粟島
豊かな自然が残る、日本海に浮かぶ新潟県のもうひとつの離島
日本海に浮かぶ、自然豊かな離島
新潟県の北部に浮かぶ外周23kmの小さな離島、粟島。南北に細長い島の東側に内浦(うちうら)、西側に釜谷(かまや)の2つの集落があり、合計で約350人が暮らしている。島全体が「瀬波笹川流れ粟島県立自然公園」として制定されており、島の大部分が山間部だ。多様な野鳥を観察できるバードウォッチングが人気で、特に春と秋は渡り鳥の休憩所となっており、その時期しか飛来しない野鳥を目がけて毎年来島するファンも多い。海では、釣りや海水浴に加え、粟島名産のタコを伝統的な手法で捕まえる「磯ダコ捕りツアー」や、道具がなくても気軽に釣りを楽しめる「磯釣り」が人気だ。内浦、釜谷それぞれにキャンプ場が設置されている。
新しく快適なフェリーと島での交通手段
粟島までの道のりは、新潟県村上市の岩船港から船に乗り込み、フェリーなら1時間35分、高速船なら1時間ほどだ。2019年(平成31)に就航したフェリーニューあわしまは、ゆったりとした椅子席や、足を伸ばしたり寝転んだりすることもできる絨緞席、デッキで潮風を感じられる席など、好みの過ごし方に合わせて座席を選ぶことができる。粟島は観光目的での車の乗り入れが禁止されており、観光客のおもな移動手段はバスと自転車だ。バス路線は、島の中央部に位置する山を超えてつなぐルートと、島の北側を海に沿って進むルート(要予約)の2種類あり、いずれも内浦集落と釜谷集落とを結んでいる。観光案内所では自転車と電動アシスト付きの自転車をレンタルできる。
島のあちらこちらに残る歴史
粟島から本州までは最も近い岸まで約16kmほどと比較的近い。そのためか、古くから人々が移り住み暮らしてきたことが史跡からわかっており、5000年前の縄文時代の遺跡が5か所から出土している。その後も、平安時代の地図に粟島の名前が掲載されていること、鎌倉時代には本州の有力大名の所有地だったことも資料に残っている。また、島のいたるところに神社や祠があり、特に海洋や漁業にまつわるものが多く、古くから海の恵みによる営みを続けてきたことがわかる。また、獅子舞や神楽などの文化行事も受け継がれており、特に5月2、3日に行われる島びらきには多くの観光客が訪れる。
東西にある2つの集落
本州側の内浦集落にはフェリーが発着する内浦港があり、島の入り口となっている。「漁火温泉 おと姫の湯」や島の歴史を学べる「粟島浦村資料館」、直売所やお土産店など観光客向けの施設があるほか、粟島浦村役場や島唯一の学校もある。一方、西側の釜谷集落は30軒ほどの小さな集落。海に沈む夕日が名物の釜谷キャンプ場のほか、民宿や定食屋などもある。どちらの集落にも10軒以上の民宿があり、内浦集落の民宿はいずれも港から徒歩10分以内の距離。釜谷集落に宿泊する場合はフェリーの発着に合わせてそれぞれの宿が車で送迎してくれる。いずれも歩いて一周できるコンパクトな集落なので、島民の暮らしを身近に感じながら散歩するのも楽しい。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン