気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館
東日本大震災で被災した校舎をそのままの形で遺構に
震災の爪痕を残すかつての学び舎へ
東日本大震災から10年以上が経過し、その記憶が少しずつ薄れていくことは、仕方のないことかもしれない。ただ、風化していくなかでも、津波の悲劇は事実として伝えていかなければならない。震災遺構として残された気仙沼向洋高校の旧校舎は、「震災の記憶と教訓を伝える目に見える証」である。伝承館で、震災当時の記録映像や写真展示を見たあと、震災遺構の校舎へと入っていく。被害の大きかった南校舎の1階から、順次現れるのは、破壊された教室や洗面所、そしてまた教室。カーテンは引きちぎられ、机は散乱し、津波で運ばれてきた大量の瓦礫が四方に散らばっている。それは誰にとっても生々しい光景である。
高さ8mの教室に漂着した車
所どころに置かれた説明板には、QRコードが付いている。スマートフォンをかざして読み取れば、日本語だけでなく、英語、中国語、韓国語、インドネシア語の解説文を聞くことができる。階段を上り3階へ。高さは地上から約8mとなるが「電気磁気室」には、車が逆さになって倒れている。気仙沼市内のオートショップが所有していた車で、代車として貸し出していたそうだが、津波によってこの校舎まで流されてきたのだ。
幸いにも、約170人の生徒は全員無事だった
東日本大震災によって、気仙沼では関連死も含め死者1143人、行方不明者212人という甚大な被害を受けた。気仙沼向洋高校も校舎がこれだけの被害を受けたものの、生徒は全員避難し、校舎に残った教職員や工事業者も無事だった。屋上に行くと、屋根がすっかりなくなった体育館が眼下に見える。かつて体育館のあった場所には、今は雑草が生えている。海側を見ると、そこには緑の芝生の敷き詰められたパークゴルフ場が新たに整備されていて、震災時の面影はない。
震災の悲劇を伝える伝承館の映像は必見
南校舎を下りて北校舎へ。校舎をつなぐ渡り廊下にも、津波で流されてきた瓦礫が大きなかたまりとなっていた。そのなかには、またも車が縦になって積み重なっていた。震災時、家屋ごとこの場所に流されてきた人がいたが、無事に救助されたそうだ。被害の少なかった北校舎の廊下には、かつての学校生活を伝える生徒たちの写真が飾られている。その前を通って伝承館へ戻り、見学コースは終了。伝承館の講話室では、震災の映像がつねに流されている。この映像はぜひ見たほうが良い。気仙沼の人たちの心に残る震災の姿を、悲惨さを、少しでも理解できるはずだ。
スポット詳細
- 住所
- 宮城県気仙沼市波路上瀬向9-1 地図
- エリア
- 三陸エリア
- 電話番号
- 0226289671
- 料金
- [入館料]一般600円、高校生400円、小・中学生300円
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、Diners Club)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
- Wi-Fi
- あり(USEN SPOT)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり
- 滞在目安時間
- 60-120分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 百聞は一見にしかず
- この震災遺構のある気仙沼という街を含めて訪れるべき所です。この震災遺構の周りは津波で流され何もなくあるのは歪なほど大きな堤防だけです。気仙沼自体津波で全て流されたのだろうというのが街を回っていると分かります。そういう意味でも訪れるべき所だと思いますあとカジキが美味しい笑見学時間はちょうど1時間ぐらいでした。
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- 津波の怖さを知れる
- とても良いという評価はあっているのかはわかりませんが、津波の恐ろしさが本当によくわかりました。 遺族のかたの作文を読んでいると涙が出てしまいました。
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- 震災被害のことをよく知ることができます
- 気仙沼市にある震災の遺構及びその展示設備です。陸前階上の駅から徒歩20分くらいの場所にあります。被災した高校がそのまま残されていて、当時の様子がよくわかるようになっています。特に3階の教室まで流れてきた車や、屋根がなくなった体育館などに心が打たれました。入場すると最初は映像を見ることにあるのですが、20分毎の上映となるので、タイミングが合わないとちょっと待つことになります。ぜひ訪れていただ...
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