宇都宮みんみん 本店

左から「揚餃子」「焼餃子」「水餃子」。それぞれ1人前6個330円

宇都宮餃子のルーツがここに？

宇都宮が餃子の街として定着した所以については諸説あるものの、戦後、中国からの引揚者が現地で覚えた餃子を広めたのが始まりとされている。その引揚者というのが、宇都宮みんみんの前身である栄養食品会社「ハウザー農研社」の創業者。店には中国にいた頃の創業者とその家族、ハウザー農研社の営業風景の写真も残っており、飲食店ではなく、最初は店先で餃子を販売していた。次第に人気に火がつき、1958年(昭和33)に餃子専門店「みんみん」を開店。2006年(平成18)に「宇都宮みんみん」と名称を変更し、創業から60年の伝統を受け継いできた。本店が構える場所の周辺はほかにも餃子店が軒を連ねるようになり、2018年(平成18)からは「餃子通り」という名で親しまれている。

コロナ禍以降は行列ができても密集しないよう配慮。餃子通りを挟んで向かいの提携駐車場にもウェイティングスペースを設けている

皮のふっくら感を損ねず外側のみパリッとさせるよう焼き上げる熟練の技

餃子は焼・揚・水の3種類

メニューは餃子3種類のほかはライスとビールのみ。まさに餃子の専門店だが、それでも休日は行列必至の人気ぶり。伝統を受け継ぐ「焼餃子」は、野菜をふんだんに使いながらも、ほとんどの割合を白菜が占め、驚くほどさっぱりめの味に仕上げている。ニンニクの臭みを抑えていながらうまみはしっかり。コクがあるので、タレにつけなくてもパクパク食べられる。皮はふっくら外側パリパリ、中身はジューシー。宇都宮餃子の歴史を感じながら味わえば、感慨もひとしお。

白菜主体のさっぱりとした焼餃子。お土産用もある

本店店内。ここまで来られなければ、JR宇都宮駅東口のウツノミヤテラス内にも支店があるのでチェックしておこう

味付けでおいしさの変化を楽しむ

何もつけなくてもおいしい、宇都宮みんみんの「焼餃子」。味の変化を楽しむなら、酢をぜひ試してみてほしい。宇都宮みんみんでは、北関東で唯一蔵をもつ酢の醸造所「中野嘉兵衛商店」のもろみ酢を提供している。この餃子によくあうと評判。まずは何もつけず、そのあとで酢、ラー油をつけて味わってみよう。60年変わらない味わい。餃子巡りに宇都宮を訪れるなら、まずココははずせない。

酢は150㎖瓶で販売も。「宇都宮みんみん 餃子に良く合う酢」270円

「道の駅 うつのみや ろまんちっく村」内のブルワリーと宇都宮餃子会がコラボしたクラフトビールも