伝承園
千体のオシラサマを祀る御蚕神堂(オシラ堂)は必見
旧家の家屋を改装した乗込長屋(のりこみながや)が受付や売店を兼ねている
遠野の生活文化を受け継ぐ施設
「伝承園」は、近代化される以前の、遠野の農家の暮らしを再現。生活文化、風習などを感じられる施設だ。園内では遠野の伝承行事、昔話、民芸品の製作実演などの体験プログラムを実施。国の重要文化財である旧菊池家住宅「菊池家曲り家」や、遠野市出身で『遠野物語』の話者である民俗学者・佐々木喜善(ささききぜん)の記念館、千体にものぼるオシラサマを祀る御蚕神堂(オシラ堂)などがある。かつて「日本の原風景」と呼ばれた遠野市にも、徐々に近代化の足音が近づいているが、伝承園に来れば遠野の原風景を思い出せるはずだ。
園内に一歩足を踏み入れると、一気にタイムスリップしたかのような空間に
受付の乗込長屋ではカッパのグッズがそろう。カッパ捕獲許可証もここで購入可
遠野物語の基となった語り手にまつわる施設
伝承園に入るとすぐに、蔵造りの建物が見えてくる。ここが「佐々木喜善記念館」だ。佐々木喜善は「日本のグリム」と呼ばれた、日本民俗学の第一人者のひとり。喜善は宮沢賢治や柳田國男とも交流があり、特に『遠野物語』は遠野で生まれ育った喜善の話を柳田國男がまとめたもので、喜善がいなかったら完成し得なかったといえるだろう。ここはその功績を讃え、建てられた施設だ。園内にはほかに工房や工芸館などがあり、お手玉や絵馬などの民芸品の製作実演、昔話を聞ける体験プログラムなどが行われている。
「佐々木喜善記念館」では喜善と民俗学に関する豊富な資料を展示
オシラサマを祀る御蚕神堂
伝承園のメインは国指定の重要文化財「旧菊池家住宅」だろう。1750年(寛延3)頃の建築で、建物の構造は「南部曲り家」という、人が生活をする母屋と馬屋を、L字型の棟続きにした南部地方の伝統家屋だ。旧菊池家住宅はまっすぐの家屋から、途中で曲り家へと増築した経過が見られる貴重な建物である。囲炉裏や生活用具も展示されているので、当時の暮らしに思いを馳せながら見てみよう。旧菊池家住宅から廊下を抜けると御蚕神堂(オシラ堂)につながる。6畳余りの小さなお堂の壁一面には「オシラサマ」と呼ばれる御神体がなんと千体も並んでいる。オシラサマとは、蚕、農業、馬、「お知らせ」の神様とも言い伝えられているもの。まるで異世界への入り口のような、一度目にしたら忘れられないような独特の雰囲気が漂っているので、ここは必見だ。
スポット詳細
- 住所
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岩手県遠野市土淵町土淵6-5-1
地図
- エリア
- 花巻・遠野エリア
- 電話番号
- 0198628655
- 時間
- 9:00-17:00(最終入園16:30)
- 休業日
- 無休
- 料金
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【入園料】
[大人]330円
[小・中・高校生]220円 - 駐車場
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あり(バス8台、乗用車100台)
※無料 - 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(PayPay)
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- アウトドア型博物館
- 古民家や水車小屋・雪隠・井戸などの昔の建物や、土着神オシラサマを祀るオシラ堂を見ることができます。また遠野物語の語り部である佐々木喜善に関する展示もしています。レストランもあり、郷土食のひっつみ(すいとん)やけいらん(もち粉の皮で餡を包んで茹で汁をはったデザート)を食べることができます。総じてなかなか満足度が高い施設でした。
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- 曲がり家がいい
- 施設の中には曲がり家があり、昔話が聴ける。CDから流れる声だけど、囲炉裏のそばに座って目を閉じると、いい感じで聴ける。行ったときは、ちょうど、「おしらさま」の話だった。聴き終えてから建物を見学すると、意味がよくわかる。他にも、水車小屋や、染め物をしているところがあり、入口にホップが植えてあった。施設を出てからカッパ渕へ行く途中にホップ畑があったが、おかげでそれがホップだとわかった。
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- けいらんを食べに入りました
- かっぱ淵の帰りは雨が強くなり急いで伝承園に戻りました。伝承園のかっぱの麦わら帽子を借りて写真を撮って、遠野名物のけいらん390円を食べました。伝承園のけいらん、卵形の小さいお餅にこし餡が入っています。伝承園の食堂には男の人1人だけ入っていました。空いていたので貸し切りです。
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