野口英世記念館
猪苗代が生んだ世界的細菌学者・野口英世の偉業を知る
野口英世の人柄をうかがい知ることができ、親しみを覚えるような展示内容となっている
多くの人に希望を与えた野口英世
小学生の頃、誰もが読んだ伝記といえば「野口英世」だろう。手に大やけどを負いながらもハンデを乗り越え、感染症の世界的権威となった日本人科学者(医学者)だ。3度のノーベル賞候補となるが、みずからが研究中の黄熱病に感染、アフリカで生涯を閉じた。享年51歳。英世の偉業を記念して1939年(昭和14)に完成したのが野口英世記念館である。磐梯山を北に望む国道49号沿い、猪苗代湖にも近い英世の故郷に建つ。敷地には生家と資料館があり、生家は左手にやけどを負った囲炉裏をはじめすべてが公開されている。また資料館は子どもにもわかりやすく、ゲーム感覚で細菌学を学べる展示となっている。
生誕の地に、生家を覆うようにして建つ記念館。周辺には土産物屋などが並ぶ
大やけどを負った囲炉裏のある生家
見学は生家から始めたい。生家は記念館の奥にあるため、入館後ホールを通って生家に向かおう。茅葺き屋根をもつ家は今から約200年前、江戸後期の1823年(文政6)に建てられたもの。その当時、農家としては中規模だったが、英世(当時の名は清作)が生まれた頃は村で最貧の農家であった。英世の運命を決定づけた、1歳半のときに落ちてやけどを負った囲炉裏や、医者を志して上京する際、「志を得ざれば再び此地を踏まず(医者になれなければふるさとには帰らない)」という決意を刻んだ床柱も保存されている。また、家の前には、英世がやけどを負った際に母のシカが洗いものをしていたという細い水路も流れている。
2019年(平成31)、生家は国の登録有形文化財に認定された。江戸後期から明治までの生活様式を知るうえでも興味深い
子守り用のカゴからはい出て、囲炉裏に落ちてしまった英世。手の指がやけどでくっついてしまった
記念館2階で英世の功績を振り返る
常設展は英世の生涯をたどる内容だ。優秀であったことを裏付ける尋常小学校時代の成績表や表彰状、上京後に合格した医術開業免状、米国ペンシルバニア大学での蛇毒の研究、デンマーク留学、梅毒スピロヘータの研究とノーベル賞候補など、英世の軌跡を解説している。優秀さを認め高等小学校入学を助けた小林栄先生、左手の手術を担当した会津若松の渡部鼎(わたなべかなえ)先生、東京時代に支え続けた血脇守之助先生らも紹介されている。常設展のハイライトは母シカの手紙のコーナーだ。渡米して12年も会えない息子への切ない心情が書かれている。手紙は独学で文字を学んだ母のたどたどしい字が綴られており、息子への深い愛情が伝わってくる。
野口英世を支えた小林栄先生、渡部鼎先生、血脇守之助先生らのパネル写真。日本での恩師たちだ
母シカの直筆の手紙。英世は母が字を書けるとは思っていなかったので驚いたという
野口英世現る!?
奥の部屋には、ボタンを押すとまるで生きているように話し始める英世のアンドロイドや、英世が研究した細菌についてのクイズやタッチパネルなど、子どもにも興味をもってもらえるような展示がある。また、さまざまな角度から英世の功績や生涯を紹介する企画展も随時行われている。最後に1階の展示室で1000円札の記念すべき2号券をお見逃しなく。ところで、なぜ英世が紙幣の肖像に選ばれたか? 偉業はもちろんだが、もうひとつの理由がヒゲとヘアスタイル。頭髪が多いと偽造されにくいそうだ。
スポット詳細
- 住所
- 福島県耶麻郡猪苗代町大字三ツ和字前田81
- エリア
- 磐梯高原・猪苗代エリア
- 電話番号
- 0242652319
- 時間
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[4月-10月]9:00-17:30(最終入館17:00)
[11月-3月]9:00-16:30(最終入館16:00) - 休業日
- 年中無休(但し、12/29-1/3を除く)
- 料金
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【入館料】
[大人(15歳以上)]800円
[小人(小・中学生)]400円 - 駐車場
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あり(普通車300台、バス30台)
※無料 - クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、PayPay、d払い、auPAY、ALIPAY)
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり(パンフレット、無料音声ガイド)
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- 備考
- ※ペットはケージ等に入れている場合は事務所で預かり可能
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 母シカの手紙に涙
- 幼い頃に伺った時は、あまり感動しなかった記憶があります。そして母親になり、久しぶりに伺いました。家は当事のままでしたが、立派な記念館になっていました。記念館では、野口英世の苦労と努力が詳しく紹介されています。また、母親シカの手紙には涙がこぼれました。今、1番尊敬する人物は「野口英世」です。
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- アンドロイドは精巧でした
- 中は非常にきれいです。生家も見ることが出来て、歴史を感じます。中のアンドロイドの出来が非常に良かったですが、色んなボタンがある為、小学生が全種類を押す為に長時間占拠していたので1人あたりの押す回数は制限して並びなおす事でも良いと思います。
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- 母シカの手紙が切ない
- 猪苗代駅からバスで行くことも可能だが休日は1日に3本しか出ていない。タクシーの場合は2,000円ほど。入館料は600円(2021年4月から800円に改定予定)。野口英世の生家に隣接して建てられた記念館。生家には英世が1歳の時に左手に火傷を負った囲炉裏も残されている。展示室には英世の業績を表す資料、遺品などが展示されており、質問ボタンを押すと体を動かしながら答えてくれる英世を模したロボットもある...
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