルジーが漂う。橋の話のほかにも、各家にある石段の話も興味深い。舟で運んできた荷物や家畜を敷地に入れるための階段で、嫁いできた花嫁もこの石段を使ったという。「一度、登ればもう帰れない」そんな花嫁の心情を今も伝えている。
ベストシーズンは5~6月、鳥好きは秋以降がおすすめ
伝統の「潮来嫁入り舟」は、5月下旬-6月下旬の「あやめまつり」の期間中、イベントとして再現される。毎年かなり混み合うが、アヤメ、花嫁さん、十二橋を一度に楽しめるので、絶好のシーズンといえる。また、常陸利根川にはさまざまな渡り鳥が飛来するため、鳥が好きな人には秋の観光もおすすめだ。9-11月には白鷺がたくさんやってきて、運が良ければ船の上から美しい姿に出合える。また、12-1月には近くにある北浦(霞ケ浦の一部)に多くの白鳥が飛来し、毎年数羽は前川にも飛んでくるそう。季節により異なった光景を楽しめるのも、十二橋めぐりの醍醐味のひとつといえる。
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情報提供: ナビタイムジャパン