今治城

城/城址

築城の名手・藤堂高虎の最高傑作と謳われる今治城

日本屈指の海城といわれる、藤堂高虎が建立した今治城。かつては堀の一部が広い港湾になっており、城内の港としては日本最大といわれていた。現存する堀には海水が出入する全国的にも珍しい城。天守、櫓、城門も再建しており、当時の姿を目にすることができる。

藤堂高虎は近江国出身で今治城を築いた武将。徳川家康からもあつく信頼されていた} 藤堂高虎は近江国出身で今治城を築いた武将。徳川家康からもあつく信頼されていた

江戸時代に建てられた石垣と内堀は愛媛県史跡に指定

今治駅から車で約10分のところに、築城の名手として名高い藤堂高虎が江戸時代に建立した今治城がある。藤堂高虎は関ヶ原の戦功で伊予(現在の愛媛県)半国20万石を領し、1602年(慶長7)にこの地に築城を開始。約6年の歳月をかけて完成させた。明治時代になって城の建物は解体されたが、城の中心部の石垣と内堀がほぼ完全に残っており、1953年(昭和28)に愛媛県史跡に指定。現在では天守をはじめとする櫓・城門などの再建が進み、雄大な城郭の姿を見せている。今治城の特徴のひとつに、堀が海とつながっている点がある。堀の水が海水なのは全国的にも珍しい。潮の満ち引きで水位が変わり、ボラやクロダイなどの海水魚が多く泳いでいる。

堀は今治港と水路でつながっており、海水が流入している} 堀は今治港と水路でつながっており、海水が流入している

正門の鉄御門(くろがねごもん)は、もっとも守りが固い城門の形

今治城の特徴のもうひとつは、四角い単純な城の形にある。それまでは迷路のような攻めにくく複雑な城が多かったが、藤堂高虎は当時としては革新的な四角い城を築いた。一方で守備を強固なものにするために、今治城の城門には枡形虎口(ますがたこぐち)と呼ばれる建て方を多数採用した。枡形虎口とは石垣や土塁で囲まれた四角形の広場を伴う城の出入り口のこと。これらをセットとする城郭構造は、今治城で本格的に導入され、その後に各地の城に普及した。このことから、今治城は「藤堂高虎の最高傑作の城」と呼ばれている。正門である鉄御門は、枡形虎口の周囲を石垣と長屋状の櫓で囲み、城の出入り口としてもっとも堅固な構造になっている。

今治城の正門にあたる鉄御門は、堅固な守りの枡形虎口の内側の門} 今治城の正門にあたる鉄御門は、堅固な守りの枡形虎口の内側の門

櫓の内部では城を守る仕掛けを見られる

鉄御門に隣接している櫓は武具櫓と呼ばれており、かつて武具を保管していた櫓を復元したもの。中に入って櫓が防衛上果たしていた仕掛けを間近に見ることができる。まず目にするのが、石落(いしおとし)と呼ばれる仕掛け。石落は床に開けられた細長い蓋付きの穴のことで、ここから石を落としたり鉄砲を打って、下にいる敵兵を攻撃していた。ほかに狭間(さま)という壁面に開けられた小窓もある。狭間は外側の口を小さく、内側の口を大きく造ることで、敵兵から射撃されにくく、内側からは鉄砲や弓を幅広く発射することができた。

2007年(平成19)に再建された、鉄御門に隣接している武具櫓} 2007年(平成19)に再建された、鉄御門に隣接している武具櫓

現在の今治城天守は歴史資料館として当時の武具などを展示

今治城の天守閣は創建時、各階を順次小さく積み上げる史上初の層塔型(そうとうがた)を用いており、その後各地で建てられた天守のモデルとなった。現在の天守は1980年(昭和55)に再建されたもので、内部は歴史資料館と自然科学館になっている。歴史資料館には江戸時代に使われていた武具や絵画、書画などが展示されており、今治藩士の甲冑や徳川将軍の朱印状などを見ることができる。また6階の最上階は展望台となっており、今治市街地をはじめ、来島海峡大橋や瀬戸内の島々までも一望できる。

2階に展示されている、江戸時代に使われていた当世具足と呼ばれる甲冑} 2階に展示されている、江戸時代に使われていた当世具足と呼ばれる甲冑

3階では、束帯姿の藤堂高虎の肖像画(複製)が展示されている} 3階では、束帯姿の藤堂高虎の肖像画(複製)が展示されている

6階は展望台。今治城ARをダウンロードして携帯でかざすと、江戸時代の風景が眺望のなかに浮かび上がるそう} 6階は展望台。今治城ARをダウンロードして携帯でかざすと、江戸時代の風景が眺望のなかに浮かび上がるそう

スポット詳細

住所
愛媛県今治市通町3-1-3 map map 地図
電話番号
0898319233
時間
9:00-17:00
休業日
12/29-12/31
料金
【観覧料】
[一般]520円
[65歳以上]420円
[大学生・専門学生]260円
[高校生以下または18歳未満]無料

※天守・御金櫓・山里櫓・鉄御門・武具櫓の共通券
駐車場
あり(55台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(天守1Fと6Fに設置)
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
60-120分
乳幼児の入店
ペットの入店
可(館内ではペットの歩行不可。館内では静謐に。)
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 100名城巡り
    1.0 投稿日 : 2022.12.30
    そこにいる人や運営している組織によって昔からあるお城も周辺の観光も台無しになってしまいます。小2の娘が歴史好きになり、100名城を巡っています。前日に100名城でなありませんが村上水軍の施設と松山城、湯築城をめぐり、翌日今治城に伺った所、入城出来ませんでした。HPで住所を確認しましたが、お城が閉まっているという情報が一目で確認できず、駐車場に車を停めていざ入城!と思ったら天守閣の入り口が半開きで立...
  • 天守はあくまでも模擬
    3.0 投稿日 : 2022.07.14
    今治駅からバスで9分。徒歩の場合は30分ほど。1602年に藤堂高虎が築城を開始し、1613年頃に完成した海城。1873年に廃城。当時の建物は既になく、石垣と内堀だけが残る。現天守は1980年に市政60周年を記念して建てられた模擬天守。観覧料は520円。鉄筋コンクリート造6階建てで、内部は歴史資料館と自然博物館になっている。最上階の展望台以外は撮影禁止。鉄御門・武具櫓は2007年に忠実に復元され...
  • 堀で囲まれどの方向からでも
    4.0 投稿日 : 2022.07.10
    天守を望むことが出来る。天守・山里櫓・御金櫓・武具櫓の観覧料金520円なのだが、周りから見るだけなら無料。この周りからの景色だが、他の城に比べても絶景という表現があっていると思う。どの方向から見てもきれいな城の姿を見ることが出来た。天守は6階からできていて、武具・刀・調度品等の展示や今治城の歴史を知ることが出来る。タクシーでこの天守入口まで来ることが出来るが城の雰囲気を楽しむのなら徒歩が...

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