常楽寺
本堂と三重塔、2つの国宝を擁する湖南三山の古刹
紫香楽宮の鬼門守護として繁栄
JR草津線石部駅から南へ4kmほど。石部駅からコミュニティバス「めぐるくん」で10分、「西寺」のバス停から徒歩4分で到着する。常楽寺は、和銅年間(708-715年)に元明天皇の勅命により良弁(ろうべん)僧正が開いた阿星寺(あせいじ)五千坊のひとつ。奈良時代中期には、聖武天皇が造営した「紫香楽宮」(現在の滋賀県甲賀市信楽町北部)の鬼門を守護する寺として栄えたという。同じく湖南三山の長寿寺が阿星山北東側のふもとに位置するため「東寺」と呼ばれるのに対し、北西側のふもとに建つ常楽寺は「西寺」とも呼ばれる。
本堂と三重塔、2つの国宝と対峙
受付から右手へ進んだ途端、並び立つ本堂と三重塔の荘厳さに圧倒される。1360年(延文5)の火災により創建以来の諸堂は全焼。現在の本堂は南北朝時代、三重塔は室町時代に再建されたものだ。本堂内陣中央厨子には、無病息災、長寿のご利益を授けてくれるという秘仏・木造千手観音坐像(重要文化財)が安置されている。御開帳は33年に一度で、次回は2036年(令和18)の春頃だ。火災当時、厨子の中の本尊は焼失してしまったが、両脇を守護する二十八部衆と風神雷神は僧侶たちが命がけで運び出し、火難から逃れたという(風神と摩睺羅伽王は盗難に遭い、現在行方不明)。本堂左手、木立の間にそびえる三重塔は、内部は見られないが、初層に釈迦如来坐像を安置、その背後に国家安穏・護国豊穣を願う釈迦説法図が描かれているという。
西国観音霊場の石仏巡りへ
本堂と三重塔の見学のあとは、西国観音霊場の石仏巡りをしてみよう。本堂と三重搭の背後の散策路を時計回りに歩き、点在する石仏を巡拝するというもので、三重塔手前の石段下に据えられた石仏からスタート。彼方の山を借景とした本堂や三重塔の眺望がすがすがしく、鳥のさえずりや木々の葉擦れの音も心地良いので、ぜひ足を延ばしてみよう。石仏巡りを終えてふもとに戻ると、左手に薬師如来を安置する薬師堂が現れる。かつては江戸時代に作られた薬師如来が安置されていた(盗難により現在は所在不明)。現在は、信楽の陶芸作家により寄進された信楽焼の薬師如来が安置されている。
スポット詳細
- 住所
- 滋賀県湖南市西寺6-5-1 地図
- エリア
- 湖南・草津エリア
- 電話番号
- 0748773089
- 時間
- 10:00-15:30
- 休業日
- 不定休(要予約)
- 料金
- [入山料]大人600円、中・高校生300円、小学生以下無料(保護者同伴のみ)
- 駐車場
- あり(60台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
-
- 桧皮葺の本堂と三重塔-時代の重みを感じます-
- 滋賀県旅行の二日目は、「湖南三山紅葉めぐり」と「教林坊」を見学します。「湖南三山」とは、「常楽寺」、「長寿寺」そして「善水寺」の三つのお寺のことです。まずは、「常楽寺」に向かいます。「常楽寺」は歴史と由緒のあるお寺です。奈良時代中期の和銅年間に「良弁」が、「元明天皇」の勅命により開いたお寺です。「常楽寺」は、「阿星山五千坊」の中心であり、平安時代初期には「長寿寺」とともに歴代天皇の尊崇が厚かったと...
-
- 紅葉に映える境内は見事です。
- 湖南三山の常楽寺です。県道119号線から少し入ったところにあります。長寿寺から来ると標識が分かりにくいです。三重塔を目印にするとよいと思います。檀家がなく、住職一人で管理されているようで大変だろうと思いました。今、日本の寺院の多くは、檀家の減少で大変なようで、大変さは理解できます。それでも、境内はきれいに整備されていました。しかし、本堂は入れませんでした。境内は、紅葉がきれいで、三重塔は良かったで...
-
- 湖南三山の古刹。11月は特別拝観で予約なしでお参りできる。
- 甲西駅を起点にここ常楽寺と長寿寺を徒歩で巡った。甲西駅からは4.2km、概ね1時間弱の行程であった。2019年の紅葉は11/23は終盤の感じであったが、国宝の本堂と三重の塔をめぐる周回道は紅葉がみごとであり、檜皮葺の古色蒼然とした本堂を上から鑑賞することができた。紅葉期間のは本堂内を予約なしで巡ることができた。本堂内は監視カメラ設置との表示もあって物々しさもあったが、仏像は鎌倉時代、一部は平安時代...
TripAdvisorクチコミ評価
もっと見る