栃木

益子

MASHIKO

約250の窯元、約50の陶器店が集う、「益子焼」で知られる陶器の街。

国内有数の陶器の街として知られる益子町。町内には、250軒もの窯元や、50軒を超える陶器店があり、なかでもメインストリートの城内坂通りには、500mほどの通り沿いに、個性豊かな陶器店が立ち並んでいる。街を見下ろす高台には、「益子陶芸美術館」があり、人間国宝で益子焼に大きな影響を与えた濱田庄司、島岡達三といった益子ゆかりの陶芸作家の作品を中心に展示している。その濱田庄司の住まいと工房だった場所には「濱田庄司記念益子参考館」があるのでここにも足を運んでおきたい。豊かな里山風景が残る街には、森に囲まれたカフェやベーカリーショップなども点在している。また、年に2回開催される「益子陶器市」は、全国各地から人が訪れる、陶器の一大イベントとして人気だ。益子からさらに北へ向かうと、モビリティテーマパークの「ツインリンクもてぎ」がある。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    真岡鐵道の蒸気機関車
    真岡鐵道のローカル線でSL感動体験の旅に出よう
    茨城県「下館駅」と栃木県「茂木駅」を結ぶ「真岡鐵道」を走る観光列車。「C12形蒸気機関車」が牽引する「SLもおか」が、通年運行で毎週土・日曜に1往復ずつ関東平野で力強い走りを見せる。
    「五行川橋梁」を渡る「SLもおか」。北真岡駅から五行川の間は「北真岡桜菜の花街道」と呼ばれる絶景ポイント
  • spot 02
    SLキューロク館
    動くSLに乗車体験できるSLミュージアム
    「SLの走るまち」真岡市の車両基地「真岡駅」にあるSLミュージアム。蒸気機関車や珍しい旧車両を入場無料で見学できる。土・日曜、祝日には「キューロク」や「デゴイチ」が敷地内を圧縮空気で走行する。
    「キューロク」の太いボイラー、短い化粧煙突、低い2つのドームを模した「キューロク館」。左には「デゴイチ」が待機
  • spot 03
    城内坂通り
    ものづくりの街・益子の息吹が集まるメインストリート
    個性豊かなショップやギャラリー、食事処が軒を連ねる益子町のメイン通り。1966年(昭和41)から毎年春と秋に開催されてきた「益子陶器市」のメイン会場でもあり、益子の芸術文化の中心地となっている。益子のものづくりを知るならまずはこの坂道へ。
    陶器市のときには大勢の人で賑わうが、通常は穏やかな通り。交通量もそれほど多くない
  • spot 04
    もえぎ城内坂店
    暮らしを楽しくするバラエティに富んだ作品を展示
    城内坂通りが始まる城内坂交差点からすぐのところにあるギャラリー。益子はもちろん、同じ関東圏の焼きものの里・笠間の作家の陶芸作品から、磁器や木工、ガラス、漆などジャンルや土地にしばりを設けずつねに展示会を開催している。驚くのはその頻度。およそ2週間に一度のペースで展示替えを行っており、しかもグループ展や個展だけで毎回3組の作品が並ぶ。企画展開催中はそれぞれの作家が常駐することも多く、作品について直接創り手に話を聞くこともできるのはうれしい。素敵な作品たちの「箱」としての空間にもセンスが光る。半地下から3階までの各展示スペースのおよそ中央に坪庭を配し、店内にいるのに自然を感じられる造り。展示に使用する家具は、あえて古材のような風合いを出したものからアンティークまで、雰囲気のあるものばかり。その空間と展示センスの良さは美術館を思わせるほどに上質だ。企画展の内容は、オフィシャルブログで確認を。心の琴線に触れる作品がきっと見つかる。
    県内外の作家の作品を展示。シンプルなもの、かわいらしいもの、シックなものなど作風がさまざまなので眺めているだけで楽しくなる
  • spot 05
    益子焼窯元共販センター
    大狸が目印。益子で最大規模の益子焼ショッピングギャラリー
    まず全長10m弱もある大狸のシンボル像「ぽんたくん」に驚かされる益子焼窯元共販センター。「益子らしさ」をとことん満喫したいならこの益子焼複合ショッピングタウンで決まり。それほど品ぞろえも各種施設も充実した内容だ。約400軒弱といわれている益子焼の窯元、その7割ほどの作品を展示販売。日用雑貨を扱う益子焼新館売店や、人間国宝の濱田庄司をはじめ有名作家の作品を展示する益子焼陶芸館など、益子にまつわるもので埋め尽くされている。せっかく益子に来たのなら、ものづくりも体験したい。そんな願いを叶えるエリアも充実している。毎週土・日曜と祝日には、絵付け体験と手びねり体験、電動ロクロ体験を提供しており、世界にひとつだけの器づくりを楽しむことができる。
    大きな狸像が目印。駐車場は目の前にある
  • spot 06
    益子陶芸美術館
    益子焼を中心に古今東西の優れた陶芸文化を伝える
    益子町の中心に位置し、かつて城も存在したのどかな丘にたたずむ美術館。人間国宝の濱田庄司をはじめ、益子にゆかりある陶芸家の作品を多く収集・展示している。焼きものの町としての益子の歴史を紹介する展示もあり、じっくりと益子の魅力に触れられる。
    土器と陶器の歴史を紹介する特別展示室2階から
  • spot 07
    濱田庄司記念益子参考館
    人間国宝・濱田庄司の創造の糧となった収集品を展示
    益子に居を構えた近現代を代表する陶芸家・濱田庄司の自邸の一部を公開。彼が作陶の参考として収集した数々の工芸品を展示しており、多くの後進にとっても「参考」となる空間として親しまれている。穏やかな田舎の風景を愛した巨匠の暮らしに触れてみて。
    自然に囲まれた静かな邸内は歩いているだけで心地いい
  • spot 08
    モビリティリゾートもてぎ
    冒険心をくすぐる自然いっぱいのモビリティテーマパーク
    日本のモータースポーツ普及に貢献してきた「ホンダモビリティランド」が運営。広大な敷地に敷かれた国際レーシングコースと豊かな自然を生かした豊富なアトラクションがそろう。大人から子どもまで体を動かして楽しめる一大レジャースポットだ。
    「メガジップライン つばさ」。パスポートも利用可能。チケットの場合は1400円
  • spot 09
    陶庫
    伝統釉薬を生かした益子焼が中心のギャラリー
    焼物の店が立ち並ぶ城内坂通りに入ってすぐの店舗で、約50年続くギャラリー。石蔵を生かした広い店内をふだん使いのうつわ、作家の作品、アート志向の作品を展示スペースで分け、多彩な作品をそろえている。また、益子伝統釉薬を使った益子焼、プライベートブランドである「道祖土和田窯」を運営している。道祖土和田窯のルーツは、昭和に益子焼窯元の指導にあたった故・合田好道(ごうだよしみち)が主催した「合田陶器研究所」。合田氏他界後に研究所は解散したが、合田氏と家族のように活動していた和田安雄氏が道祖土和田窯として若い職人たちと作陶を続け、今にいたる。和田釜の作品のなかには、釉薬で水玉模様を施した「sansai(さんさい)」シリーズなど、繊細でかわいらしい作品も多い。ぜひ手にとって、その温かみを感じてほしい。
    道祖土和田窯のドリッパーは益子の伝統釉4色展開。その左隣にある2toneマグカップは組み合わせで12色ある
  • spot 10
    益子焼&カフェレストラン壺々炉
    益子焼作家が営むおいしい料理とスイーツ、器のお店
    益子焼の店の並ぶ城内坂通りにある、ショップを併設したカフェレストラン壺々炉(こころ)。益子焼作家の大塚仁・繭夫妻が営む店で工房も併設、そのオリジナル作品を含めた約30名の益子焼の器がそろう。器はどれも、日常の生活になじみやすいものをセレクトしており、手頃な価格で購入できるものが多い。「ここで制作活動をしながら、どんな器がニーズにあっているのかを感じとるようにしています」と、繭さん。ショップとカフェを切り盛りしながら、その日常を作陶に生かしている。創作と同様、カフェのメニューにもこだわっており、特にオープン当初からの人気メニュー「壺々炉のステーキ」は自慢の一品。肉はやわらかくジューシーで、自家製ソースも相性抜群。芳賀地区で栽培されたコシヒカリのご飯も美味。ここへ来たらはずせない一品だ。「ワッフルプレート」などのデザートも手作り。テイクアウトできる自家製スイートポテトは15年も作り続けているロングセラーで、すぐに完売してしまう日も多いのだとか。素敵な空間に素敵な器、おいしい食事にデザートまで、よくばりに楽しめる。自分の日常のそばに置きたい器を、のんびり想像しながら探したい。
    大塚夫妻の作品。「しのぎ」の模様を入れたカップ&ソーサー3960円、淡いピンクのカップ1870円など。昨今は左端の作品のような丸皿が人気
  • spot 11
    益子焼窯元つかもと
    ふだん使いから作家ものまで。自分好みの益子焼が見つかる
    創業150年を超える益子焼最大手の窯元。豊かな自然に囲まれた4000坪(1万3223平方メートル)もの敷地に、自社の益子焼をはじめさまざまな益子焼を扱うショップ、アートな益子焼作品を展示するギャラリーから陶芸体験教室用の建物が並ぶ。お気に入りの益子焼を見つけたい。
    つかもとの「伝統釉」シリーズ。カップとソーサーは別々に購入できるので、色違いでそろえてもおもしろい
  • spot 12
    益子県立自然公園
    丘陵を生かした自然公園。「益子の森」を楽しく冒険!
    焼物の窯元が多く点在する益子町益子。辺り一帯は豊かな自然に恵まれ、穏やかな里山風景が広がっている。そんな町の丘陵を生かした自然公園の一部は「益子の森」と呼ばれ、楽しく健康に歩けるよう工夫された散策路もある。お弁当を持って、自然観察に出かけよう。
    益子町の里山の風景を見渡せる展望塔
  • spot 13
    大前神社
    開運招福!日本一大きなえびす様にびっくり!
    日本一の大きさを誇るえびす像で知られる、1500年以上もの歴史ある神社。祭神は福の神とされる大国主命(おおくにぬしのみこと)と事代主命(ことしろぬしのみこと)で、開運招福の願いを叶えてくれるといわれている。特別拝観でしか見られない彫刻も見もの。
    1989年(平成元)に建立されたシンボル、えびす像。大谷石の台座に鎮座
  • spot 14
    久保記念観光文化交流館
    真岡観光の拠点。明治から残る貴重な建築遺産も見もの
    明治から平成を生きた真岡市ゆかりの美術評論家・久保貞次郎所蔵の美術品展示とともに、久保家が所有していた貴重な遺産を今に生かす目的で開館。観光協会が運営する案内所や物産館、レストランもあり、真岡観光の拠点施設となっている。真岡の情報収集はここで。
    真岡木綿会館の斜向かいにある、真岡の魅力を凝縮した施設。久保記念館ではレンタサイクルのサービスも
  • spot 15
    真岡木綿会館
    真岡の伝統産業「真岡木綿」の魅力を体感できる
    晒し木綿として、丈夫で質がよく絹のような肌ざわりで知られる栃木県の伝統工芸「真岡木綿」。真岡木綿会館ではその工房をもち、機織りや藍染の染色体験を提供している。開国の余波で一度途絶えながらも、その価値が見直されてきた真岡木綿。その魅力に触れてみたい。
    12名の織子が在籍。ガラス窓越しに工房内を見学できる
  • spot 16
    ホンダコレクションホール
    「ホンモノが語る展示」。車に興味なくても行く価値あり!
    国内有数のサーキット場を有する「モビリティリゾートもてぎ」内の博物館で、ホンダの往年の名車からレースカーまでずらり。車好きには言わずもがな、車に興味がなくても来た価値を感じられる展示空間だ。時代を担ってきた製品が語りかけるものを感じてほしい。
    1階ロビーにはF1で優勝した「RA272」やホンダ初の市販乗用車「S500」を展示
  • spot 17
    市貝町芝ざくら公園
    まるでパッチワーク。色とりどりの 芝桜が一面を彩る
    益子町の北方、美しい自然に恵まれた芳賀郡市貝町。なかでも春の町の景色を代表する場所が、総面積8万平方メートルに及ぶ公園に咲き誇る芝桜だ。毎年4月上旬から下旬にかけ、うっとりするような花の絨毯が、本州有数の面積を誇る園内に広がる。
    年間約20万人もの人々が訪れる(コロナ禍の影響下を除く)
  • spot 18
    井頭公園
    花や生き物を観賞できる。公園レジャーで遊び尽くす!
    真岡市北部、豊かな自然に囲まれた丘陵地帯に整備された、総面積約93万3000平方メートルにもなる大規模公園。広大な園内にはスポーツ施設やボートで遊べる池、花や生きものを観賞できる施設から飲食店までたくさんの施設が点在している。丸一日たっぷり遊び尽くせるレジャーランド。
    「花ちょう遊館」で飼育されているオニオオハシ
  • spot 19
    西明寺
    益子観音と笑う閻魔さまがたたずむ静寂の寺院
    益子郊外、椎林に覆われた静寂の高館山(たかだてさん)中腹にたたずむ寺院で、山号は獨鈷山普門院。坂東巡礼第20番の札所となっている。本尊は十一面観音菩薩。雄大な自然、雰囲気のある境内、貴重な建築遺産に加え、珍しい「笑い閻魔」が人々から親しまれている。
    本尊をはじめ八体の仏像を安置する本堂
  • spot 20
    やまに大塚
    多彩な品ぞろえ! 益子焼もカフェもランチも体験も!
    益子町城内坂通りの1軒で、益子焼や笠間焼の焼物がそろうショッピングエリアからランチも提供するカフェ、ギャラリー、陶芸体験ができる教室まである大型店。もともとは「やまに製陶所」という益子焼の窯元であり、人間国宝・濱田庄司に作陶の場を提供していたこともあるそう。およそ50年前に益子焼販売店として開店、大勢の作家と関わりながら営み、のちに飲食部門を始めた。建物は全部で5棟あり、やまに大塚本店内の本店ギャラリーと「益子陶風」、別棟の「クラフトやまに」「ギャラリー緑陶里」では、人気作家から若手の新進気鋭、人間国宝の作品まで幅広く個展を開催。本店のショッピングスペースはたくさんの作品をそろえながらも、陳列を用途別に分けてあり探しやすい。作風も益子の伝統釉を用いたものからモダンなものまでさまざま。ここへ来れば好みの作品に出合えること間違いなし。2店ある飲食店もていねいな手作りにこだわっており、オリジナルパスタやスイーツ、野菜をふんだんに使用したカレーや蕎麦などを味わえる。陶芸体験は要予約。
    「やまに大塚本店」内。しのぎの技法を用いたカップ&ソーサー、人気の窯元「よしざわ窯」の作品から岡部耕太郎作「がんばれマッチョ君」シリーズなど
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旅のヒント

  1. その1

    東京方面から電車で益子を目指すなら、つくばエクスプレスの起点・秋葉原駅からが便利。つくばエクスプレス、関東鉄道常総線、真岡鐵道と乗り継ぎ、益子駅まで2時間20分〜3時間15分。

  2. その2

    秋葉原駅からは、直行バス「関東やきものライナー」もあり、乗り換えがないので便利。益子駅まで約2時間30分。電車経由よりも安い。

  3. その3

    車の場合、北関東自動車道「真岡IC」が最寄りIC。ICから益子中心部までは、約30分。

  4. その4

    「ツインリンクもてぎ」へは、車でのアクセスが便利。

  5. その5

    益子町には、レンタサイクルが充実。益子駅や道の駅ましこなど数か所でレンタル可能。

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