日本一えびす様大前神社・大前恵比寿神社

開運招福！日本一大きなえびす様にびっくり！

日本一の大きさを誇るえびす像で知られる、1500年以上もの歴史ある神社。祭神は福の神とされる大国主命(おおくにぬしのみこと)と事代主命(ことしろぬしのみこと)で、開運招福の願いを叶えてくれるといわれている。特別拝観でしか見られない彫刻も見もの。

1989年(平成元)に建立されたシンボル、えびす像。大谷石の台座に鎮座

利根川にそそぐ五行川の流れと、鎮守の森と呼ばれる緑深き森に抱かれる社。心地よい空気が流れるここ大前神社の歴史は古く、奈良時代に再建されたといわれており、「延喜式内社下野十一社」に選ばれている。現在の社殿は桃山時代から江戸時代にかけて造営されたもの。大国様とえびす様のご利益もさることながら、国の重要文化財に指定されている本殿や拝殿、豊かな自然や鯉が泳ぎ草花が揺れる庭、数多く鎮座する摂社・末社まで、境内全体を通して幸せな気分にさせてくれる雰囲気。広い境内だが、まずは手水舎で身を清めてお参りを。

鳥居に続く参道右手に、神社の由緒と深い関わりをもつ五行川が流れる

季節によってさまざまな飾りつけを見られる手水舎

基本の参拝は自由だが、別途、本殿の周囲を1周できる有料の特別拝観(500円)も魅力。本殿には12年の歳月をかけて名工が施した数々の彫刻があり、東西の面に龍や鯉など水の恵みと水神を表したもの、麒麟や獅子をはじめとする神聖な霊獣と霊鳥、瓢箪から駒を出す仙人などを配している。特別拝観でしか見られない華やかで繊細な彫刻群は圧巻。この彫刻を施した棟梁や工匠は、のちに成田山新勝寺にある三重塔の彫刻も手がけた。貴重な建築美をぜひ、特別拝観で楽しもう。

国の重要文化財に指定されている拝殿。権現造りの様式で本殿とつながる

本殿東面。守護神獣の犀(さい)や鯉に乗る琴高仙人(きんこうせんにん)、亀に乗る黄安仙人(こうあんせんにん)などが施されている

こちらも別途料金となるが、巨大えびす像の足元、大前神社の若宮社である大前恵比寿神社もお参りしよう。金運招福、健康長寿、災難厄除などさまざまな神徳がある。社のなかへ入ると「鈴祓」のための黄金釜があるので、ここに自分の大切なものを入れて、鈴でお浄めを。退出する際には黄金釜に入れたものを取り忘れないように注意。外へ出るとすぐ、神の使いとされる鯉の池を配した回遊式庭園があり、お金を神聖な水で浄められる「五行福銭水」も楽しめる。商売繁盛の祈願にぜひ。

大前恵比寿神社内。奥に黄金のえびす神像がある

大前神社本殿の裏手には10の摂社・末社があり、この一帯を「幸せ参道(まいりみち)」としている。淡島神社、天満宮、姫神社などが鎮座するなか、最も参拝者が多いのは足の神様である足尾山神社。もともと、人力車をはじめとする輸送関連の職に従事する人々に崇敬されてきた神様だ。ここにはオートバイの選手や愛好者が多く安全祈願に来ることから、いつしか「バイク神社」と呼ばれるようになったそう。そのため社務所ではバイクの絵柄が入った絵馬も授与している。二輪車ライダーだけでなく、旅の安全を願う意味でもお参りしていきたい。

足尾山神社。オートバイの選手が訪れた際の写真も展示されている