気仙沼大島大橋
気仙沼大橋と本土を結ぶ、希望の架け橋
東日本大震災をきっかけに、プロジェクトが動き出す
気仙沼湾に浮かぶ気仙沼大島は、東北地方最大級の有人島。美しい海と豊かな森、そして温暖な気候から「緑の真珠」と古くからいわれている。しかし、2011(平成23)年に起こった東日本大震災では、巨大な津波によりフェリーが被災。本土との唯一の交通手段を失い、島は孤立した。離島ゆえの災害時の被害の大きさから、島民の長年の願いであった本土と島をつなぐ橋への要望が再燃。「大島架橋事業」はこうして加速し、ついに2015年(平成27)より本格的な工事が始まった。
東日本最大のアーチ橋を大型クレーンで吊り上げて設置
気仙沼大島大橋の橋脚間の長さは297mにもなり、これはアーチ橋として東日本最大の大きさで、国内でも3番目にあたる。2017年(平成29)には、大型クレーンでアーチ橋を吊り上げ、13時間もの時間をかけて橋脚に載せるダイナミックな作業が行われ話題となった。本土と島を結ぶ初めての橋・気仙沼大島大橋は、この2年後、2019(平成31)年4月7日に島民の願いが叶いようやく完成する。海上に鮮やかに架けられた白亜のアーチは、今では気仙沼大島の新たなシンボルとなった。
ビュースポット「大島瀬戸」を上から望む
橋が架けられた場所は、大島と本土側の鶴ヶ浦に挟まれた「大島瀬戸」と呼ばれる海域。島と本土とが約230mしか離れていない狭い場所で、それゆえ橋を架けるには格好の場所だったのだ。遊覧船やクルーズで人気のビュースポットでもあり、橋の開通後は、大島瀬戸を上から気持ち良く見下ろせる場所となっている。また、大島側には展望台が設置され、ここからは橋と海の両方をちょうど良いバランスで眺められる。気仙沼大島大橋を背景に記念撮影をするのにおすすめの場所だ。
かつてのフェリー乗船場周辺が新たな観光スポットに
気仙沼大島大橋を渡り、島側へ進んでいくと、ほどなくかつてのフェリー乗り場へ。ここは、現在「気仙沼大島ウェルカム・ターミナル」となっている。旬の海産物や農産物を販売するスペースがあり、海側にはフェリー乗り場の港の風景が広がる。また、地産地消をコンセプトにした6つの飲食店などが集まった「野杜海(のどか)」が隣接し、食事をしながら海の景色を楽しめる。橋の開通で観光がしやすくなった気仙沼大島へ、気軽に足を運んでみよう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン