旧今井家住宅・美濃史料館

博物館/科学館

和紙問屋として栄えた豪壮な商家

江戸から明治時代にかけて造られた商家が軒を連ねる、国の伝統的建造物群保存地区の「うだつの上がる町並み」。そのなかでも、ひときわ豪壮な姿を見せているのが「旧今井家住宅」だ。

間口十二間(約22m)、奥行八間(約14.5m)、建坪96坪(316.8平方メートル)の規模を誇る、美濃市内最大の商家} 間口十二間(約22m)、奥行八間(約14.5m)、建坪96坪(316.8平方メートル)の規模を誇る、美濃市内最大の商家

最も古い形式のうだつ軒飾りを見られる

旧今井家住宅は江戸末期から1941年(昭和16)頃まで庄屋を務めてきた和紙問屋で、往時の繁栄を現代に伝えている。内部は見学が可能で、環境庁が選んだ「日本の音風景100選」に選ばれた水琴窟など、見どころが多い。「うだつ」とは、屋根の両端を一段高くして火災が広がるのを防ぐために造られた防火壁のこと。裕福な家しかうだつを造ることができなかったため、「うだつを上げる・うだつが上がらない」という言葉もここから生まれている。うだつは防火壁としての役割のほか「富の象徴」という側面が強く、装飾性豊かで見ごたえ抜群。旧今井家住宅のうだつは鬼瓦が小さく、破風瓦の下の懸魚(けぎょ)もないという、最も古いうだつ軒飾りの形式を残している。

旧今井家に上げられた「うだつ」。破風瓦を左右に2枚ずつしつらえている} 旧今井家に上げられた「うだつ」。破風瓦を左右に2枚ずつしつらえている

豪壮な和紙問屋の内部を見学

今井家は江戸末期から1941年(昭和16)頃まで庄屋を務めてきた和紙問屋。江戸時代中期に建てられた市内最大規模の商家の内部を、じっくりと見学することができる。まず玄関を入ると帳場が。商いに使われていた帳机や帳箪笥、小間よせなどが見られる。帳場に腰掛けて古い町並みを眺めると、時代劇の世界のなかにいるような錯覚に。帳場の少し奥にある「明かり取り」は、明治時代の改築によって取り付けられたもの。天井からの高さは約3mある。また、10畳ほどの奥座敷からは床の間と中庭を見渡すことができ、豪商時代の栄華を想像させる。

接客の際にキセルに火をつけるため、帳場の火鉢には年中火が焚かれていたという} 接客の際にキセルに火をつけるため、帳場の火鉢には年中火が焚かれていたという

奥にある部屋はほかの部屋よりも一段高くなっており、「上段造り」と呼ばれる} 奥にある部屋はほかの部屋よりも一段高くなっており、「上段造り」と呼ばれる

水琴窟の美しい音に耳を傾ける

座敷の奥の縁側から庭へ出ると、環境庁が選んだ「日本の音風景100選」に選ばれた水琴窟が迎えてくれる。水琴窟とは底に小さな穴を開けた瓶(かめ)を逆さに埋めたもの。すくった水を石にかけると瓶のなかで反響し、「カランコロン」というなんとも涼やかな音が鳴る。近年もうひとつ話題となっているのは、ハートのマークにも似た「猪目(いのめ)」。猪目とは、イノシシの目をモチーフにしたとされる日本古来の紋様のこと。水琴窟のさらに奥にある社の灯籠には猪目がはっきりと彫られており、隠れたパワースポットと噂されている。実はこの猪目、旧今井家住宅内のいたるところで見ることができるので、探しながら見学するのも楽しい。

美しい中庭には、水琴窟の風流な音が響きわたる} 美しい中庭には、水琴窟の風流な音が響きわたる

中庭の最奥にある社にある灯籠。猪目が彫られた部分にタッチして、願い事を唱える女性が多い} 中庭の最奥にある社にある灯籠。猪目が彫られた部分にタッチして、願い事を唱える女性が多い

美濃の歴史を学べる史料館

美濃市の歴史や文化、建造物などに関する史料を展示する「美濃史料館」も併設。郷土の歴史を学ぶことができる。11代今井兵四郎が1899年(明治32)に和紙原料を保管するために、長野県木曽福島木材を使って建築した蔵を利用。そのほか、うだつについて学べる「うだつ蔵」や郷土芸能である「美濃流し仁輪加(にわか)」を紹介する「にわか蔵」も見学できる。

蔵を改装して造られた美濃史料館。郷土の偉人に関する史料などが展示されている} 蔵を改装して造られた美濃史料館。郷土の偉人に関する史料などが展示されている

スポット詳細

住所
岐阜県美濃市泉町1883 map map 地図
エリア
中濃エリア
電話番号
0575330021
時間
[4-9月]9:00-16:30(最終入館16:15)
[10-3月]9:00-16:00(最終入館15:45)
休業日
12-2月の火、国民の祝日、祝の翌日、12/29-1/3
※火が祝日・休日の場合は開館(12/29-1/3は除く)
料金
【入館料】
[大人(高校生以上)]300円
[団体(20名様以上)]250円

【美濃和紙あかりアート館との2館共通券】
[大人(高校生以上)]400円

【美濃和紙あかりアート館・美濃和紙の里会館との3館共通券】
[大人(高校生以上)]800円
駐車場
あり(20台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(Mino-Free WiFi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 外観のみ
    3.0 投稿日 : 2023.10.01
    和紙問屋の旧家、水琴窟やら煙突、庭園やら、入場見学の見どころもあるようですが雨が強くなり外観のみで退散です。300円ですから安いものですが、雨の中狭い戸口でキャッシュのやり取りするのも面倒です。それでもうだつは殊の外見事、壁と一体化した袖うだつになっています。
  • 水琴窟が有名
    4.0 投稿日 : 2023.04.10
    水琴窟が日本の音100選だそうで、それを知らずに入館したところ、係員さんが、水琴窟を試したかどうか確認してくださり、していないと言うと、わざわざやり方等説明してくださいました。昔の豪商の住居はとてもゆったりした作りで、お庭は小さいですがきちんと手入れされていました。
  • こちらに入館し、鑑賞するのであれば 紹介ヒテオ(約8分間、美濃町の町並みと旧今井家住宅を紹介)を最初に視聴する事お薦めします
    4.0 投稿日 : 2022.08.09
    こちらの《水琴窟》が 日本の音風景100選に選定されていることから 訪問しました[岐阜県内には 3ケ所の日本音風景100選あり、他の2ケ所;長良川の鵜飼(岐阜市)吉田川の川遊び(郡上市)]。実際に聞いてみると 確かに良き音がするも どのような特徴が 日本音風景100選に選定させたのか良くわからず、係員の方に聞きましたが 明確な回答を得ることが出来ませんでしょた。《伝統的建造物保存地区》に いくつの...

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アクセス

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