竹久夢二伊香保記念館

記念館

4.0

県央エリア

伊香保と榛名(はるな)を愛した夢二の足跡。美人画から半襟図案までを幅広く展示

1981年(昭和56)、伊香保温泉入り口に生まれた記念館。大正ロマンの森のなかに竹久夢二の作品を数多く収めた洋館が立つ。自由に見学するのもよいが、解説付きで「蔵座敷」の特別観覧もできるコースを利用するとより楽しさが増す。

まぶしい緑のなかに建つ本館「黒船館」

『夢二十二ケ月』の見どころを紹介するスタッフ

1884年(明治17)、岡山県に生まれた竹久夢二。画家、詩人、装丁家、デザイナーなど幅広い才能を発揮したアーティストだ。1人の少女の手紙がきっかけで伊香保について知り、1919年(大正8)、初めてこの地を訪れたという。山と森に恵まれた豊かな自然に惹かれ、たびたび足を運ぶように。「当時、夢二は最愛の恋人、彦乃さんと別れたばかり。傷ついた心を癒やしに来たとも言われています」とスタッフは解説する。この地を舞台にした作品も数多く残し、実現はしなかったものの、榛名山美術研究所の建設も考えたほどという。

榛名山と女性を描いた『青山河』(写真手前)と『榛名山賦』(写真奥の左)

竹久夢二伊香保記念館の普通券で見学できるのは、本館の「大正ロマンの館と黒船館」だ。ここでは夢二の絵画やスケッチ帳、デザイン、装丁本、日記、書簡、原稿など1万6000点ほどの資料が年に数回の展示替えで公開される。美人画で有名な夢二だが、かわいらしい子ども絵やポップな浴衣の図案、情緒的な半襟図案など幅広い作品を残しているのには驚かされる。館内には所どころに大きな窓が設置され、作品と豊かな緑を同時に楽しむことができる。約100年以上前の調度品も圧巻だ。アンティークのシャンデリアやステンドグラス、家具のほか、オールドノリタケやモリムラドール、ハンデルランプも美しい。

アンティークのベンチと庭の緑の組み合わせが美しい

『夢二エハガキ』という絵はがきのセットも人気を博した

1919年(大正8)に描かれた名画『黒船屋』。黒猫を抱いた女性が謎めく箱の上に座っている。本作は表具師の飯島勝次郎氏の依頼で制作されたもの。この頃の夢二は、最愛の人・彦乃と別れたばかりで、とても絵を描く気にはなれなかったそうだが、飯島氏の熱意にほだされ制作を引き受けたという。それが後世の人々をも魅了する最高傑作となった。記念館では通常レプリカを展示しているが、毎年、夢二の誕生日である9月16日を中心に2週間のみ、黒船館3階の「蔵座敷」に展示される。

写真右がレプリカの『黒船屋』。考え事をしているような女性の表情に釘付けになる

重い扉に閉ざされた特別室の「蔵座敷」にはふだんは入ることはできないが、予約制のAコース、Bコースを利用すれば、「蔵座敷」をスタッフの解説付きで見学することができる。作品や館内の見どころをしっかりチェックできるため、記念館をよりいっそう身近に感じられるだろう。まずは夢二ホールで100年以上前のオルゴールの雅な演奏を聞き、見学スタートだ。気になる「蔵座敷」は、約20畳の日本間の奥にある床の間に季節の軸と花が飾られ、情緒たっぷり。特別な時間を過ごせる。両コースとも予約は2名以上からの受け付け。Aコースは1名3500円(お茶付き)。Bコースは1名5500円(軽食付き)。

「蔵座敷」の日本間。9月10日～9月23日までここに『黒船屋』が飾られる

スポット詳細

住所: 群馬県渋川市伊香保町伊香保544-119 地図
エリア: 県央エリア
電話番号: 0279724788
時間: 9:00-17:00
休業日: 年中無休
料金: 【入館料(普通券)】
[大人]1,800円
[小人(中学生以下)]無料(保護者同伴にて)
駐車場: あり(100台)
クレジットカード: 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済: 可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、Apple Pay、PayPay、LINE Pay、ALIPAY)
Wi-Fi: あり
コンセント口: なし
喫煙: 不可
英語メニュー: あり(英語パンフレットあり)
平均予算: 【昼】1,001-3,000円
滞在目安時間: 60-120分
車椅子での入店: 可
乳幼児の入店: 可
雨の日でも楽しめる: はい

情報提供：ナビタイムジャパン

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クチコミ

大正ロマン

投稿日 : 2022.07.06

伊香保を愛した画家、竹久夢二の記念館です。大正ロマンの森と呼ばれる広大な敷地の中に「大正ロマンの館」、「黒船館」、「義山楼」、子供絵の館(休館)などの趣の異なる施設が点在しています。今回は、新館(義山楼)と本館(大正ロマンの館と黒船館)をセットでの見学を選びました(一人2200円)。三館見学すると、時間もかかるので、時間の余裕を見て見学されることをお勧めします。大正ロマンの館では、一階の夢...
夢二ファンのための施設

投稿日 : 2020.05.25

入館料は本館と新館の共通券（一部解説付き）で2000円超と少々高めですが、その価値は十分にあると言えます。本館の展示はもちろん、新館の美しいガラス細工や細部に至るこだわりは必見です。竹久夢二ファンはもちろん、大正期のデザインに興味がある方にもおすすめです。
隠れた紅葉の綺麗なスポットです。

投稿日 : 2020.02.08

伊香保温泉の石段街からちょっと下の方に下がったところにあります。伊香保グランドホテルから更に下がると、湯ノ花饅頭専門帝の清芳亭の並びにあります。伊香保温泉ビジターセンター迄の間にあります。竹久夢二伊香保記念館は本館と新館、別館があります。伊香保温泉の秋は紅葉が綺麗な温泉街です。伊香保温泉の観光ポスターには紅葉の名所として、河鹿橋、上ノ山公園が紹介されています。ここ竹久夢二伊香保記念館は...