中野不動尊

寺院

厄除けとして多くの参拝客が訪れる、「日本三大不動尊」のひとつ

修験者が雨露をしのぐために寝泊まりした洞窟が今に残り、山の起伏を生かした境内には水の気があふれる。秘境を訪れたかのような「洞窟めぐり」をおごそかな気持ちで楽しみ、休憩処では薬草茶をいただこう。

奥の院の洞窟入り口にそびえる大日堂と、今も水行が行われている不動滝} 奥の院の洞窟入り口にそびえる大日堂と、今も水行が行われている不動滝

近くには名泉のひとつ、飯坂温泉が

中野不動尊は福島市飯坂町の山の中腹にある寺院で、開かれてから840年余りという由緒あるお不動様。福井県の曹洞宗大本山永平寺の直属の末寺で、「日本三大不動尊」のひとつに数えられる。寺号は、中野山大正寺(なかのさんだいしょうじ)。中野不動尊は東北自動車道福島飯坂ICを下り、山形方面へ約10分、福島駅からは車で約25分のところに立地する。飯坂町には東北地方有数の古湯、飯坂温泉をはじめとする観光スポットが数多く点在する。果物狩りで有名なピーチライン&フルーツラインもすぐ近くだ。電車利用の場合は福島駅でレンタカーを借り、周辺のスポットと一緒に巡るといいだろう。中野不動尊は本堂に厄除不動明王、祈祷殿に眼守不動明王、奥の院の洞窟内に三ヶ月不動明王を祀る。洞窟内も参拝できるので、歩きやすい靴で訪れよう。

厄除け不動王が祀られている本堂} 厄除け不動王が祀られている本堂

開山800年を記念して建立された大日堂

開山は、平安時代の1179年(治承3)。開祖の恵明道人(えみょうどうにん)が1匹のカモシカに導かれ、不動滝のある奥の院に入山。山神のお告げによって洞窟内に三ヶ月不動明王を祀り、燈明を灯したのが信仰の始まりと伝わる。その火は現在まで絶えることなく赤々と燃え続け、「不滅の聖火」と呼ばれる。奥の院の洞窟入り口には、山に映える朱色の大日堂がそびえる。開山800年を記念して建てられた3層の建物で、最上層に祀られているのは大日如来。20年ごとに御開帳され、脇立には不動明王と愛染明王が並んでいる。かつて修験者が水行をした不動滝は大日堂の脇にある。今も春を呼ぶ「歳祭り」では、滝の冷たい水に打たれ、心身を清める水行が行われている。

眼守不動明王が安置されている祈祷殿では、福島出身の彫刻家・佐藤玄々の力作「力持ち」をお見逃しなく} 眼守不動明王が安置されている祈祷殿では、福島出身の彫刻家・佐藤玄々の力作「力持ち」をお見逃しなく

七つの洞窟を巡り、三十六童子を参拝

大日堂の入り口は「顕霊門(けんれいもん)」と呼ばれ、中野不動尊のハイライトともいえる「洞窟めぐり」のスタート地点になっている。開山されてから数百年の間、山には建物がひとつもなく、修験者たちは命がけで山道を登って奥の院を詣でた。滝修行のために訪れた人々は数日にわたって山にこもることがあり、雨露をしのぐために岩壁のあちこちに深い穴を掘った。これが、奥の院の「七つの洞窟」。洞窟は内部でつながっており、1周5~10分で巡ることができる。内部は数多くの横穴が枝のように分かれ、少し広くなった行き止まりには人々のこもった単座が36ある。そこには現在、不動明王の弟子である三十六童子が1体ずつ祀られている。童子は左に16体、右に20体ある。洞窟内は滑るので足下に気を付けよう。

洞窟の入り口でロウソク(1本50円)を購入できるので、灯しながら歩くのがおすすめだ} 洞窟の入り口でロウソク(1本50円)を購入できるので、灯しながら歩くのがおすすめだ

最初に左の童子を参拝すると入り口付近に戻る。再度入場して右の童子を参拝すると効率よくまわることができる} 最初に左の童子を参拝すると入り口付近に戻る。再度入場して右の童子を参拝すると効率よくまわることができる

霊水で元気をいただき、参拝後はお茶屋へ

広大な境内には、水の気が随所に漂う。寺務所の前にある「岩窟の清水」は奥の院の洞窟から湧き出ており、飲用すれば元気が出るという霊水。横に立つとげぬき地蔵尊に清水をかけ、たわしでこすれば三毒が取り除かれるという。総ケヤキ造りの祈祷殿の地下からは、昔より旅人や参詣者ののどを潤してきた清水が湧き出している。平安後期に境内に住み、人々を助けたという「こと姫」の美しい姿が水に映ったことから、湧き水は「こと清水」と呼ばれている。奥の院に進む前にここで手を清めよう。「たにしヶ池」には、その名のとおりタニシが生息し、不動明王のお使いとして大事にされている。3月頃になると池のほとりにミズバショウの白い花も咲く。参拝を終えたら、境内のお茶屋「かもしか庵」へ。参拝客に薬草茶「十貴茶」が無料で振る舞われる。お茶のお供には中野不動尊名物「厄除け団子」(3種・各250円)を。

不動明王のお示しにより大釜で煎じた薬草が疫病を治し、人々が安堵したことから「あんど釜」と呼ばれている大釜} 不動明王のお示しにより大釜で煎じた薬草が疫病を治し、人々が安堵したことから「あんど釜」と呼ばれている大釜

祈祷殿が火災で全焼した際、無数のタニシが御本尊を守ったといわれ、タニシをモチーフにしたお守りがある} 祈祷殿が火災で全焼した際、無数のタニシが御本尊を守ったといわれ、タニシをモチーフにしたお守りがある

スポット詳細

住所
福島県福島市飯坂町中野堰坂28 map map 地図
電話番号
0245422100
時間
[1-10月中旬]8:30-17:00
[10月中旬-12月]8:30-16:00
休業日
無休
駐車場
あり 約100台(無料)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
場所により異なる
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店
ペットの入店
可(ただし、ケースに入れるか抱っこにするかに限る)
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

クチコミ

  • すばらしいパワースポット
    5.0 投稿日 : 2022.01.31
    その名を聞いたことはあったのですが飯坂温泉に近かったので立ち寄ってみることに。場所は福島市街からはかなり離れていて飯坂温泉や米沢へ向かう国道13号に近いです。駐車場は多く設けられているので車利用時でも不自由しませんでした。県外ナンバーが多く泊まっていたのでやはり有名なお寺のようです。洞窟や滝など興奮する見どころが多くあります。時間がたつのもあっという間でした。朱色の三階建ての立派な大日堂...
  • 駅から遠すぎるが…
    4.0 投稿日 : 2021.06.04
    有名な不動尊だそうです。電車で行ったのですが、本当に道が合っているのかと思うぐらい駅から遠くて心が折れそうになりました。フルーツロードを歩きながら向かいます。行ったときはまだフルーツのほのかな甘い香りがところどころでただよっていました。自然豊かなところに朱色のお堂と滝、そして洞窟とおもしろかったです。ご朱印もいただくことができました。
  • 観光物産館で紹介され伺いました
    4.0 投稿日 : 2019.11.22
    福島駅前観光物産館に立ち寄った際、名所の一つとして紹介されました。丁度、車を購入された方?が祈祷を受けてて車の前でお祓いしていました。不動尊には洞窟があり、そのなかは36の童子が祀られていました。

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アクセス

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最寄り

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