福島県立美術館
モネ、ゴーギャン、ワイエスを有する美術館は建物もひとつの作品
周囲の景観と調和した福島県立美術館。福島出身の版画家、斎藤清のコレクションが充実
作品はもちろん、建物と景観も鑑賞したい
桜の名所であり、福島市民に愛されている信夫山(しのぶやま)。レンガ造りの建築と背景の信夫山は、まるで1枚の絵画のよう。美術館は福島県三春町出身の大高正人の設計で、大高はル・コルビュジエの弟子のひとりである前川國男の事務所に勤務した経験をもつ。建物は1984年(昭和59)の開館とは思えないほどスタイリッシュだ。エントランスホールの高い天井とスマートな柱は大聖堂に来たような開放感があり、天光がやさしい空間を作っている。展示室もアースカラーを基調とし、作品の持ち味を壊さないのがいい。
美術館の入り口。幾何学的なデザインは時の流れを感じさせない。飯坂線美術館図書館駅から徒歩2分の距離にある
エントランスホールは落ち着く空間。ベンチも多く、ひと休みに最適
見ごたえたっぷりの常設展
絵画、版画、彫刻、工芸などの収蔵品で核となるのが、福島県白河市出身、20歳で夭折した洋画家の関根正二、福島県の会津坂下町出身の版画家の斎藤清、フランス印象派、アメリカン・リアリズムの作品など。なかでも斎藤清のコレクションは500点に及ぶ。フランス印象派ではクロード・モネ『ジヴェルニーの草原』、ポール・ゴーギャン『ブルターニュの子供』などが、アメリカン・リアリズムではアンドリュー・ワイエス『松ぼっくり男爵』、ベン・シャーン『ラッキードラゴン』などが収蔵されている。分類は異なるが、ジョルジュ・ルオーの絵画『ミセレーレ』や、オーギュスト・ロダンの彫像『柱上のフナイユ夫人の胸像』も人気の高い作品だ。
常設展示室は2階にあり、洋画、日本画、版画など部門ごとに分かれ、展示替えをしながら公開される
美術館西側の日本庭園を散策
企画展は年5回ほど開催されるが、興味深いテーマを取り上げるなど注目度も高い。これまでに「THE ドラえもん展FUKISHIMA 2021」「伊藤若冲展」「フェルメールとレンブラント展」が開催された。どんな企画展が行われるか、チェックしてから出かけよう。また、美術館は市民の憩いの場でもある。手入れの行き届いた芝生が広がり、気候のいい日にはお弁当を広げたり、ごろごろする人の姿も見受けられる。西側には日本庭園もあるから、ちょっと寄ってみよう。遊歩道と小川を中心とした庭園には多くの樹木や花が植えられ、竹林があるなど変化に富む。小川のせせらぎも心地良い。
スポット詳細
- 住所
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福島県福島市森合字西養山1
地図
- エリア
- 福島市・国見・二本松エリア
- 電話番号
- 0245315511
- 時間
- 9:30-17:00(最終入館16:30)
- 休業日
- 月(祝の場合は翌日)、祝の翌日(土日の場合は開館)
- 料金
- [入館料]280円(企画展は別途料金)
- 駐車場
- あり(150台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円, 1,001-3,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 巨大な建物
- 県立図書館と併設されていて、かなり巨大な建物となっている。中のホールなかなか凝っていて柱に石材を使っている。コレクションはまーまー。
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- 古くなった県立美術館
- 建物と庭の美しさはハイレベルですが、中に入ると設計の古さは否めません。バリアフルで、美術品を展示する環境も前時代の物です。本格改修が望まれます。収蔵品にも見るべきものはあります。アンドリューワイエスや斎藤清、近代日本洋画は充実。いわゆる外国巨匠の作品は小品だけという印象。
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- 伊藤若冲展
- 東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展を見学に出かけました。妻と一つ一つの作品をのんびりと見ることができました。
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