中町こみせ通り
藩政時代の面影が色濃く残る城下町の歴史ストリート
藩政時代のアーケードが残る街
黒石は弘前の東に位置し、弘前藩の支藩として栄えた城下町。時の流れとともに街の姿は移り変わったが、今もなお独特な街並みを残している。それが「日本の道100選」に選ばれた「中町こみせ通り」だ。こみせというのはわかりやすくいえば、アーケードのように軒に連なる庇(ひさし)を有する通路の建造物を指す。冬の吹雪や夏の日照りから歩行者を守る建築物であった。ほかの地域でも目にすることができるが、黒石のようにいくつもつながった状態で維持されているところは珍しく、2005年(平成17)に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。最盛期には4.8kmにも及んだこみせも、火災や車社会の発達によって消えていったが、黒石市中町は造り酒屋や米屋、呉服店など昔ながらの商家が多く、建て替えをする必要性がなかったことが大きな要因で、その姿を今に残していると考えられている。
保存するだけでなく積極的な活用も
昭和50年代、周辺のこみせが徐々に解体され姿を消していくなかで、地元から保存を希望する声が少しずつ上がりはじめたという。1989年(平成元)、街のほぼ中心部にあった商家が土地を売却することになると、市民が協力して土地建物を買い取り、街の保存に真剣な姿勢を見せ、その意思を揺るぎないものにした。そのときに取得した建物は、その後「こみせ駅」と命名され、津軽三味線の生演奏や土産物販売、多目的ホールとして活用され、街の活性化に大きく役立っている。こうした市民の熱心な取り組みや活動が実を結んで、重要伝統的建造物保存地区に選定されたといっても過言ではない。ここ数年はここで店を出したいという若者も増え、再び賑わいが戻ってきているのだという。
新旧をミックスした街づくりが新鮮
古くレトロな建物が軒を連ねる表通りはもちろん、脇道や裏路地もこみせの雰囲気を大切に残しながら整備が進められているのがよくわかる。2020年(令和2)には電線の地中化が完了。スッキリとした通りとこみせの情緒という、新旧の融合が逆に目新しく映る。こみせ駅の近くにある案内所にはボランティアガイドが常駐、無料でこみせ通りを案内してくれる(4月下旬~10月中旬の土・日曜、祝日のみ。月~金曜は要予約)。また案内所の並びにはカフェや、さらに奥に進めば「横町かぐじ広場」という整備された広場があり、こみせを模したあずまやで休憩できるなど、散策する人にやさしい街造りが進められている。この機会にレトロな街並みをそぞろ歩きしてみてはいかがだろう。
スポット詳細
- 住所
- 青森県黒石市 地図
- エリア
- 弘前・黒石・岩木山エリア
- 電話番号
- 0172888815
- 時間
- 9:00-17:00(飲食店を除く)
- 休業日
- 店舗により異なる
- 料金
- 立ち寄りは無料
- 駐車場
-
あり(30台)
※松の湯交流館裏、津軽こみせ駅 - クレジットカード
- 可(店舗により異なる)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(店舗により異なる)
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可(店舗により異なる)
- 乳幼児の入店
- 可
- 備考
- ※電話番号は黒石観光案内所に繋がります。
情報提供: ナビタイムジャパン