うるみ工芸
歴史ある浄法寺塗(じょうほうじぬり)の絵付け体験を楽しもう
1300年の歴史がある浄法寺塗とは
浄法寺塗は、728年(神亀5)に仏教僧の行基(ぎょうき)が聖武天皇の命で現・二戸(にのへ)市浄法寺町に開山した「八葉山天台寺(はちようざんてんだいじ)」が発祥といわれている。天台寺に派遣された僧侶たちは自らが使う什器(じゅうき)を作るために漆塗の技術を用い、やがて僧侶たちが作った漆器が参拝者に渡されるようになった。そうして、漆塗技術も庶民に伝わり、庶民がふだん使いできる塗器が広まったという。浄法寺塗は、漆器が浄法寺町の市で売られたことからそう呼ばれるようになったらしいが、生産はおもに安代(あしろ/現・八幡平市安代地区)で行われた。「うるみ工芸」の祖となる勝又家も、安代の荒沢地区で代々家業として漆器製作に携わっていた。戦後、勝又吉郎(号 紫山/勲七等青色桐葉章受章)が盛岡に工房を作ったのが「うるみ工芸」の始まりだ。現在、工房は滝沢市にあるが、盛岡市にあるショールームでは多彩な浄法寺塗が展示販売されている。
「うるみ工芸」の浄法寺塗の特徴
「浄法寺塗の特色はなんといっても、その丈夫さ、色の美しさにあります。上塗りを終えてそのままの状態で仕上がった漆器は、最初は艶がなくて、一見プラスチックのようにさえ見えますが、それが漆本来の艶なのです」と、うるみ工芸の代表で浄法寺塗伝統工芸士の藤村真紀さん。そして、「毎日使う、すなわち磨くことで、5年後、10年後にツヤツヤとした艶が出てくるんです」とのこと。浄法寺塗の色は黒、本朱(ほんしゅ)、溜色(ためいろ)の3色が基本だが、「うるみ工芸」では本朱と溜色をメインカラーとして製作している。本朱は長く使うことで華やかさが増していく。そして溜色は、時間が経つと上に塗った漆が透明度を増し、下に塗った色が透けて見えてくる。そんな色の変化のおもしろさを感じてほしいと、「うるみ工芸」では創業当初から黒に近い溜色を製作してきた。浄法寺塗はふだん使いを前提としているので、丈夫で飽きのこないシンプルなデザインなのも特徴だ。店内には椀や箸、皿をはじめ、ワインカップなど現代生活にもあう製品がそろっており、見るだけでも楽しい。
浄法寺塗の絵付け体験でオリジナルの一点を
「うるみ工芸」では、浄法寺塗の製品にオリジナルの絵柄を描く「絵付け体験」ができる。絵付けは本格的な本漆を使うコースとかぶれの心配のない合成漆のコースから選べる。体験メニューは、汁椀(黒)2530円/1870円(本漆/合成漆。以下同)、箸(黒・朱)1870円/1320円、色紙(黒)5500円/4730円、拭き漆桜型箸置き2200円/1650円。所要時間は約1時間だ。取材時は人気のある汁椀・本漆の体験に挑戦した。事前に用意されるのは絵付けをする汁椀と、色のついた漆。今回は素朴な桜の花びらを描くため、赤と白の色漆が用意された。まずは、漆を調合して桜色を作る。それを絵筆にとり、椀に桜の花びらを描いていく。言うは易しだが、曲面に描くというのは慣れていないと案外難しい。また浄法寺塗の器はもともと単色の美しさが大切とされるので、絵付けも華美にならないようバランスを考えるのにセンスが必要かもしれない。とはいえ、多少の失敗は旅のいい思い出だ。そして、指導してくれた藤村さんにチェックしてもらい、完成。作品の形状によるが、汁椀は十分な乾燥を経て後日発送(送料別途)される。オリジナルの一点、描いてみてはいかが。
スポット詳細
- 住所
- 岩手県盛岡市中央通2-9-23 地図
- エリア
- 盛岡市・雫石町・小岩井エリア
- 電話番号
- 0196544615
- 時間
- 10:00-17:00
- 休業日
- 年末年始
- 駐車場
- なし
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(QUICPay、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン