明通寺
豪壮な国宝建築が魅力を放つ、坂上田村麻呂ゆかりの仏閣
真言宗の密教寺院
明通寺は平安初期に、征夷大将軍・坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が霊夢の導きにより創建したと伝わる真言宗の由緒ある寺院だ。国宝に指定されている本堂と三重塔は鎌倉時代の木造建造物。さらに、平安後期作の国指定重要文化財である木造薬師如来坐像、木造降三世明王立像(ごうざんぜみょうおうりゅうぞう)、木造深沙大将立像(じんじゃたいしょうりゅうぞう)などが、貴族が帰依した中世密教寺院の様相を今に伝えている。国道27号の東市場交差点から県道23号を3kmほど南進した右手に明通寺はあり、木立に囲まれた駐車場で車を降りると、そばを流れる松永川の水音が響き心地いい。1200年の時を経た信仰の空間は、澟とした空気に満ちている。
本堂建物が映す鎌倉期の時代性
石階段を上った先にある山門(仁王門)では、気迫たっぷりの形相の木造金剛力士像2体が出迎える。その先の石畳の参道を進むと、豪壮な外観の本堂が目の前に。本堂は、記録によれば1258年(正嘉2)に再建された入母屋造檜皮葺き(ひわだぶき)の建物だ。屋根のこう配がきつく、柱と柱の間が広い。こうした意匠の建て方、木材の組み方には、武家社会が成熟していった鎌倉期の気風が反映されている。一方、堂内には前述の三尊が並ぶ。特に、本尊薬師如来の右脇侍の降三世明王立像(ごうざんぜみょうおうりゅうぞう)と左脇侍の深沙大将立像(じんじゃたいしょうりゅうぞう)は思いのほか大きく、その迫力に驚かされる。ちなみに深沙大将は日本国内では作例の少ない珍しい仏様で、玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)を守護した伝承があることから、『西遊記』に登場する沙悟浄のモデルにもなっているという。
美しくそびえる三重塔
境内のいちばん奥に建つ三重塔は、本堂竣工から12年後の1270年(文永7)に再建された建物だ。高さは地上約22m。三重の屋根は下から上層にいくに従って四方の寸法が少しずつ小さくなる工夫が施されている。この遠近法の利用によって三重塔を下から見上げると、実際よりも塔が高くそびえているように見える。また、深い軒を三手先(みてさき)と呼ばれる、寺院建築ならではの木材の組物で支えており、軒下のさまざまな造形が三重塔の格式の高さを演出している。このほか豊かな自然環境を残す明通寺の境内では、サクラや紅葉をはじめ、新緑、雪化粧など四季折々の表情を目にすることができる。季節を問わず訪れてみたい場所だ。
スポット詳細
- 住所
- 福井県小浜市門前5-21 地図
- エリア
- 小浜エリア
- 電話番号
- 0770571355
- 時間
-
9:00-17:00
[12-2月]9:00-16:30 - 休業日
- 年中無休
- 料金
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[拝観料]大人500円、小学生250円、学生460円
※障害者半額
※団体割引あり - 駐車場
- あり(30台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 可
- 英語メニュー
- あり(英語パンフレットあり)
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可(勾配が急な為、補助2名必要)
- 乳幼児の入店
- 可
- ペットの入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 福井の国宝建築物の全てがここに
- 山の中にひっそりと佇むお寺で坂上田村麻呂の創建と伝わる真言宗のお寺です。福井県に2つある国宝がこちらの本堂と三重塔で、鎌倉時代の豪快で力強さを感じる建築物です。新緑の中で三重塔の美しさが引き立っていました。本堂内で仏像の説明もしていただけ、こちらの薬師如来の両脇が日光月光でないことなど興味深いお話を聞くことができました。
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- 国宝が2つあるお寺
- 福井県の構造物は2つで、そのすべてがこのお寺にあります。駐車場から石段を上がった所に山門があり、そこで拝観料を収めると一つ目の本堂があり、そこから上の方にもう一つの五重の塔が見られます。山の中のあるお寺ですがとても雰囲気が良いです。
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