熊野三所神社

リゾートビーチから1歩入ると静寂の森が広がる、砂浜の神社

白良浜を歩いていると見える鳥居。「こんな所に神社が？」と驚くかもしれないが、森に囲まれ静寂を感じられるスポットなのでぜひ足を運んでみて。周辺には名勝「円月島」を眺められる足湯もある。

海の近くにある静かな神社

白良浜に隣接しており、境内でも白い砂を見られる珍しい神社。リゾートビーチのすぐそばにあるにもかかわらず、静寂に包まれた雰囲気で、神社を取り囲む森は和歌山県の指定文化財に登録されている。森の海風が当たる側には、クロマツなどの比較的潮風に強い木が育っている。白良浜からも鳥居が見えるので、ビーチから気になって訪れる人も多いそう。本殿のうしろには巨大な岩石があり、熊野における自然崇拝の名残が見られる。また、菊の御紋が入った昭和天皇の貴重な御座船も保管されており、参拝者に公開されている。

本殿の背後にある巨石も見てみよう

熊野三所神社には「火雨塚古墳(ひさめづかこふん)」があり、境内に古墳があるのは珍しい。見た目は小さな山のようなので、うっかり通り過ぎてしまいそうだが足を止めてぜひ見てほしい。火雨塚古墳は古墳時代後期(6世紀後半頃)の築造と考えられており、白浜半島において盛土・石室ともに完存されている唯一の古墳。江戸時代頃に盗掘された形跡があり、封土もかなり流出しているそう。半島には多くの古墳があったそうだが、開発などによりほとんどが消滅。現存する貴重な古墳だ。

県指定の史跡「火雨塚古墳」

白良浜のビーチの端に鳥居が見えたら、そこが熊野三所神社の裏鳥居。こちら側の駐車スペースは小さいので、車で訪れる人はご注意を。賑わうビーチと静謐な境内と、ガラリと変化する空気感に、ワクワクするような緊張を感じられるだろう。その変化を楽しみに、表鳥居から境内に入って参拝し、そのままビーチに出かけるのもおすすめだ。白浜の海沿いにはいくつか足湯があるが、訪れておきたいのは熊野三所神社の表鳥居近くにある「御船足湯」。沈む夕陽と円月島をセットで見ることもでき、地元の人にも観光客にも人気のスポットとなっている。

裏鳥居があり、こちらからはビーチまで徒歩圏内という珍しい神社