秩父湖

湖沼

奥秩父の雄大な風景に抱かれた、自然豊かなダム湖

荒川の本流を二瀬ダムによってせきとめてできた人造湖で、秩父多摩甲斐国立公園の区域内にある。10月下旬~11月下旬の「紅葉の見頃」の期間中は、ダムが美しくライトアップされる。

標高545mに位置する秩父湖。周辺は紅葉の名所として知られる} 標高545mに位置する秩父湖。周辺は紅葉の名所として知られる

荒川の治水を目的に造られた二瀬ダム

荒川はそう名づけられるだけあって、古くから幾度も氾濫して流域に大きな被害を与える川だった。その対策のひとつとして、水源地に近い秩父市の大滝地区に建設されたのが二瀬ダムだ。荒川と大洞川(おおぼらがわ)が合流する峡谷に造られたため、ダムの完成によってできた湖はふたつの川の上流に向かって大きなL字型をしている。ダムそのものは重力式アーチダムという堰堤がカーブした独特な形をしており、高さ95m、長さ288.5m。1961年(昭和36)に完成し、その翌年この地にゆかりの深い秩父宮勢津子妃が訪れた際に、勢津子妃の名前から「秩父湖」と名づけられた。

下流側から見た二瀬ダム。荒川河口から約150kmの場所にある} 下流側から見た二瀬ダム。荒川河口から約150kmの場所にある

ダムのたもとから湖を一望しよう

秩父湖へ向かう国道140号の旧道は、古くは「秩父往還(ちちぶおうかん)」と呼ばれ、中山道と甲州街道の間道として旅人が往来する街道だった。二瀬ダムたもとの三つ又の交差点で、道は秩父湖に沿って甲斐方面へ向かう秩父往還と、三峯神社へ向かう県道278号とに分かれている。ダムの少し手前にある無料駐車場に車を停めて、周辺を散策してみよう。道路を渡った先には山の中腹に上る遊歩道もあり、展望台からダムと湖を一望できる。秩父往還は古い街道らしく集落を訪ねながら走る曲がりくねった狭い道だが、広いバイパスが山の向こうに完成して以降は、こちらを通る車はそれほど多くない。

カーブしたダムの堤頂。三峯神社へはこの上を通って行く} カーブしたダムの堤頂。三峯神社へはこの上を通って行く

撮影スポットとしても人気の吊り橋

秩父湖には歩行者専用の吊り橋が2つ架かっている。秩父湖を一周する湖岸遊歩道のために1990年(平成2)に造られた、秩父橋と大洞橋だ。2021年(令和3)12月現在、秩父往還に沿って設けられた遊歩道を観光客が歩くことはできるが、秩父湖を渡った対岸の遊歩道は崩落して全面通行止めになり、秩父橋も閉鎖されている。一方、大洞橋へは県道からハイキングロードのような細い道を降りてアプローチできる。高さ約45mの吊り橋は、下を見ると思わず足がすくんでしまうが、足を踏みしめながらゆっくり進むと、吹き抜ける風が気持ち良い。渡りきった先の遊歩道は閉鎖されているので、歩いて戻ってこよう。

秩父湖の名所のひとつ、全長約200mの大洞橋} 秩父湖の名所のひとつ、全長約200mの大洞橋

大洞橋を渡るときは滑りにくいスニーカーなどがおすすめ} 大洞橋を渡るときは滑りにくいスニーカーなどがおすすめ

秩父の最奥地、関所跡が残る栃本集落へ

秩父往還に江戸時代の関所跡が残っている。二瀬ダムから約5km、「栃本関所跡(とちもとせきしょあと)」だ。現在の建物は幕末に建てられたもので、明治になって関所が廃止されてから2階が建て増しされるなど改造されたが、玄関や上段の間などは当時の面影を留めている。深い渓谷につくられた集落は、江戸時代からほとんど変わっていないかのような山村風景が広がっている。ツーリングコースとしても人気で、二瀬ダムから来ると関所跡の約400m手前にある「栃本公衆トイレ」に車を停められる。また関所の北約2kmの「栃本広場駐車場」は、天の川をはじめ星空がよく見える天体観測スポットとして有名だ。

秩父往還の要所として武田信玄によって設けられた栃本関所} 秩父往還の要所として武田信玄によって設けられた栃本関所

急斜面に畑がつくられ、昔からの生活がしのばれる栃本集落} 急斜面に畑がつくられ、昔からの生活がしのばれる栃本集落

スポット詳細

住所
埼玉県秩父市大滝 map map 地図
駐車場
あり

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

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最寄り

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