田部美術館

美術館

不昧公(ふまいこう)ゆかりの茶道具や、出雲地方の美術工芸品を紹介

松江県知事や衆議院議員も務めた田部長衛右門朋之が、田部家伝来の美術品を公開する美術館として創設。不昧公ゆかりの品々や、楽山焼、布志名(ふじな)焼をはじめとした出雲地方の美術工芸品を展示し、季節に合わせた茶道具も紹介する。

松の板の傾斜天井が開放感を感じさせるエントランスロビー 松の板の傾斜天井が開放感を感じさせるエントランスロビー

約600年にわたって収集した貴重な美術品を公開

国宝・松江城の北側、堀川沿いの「塩見縄手」の一角に、1979年(昭和54)に開館。創設者の田部長衛右門朋之は、田部家第23代当主。島根県知事、衆議院議員、島根新聞社の社長を歴任し、政財界で活躍したほか、陶磁器、絵画の分野に習熟した芸術家としても知られる。17世紀初頭、出雲地方で大規模なたたら製鉄に取り組んだ田部家は、製鉄業、新田開発、山林業で栄え、「日本一の山林王」とも呼ばれた。古くから美術品も多く収集し、松江の茶の湯文化の礎を築いた不昧公こと、松江藩第7代藩主・松平治郷(はるさと)ゆかりの茶道具をはじめ、約600年にわたる貴重なコレクションを所蔵。「美術品は多くの人々に鑑賞されるべきだ」との創設者の強い意志から財団を設立し、美術館の開館にいたった。茶道具の美術展示を主とし、四季折々のお茶会を催す際に、必要な道具の組合せに趣向を凝らす道具の取り合わせを紹介する「四季の茶道具」は、茶道関係者に人気が高い。

塩見縄手にある入り口の長屋門は市の文化財に指定されている 塩見縄手にある入り口の長屋門は市の文化財に指定されている

3つの展示室で茶の湯の世界を堪能する

松江市指定文化財にもなっている長屋門が、美術館の入り口。門をくぐると、さび色の入母屋(いりもや)造りの屋根を抱いた白亜の建物に続く回廊が現れる。古い武家屋敷が残る塩見縄手は、伝統美観保存地区。建物の高さが制限されているため外からはわからないが、表のたたずまいとは異なるモダンな建築に驚かされる。スロープを巧みに生かした開放的な館内に、展示室は3つ。第一展示室は、江戸時代から明治時代の布志名焼、楽山焼が中心。松江の茶道具といえば楽山焼が多く、布志名焼には日常使いの器として輸出用に作陶されたものが多いという。「四季の茶道具」を展示するのが第二展示室。季節に合わせ1年に7回展示替えが行われるため、年間パスポートで通う茶道関係者も少なくない。唐津、信楽、織部などの名品を鑑賞できるのが、第三展示室だ。

楽山焼、布志名焼など味わい深い作品の多い第一展示室 楽山焼、布志名焼など味わい深い作品の多い第一展示室

不昧公が20代のときに手造りした黒楽茶碗『不昧手造黒楽茶碗』 不昧公が20代のときに手造りした黒楽茶碗『不昧手造黒楽茶碗』

建築好きも注目するダイナミックな設計

美術館の建築物そのものも見ごたえがある。設計者の菊竹清訓(きくたけきよのり)氏は、「江戸東京博物館」、宍道湖畔に建つ「島根県立美術館」などを手がけたことで知られる、日本を代表する建築家だ。田部家が室町時代から営んでいた、たたら製鉄のたたら場をイメージした屋根には、製鉄にちなんでコールテン鋼という特殊鋼材を使用。1970年代に多く取り入れられた建築技術や建築資材を用いながらも、伝統的な日本の茶室の趣を見事に表現している。優美さと落ち着きを感じさせる内部は茶の湯の世界と融合し、建築物そのものも芸術作品といえるだろう。そのため、建築関係者や美大の学生などが訪れることも多いという。ここは雨の日の庭の風情もいい。館内の喫茶室では抹茶をいただけるので、鑑賞の余韻に浸りながらゆっくり味わうのがおすすめ。塩見縄手散策の合間に、ぜひとも立ち寄りたい。

抹茶(500円)。椅子席でいただけるので気軽に味わえる 抹茶(500円)。椅子席でいただけるので気軽に味わえる

美術館前の庭も風情があり往来の賑やかさとは別世界 美術館前の庭も風情があり往来の賑やかさとは別世界

スポット詳細

住所
島根県松江市北堀町310-5
電話番号
0852262211
時間
9:00-17:00(最終入館は16:30まで)
休業日
月(祝の場合は開館)、年末年始、臨時休館あり
料金
【入館料】
[大人]700円(600円)
[大学・高校生]500円(400円)
[中学生以下]無料

※()内は10名以上の団体料金
※障がい者団体料金適用
※特別展の場合は別途料金
駐車場
あり
クレジットカード
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 陶器の展示がメイン
    3.0 投稿日:2020.12.13
    松江城北側の塩見縄手にある美術館。入館料は700円だが、松江城の3館共通券を提示すると団体料金に割引となる。受付のある長屋門は歴史ある建築物だが、その先にあるのは現代的で美術館らしい建物。入口を入ったところは解放感のある吹き抜けとなっており、1階と2階はスロープで結ばれている。設計は奇抜な江戸東京博物館をデザインした菊竹清訓。展示品は多くなく、陶器が中心であとは茶道具と日本画が少し。古い町並み...
  • 茶道関係の美術館
    3.0 投稿日:2019.02.21
    松江城の城下町、塩見縄手と呼ばれる通りにある田部美術館。 田部家伝来の茶道関連の美術品や土の工芸品などあわせて見学出来ます。喫茶室もあり、お抹茶とお菓子を味わうことも出来ます。
  • 松平不昧公コレクション
    3.0 投稿日:2018.08.20
    茶道好きなら是非とも訪れてほしい、不昧コレクションがご覧になれます。美術館としての規模は大きくはないですが、こじんまりとした分ゆっくりとじっくりと居れますし、お庭を見ながらの休憩室は有効活用したいところ。周辺の武家屋敷、八雲資料館などの散策に疲れたあとに立寄ってみてはいかがでしょうか。

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