花沢の里
江戸時代の情緒と豊かな自然が調和する集落。歴史的価値の高い建造物
静岡県初の国の重要伝統的建造物群保存地区
東名高速の焼津ICから約10分、市街地からも近い山の谷地に花沢の里はある。江戸時代からの山村集落には今も30戸ほどの住宅があり、住民が生活している。車がすれ違うのは難しい道幅なので、集落手前の観光客用の無料駐車場に車を止めて散策したい。集落は奈良時代の東海道といわれ、「やきつべの小径」と呼ばれている日本坂峠越えの途中にあり、かつては多くの旅人が行き交った。今は、江戸から明治時代の面影を残す石垣と板張りの建物に、豊かな緑や街道に沿う河川と調和した独自の景観をつくり出している。なかには、2つの建物の2階部分をつないで部屋とする独特の構造もある。これは、花沢地区はミカン栽培で栄えていたため、ミカンの貯蔵庫としてや収穫期に集まった季節労働者が宿泊する部屋として使っていた名残だという。こうした歴史的景観が高く評価され、2014年(平成26)に静岡県で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
歴史を物語る建物水車小屋や古刹もオススメ
歴史と自然を感じながら、ゆっくりと散策したい花沢の里。伝統的な建造物や集落の歴史について、より深く知りたい人は「花沢地区ビジターセンター」に立ち寄ってみよう。ここには、江戸時代に建てられた「主屋」、ミカンを貯蔵する目的で大正時代に増築された「附属屋」、明治時代に造られたとされる「外便所棟」の3棟が残っており、建物の変遷が花沢地区の歴史を物語っている。そのまま先に進むと見えてくるのが、通りの横を流れる花沢川沿いにたたずむ水車小屋。花沢川は野菜を洗うなど、昔は住民の生活に欠かせなかったそうで、水車小屋は中に入ることもできる。さらに、坂を上っていくと「高草山法華寺(こうそうさんほっけじ)」に着く。738年(天平10)に創建されたとされる天台宗の古刹で、本尊は千手観世音菩薩。境内には本堂や日枝神社や仁王門が残っている。
花沢城跡は武田信玄との激戦の舞台
花沢の里の観光客用駐車場から歩いて10分ほどの距離には「花沢城跡」がある。花沢城は戦国時代、今川義元の命を受けて築城されたとされ、駿府に館をおいた今川氏の西の守りとして戦略上で重要な拠点だった。1570年(永禄13)に駿河侵攻を企てた武田信玄に攻め入られ、14日に及ぶ激戦となった「花沢城の戦い」の舞台となったことで、広く知られるようになった。江戸時代の書物にも詳細が記載されている有名な城だったが、城跡は現在、山林になっている。標高150mの丘陵に位置し、山頂部からは駿河湾を一望でき、本丸があったと見られる場所には、赤い鳥居が立っている。山頂部までの道は2つあり、登山道は距離が短いぶん、傾斜があって険しい。雨が降ったあとなどは滑りやすいので注意が必要だ。足腰に自信がない人や、のんびり歩きたい人は登りがなだらかな遊歩道がおすすめだ。
スポット詳細
- 住所
- 静岡県焼津市野秋373-1 地図
- エリア
- 大井川・焼津・掛川エリア
- 電話番号
- 0546266266
- 駐車場
- あり(120台)
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 0-30分
情報提供: ナビタイムジャパン