秩父ミューズパーク

絶景や季節の花スポットも。大自然のなかで一日遊ぼう！

秩父市と小鹿野町(おがのまち)にまたがる、自然豊かなテーマパーク。丘の上に文化施設やスポーツ施設、広場や展望台などが点在し、さまざまなアクティビティや季節の花々を楽しむことができる。

乗り降り自由のスカイトレイン(1日400円)で園内を巡るのも楽しい

秩父市街から荒川を渡って西へ。南北約8kmの長尾根(ながおね)丘陵に広がる秩父ミューズパークの面積は、東京ドーム約59個分にあたる271万平方メートル。丘全体が公園といえるほど広大なので、目的地を定めてから訪れるのがおすすめだ。大きく分けて、南側の「スポーツの森ゾーン」、中央の「音楽の森ゾーン」、北側の「文化の森ゾーン」があり、駐車場も14か所に整備されている。路線バスを利用するなら、西武秩父駅前から出る循環バス「ぐるりん号」が便利。園内には3つのゾーンをつなぐ全長約3kmの遊歩道「スカイロード」が延びており、スカイトレインと呼ばれる汽車型の乗り物が1日5往復している(火曜定休、12～2月は土・日曜と祝日のみ営業)。また公園の南口と北口に「サイクリングセンター」(火曜定休)があり、天気のよい日は自転車をレンタルして走るのも楽しい。

スカイロードのイチョウ並木。10月下旬から11月上旬にかけては黄色に染まる

秩父ミューズパークの名称は、ギリシャ神話の文学・音楽・舞踊など人間の知的活動を司る9人の女神の総称「ミューズ(Muse)」にちなんで名付けられた。それを象徴するモニュメントが、丘陵中央の「音楽の森ゾーン」にある「ミューズの泉」だ。ギリシャ神殿をイメージしたステージと円柱からなる噴水、水に浮かぶ9体の女神像が、周囲の緑と調和している。また円形劇場をイメージした5000人収容の野外ステージ、定員600人の本格的な音楽堂があり、コンサートや演劇、各種イベントなどに利用されている。またステンドグラスがきれいな「ステンドハウス」は、お弁当も広げられる休憩所だ。

水音が涼しげな「ミューズの泉」。観賞用なので水のなかには入れない

野外ステージの利用がないときは、芝生席を憩いの場として開放している

ギリシャ神殿をイメージした「ステンドハウス」は自由に利用できる

公園の南側は、テニスコート、波のプールと流れるプール(夏季のみ)などのスポーツ施設が集まるエリア。森を利用したアスレチック施設「フォレストアドベンチャー」やモータースポーツを楽しめる「F1リゾート秩父」(いずれも小学4年生以上から利用可)、宿泊施設「PICA秩父」などもあり、ファミリーや友人同士でたっぷりと遊べる。ミューズパークの最高地点にある「パノラマの丘」は、秩父連山を一望できる絶景ポイント。約1kmのハイキングコースがあり、春は黄色い花が咲く「山吹の小径」を散策するのもいい。また4月はスイセン、6月から7月にかけてはヘメロカリスやアジサイといった花々が園内を彩る。

南口駐車場の脇にある「ミューズの丘」。6月中旬～7月上旬はヘメロカリスが見頃を迎える

北側に位置する「文化の森ゾーン」には、眺めのよい場所がいくつもある。なかでも公園のシンボルともいえるのが、樹海から天に向かって漕ぎ出す船をイメージして造られた「展望台」。船首に見立てたステージからは、荒川と秩父市街、堂々とそびえる武甲山、美の山や浦山ダムまで、秩父盆地と山々の大パノラマを一望できる。秩父発祥の卒業ソング『旅立ちの日に』を記念して造られた展望デッキ「旅立ちの丘」も人気の眺望スポット。いずれも昼間はもちろん夜景もすばらしく、デートスポットとしてもおすすめだ。春と秋(ピークは11月)の早朝は雲海が発生することも多く、幻想的な光景を見ようと多くの人々が訪れる。また百花園や梅園、シャクナゲ園といった花スポットのほか、近くには秩父札所23番「音楽寺」があるので、こちらにも立ち寄ってみたい。

「展望台」へは最も近い駐車場P10(第2)から徒歩約5分。右側に見えるのが武甲山