松島四大観

宮戸島にある大高森からの眺望は圧巻

ダイナミックな眺めで知られる「壮観」

JR野蒜(のびる)駅から車で15分ほどの場所にある大高森は、宮戸島の中央部にそびえる標高106mの小さな山。駐車場に車を停め、山頂までは歩いて約20分。誰もが気軽に山頂からの絶景を楽しめるビュースポットとして知られている。遊歩道には歩きやすい階段があり、急な斜面もない。松の枝の向こうに時折見える、真っ青な松島湾を眺めつつ登っていけば、ほどなく山頂にたどり着く。山頂には視界をさえぎるものはなく、四大観随一といわれる圧倒的な景色が広がる。青く輝く松島湾に浮かぶ島々はもとより、晴れた日には、右に栗駒山、中央に船形連峰や泉ヶ岳、左には蔵王連峰の山頂がくっきりと見晴らせる。また山頂にはあずまやもあり、ベンチに腰掛けてゆったり眺めを楽しめるのも魅力。日によっては、上空に轟音を響かせ瞬く間に通り過ぎるブルーインパルスの姿を見られることもある。

松島湾の向こうに船形連峰の姿を望む大高森

大高森の山頂へと向かう遊歩道

松島湾の美景を絵のように切り取る「麗観」と「幽観」

東松島市と松島町中心部へ向かう途中にある富山は、「奥州三観音」のひとつ富山観音にあるビュースポット。杉や松の大木が茂る林道を車でゆっくり走り、木々の開けた場所に駐車場が見えてくる。車を停めて狭い幅の階段を登って行けば、茅葺き屋根の山門「仁王門」が前方に現れる。伊達政宗の長女・五郎八姫ゆかりの富山観音は、標高116m。ここからは北側からの広々とした松島湾を望める。すぐ近くにある大仰寺(拝観有料)庭園からも、ゆっくりと海の景色を堪能できるのも「麗観」と呼ばれる富山の魅力だ。富山から車で15分ほど、国道45号線から細い道に入った静かな山間にあるのが扇谷。双観山の背後にある高地で、山頂から松島湾が扇のように見えることからその名が付いた。かつて藩主の茶亭が設けられたほどの眺めのよい場所で、風情あるカエデが植えられている。斜面に設けられた木の階段を登っていくと、そこには幽玄な風景が広がり、なるほど「幽観」の名にふさわしい。

「麗観」と呼ばれる景色が広がる富山

扇のような形の美景が広がる扇谷

馬放島(まはなしじま)越しに松島湾の絶景を見る

扇谷から車で30分ほど行くと、七ヶ浜町の多聞山へと着く。「偉観」と呼ばれる景色が広がるこのスポットは、大きな馬放島を正面に据え、高台から航行する船の姿を眺めながら、塩釜湾、松島湾の海景色を堪能できる。周辺は展望広場公園として整備され、絶景を楽しみつつ園内でゆっくりくつろぐことも。展望所には毘沙門天を祀るおごそかな毘沙門堂があり、33年に1度開帳される。松島湾を4つの方向から望む絶景スポットの「松島四大観」。公共交通でのアクセスが難しい場所もあり、行く場合はレンタカーがよい。松島湾の景色を楽しみながらのドライブがおすすめだ。途中、東松島の嵯峨渓、利府の馬の背など、郊外の点在する美景もあわせてコースに組み込むのもよい。

松島湾を南側から望む多聞山