磐梯高原・猪苗代

BANDAI HIGHLAND / INAWASHIRO

宝の山がもたらした、色鮮やかな湖沼群と天を映す巨大な鏡

福島県西部の会津地方にあり、市街地を除く大部分が磐梯朝日国立公園に含まれる。中心にそびえるのは標高1816mの磐梯山(ばんだいさん)。民謡『会津磐梯山』でおなじみの活火山で、福島のシンボルだ。その北に広がる磐梯高原は安達太良山(あだたらやま)、吾妻山(あずまやま)に囲まれた標高約800mの高原で、「裏磐梯」とも呼ばれる。1888年(明治21)の磐梯山の山体崩壊によって生まれた330もの湖沼群が点在する景勝地だ。夏はハイキングやカヌー、冬はスキー客で賑わう。周辺には眺望の良い山岳道路がいくつも整えられており、特に福島市と裏磐梯をつなぐ磐梯吾妻スカイラインは人気。一方、磐梯山の南側、猪苗代湖が広がる地域を「表磐梯」と呼ぶ。猪苗代湖もまた数万年前に磐梯山の山体崩壊で誕生した。面積は全国4位。天鏡湖とも呼ばれる湖水の透明度が自慢だ。冬にはハクチョウが飛来し、雪を被った別名・会津富士の美しさも格別。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    五色沼自然探勝路
    訪れるたびに色を変える神秘的な沼巡り
    るり色、エメラルドグリーンなどさまざまな色彩をもつ8つの沼をつなぐ遊歩道。磐梯地域を代表する人気スポットで、磐梯朝日国立公園内の特別保護地区に指定されている。今日はどんな色に出合うことができるだろう?
    ターコイズブルーの弁天沼。日差しの強さや角度、風の有無、水位などによって同じ沼でもさまざまな色に見える
  • spot 02
    もくもく自然塾
    シャワーウォークなど裏磐梯を全身で感じるアクティビティ満載
    裏磐梯の大自然を存分に満喫するならアクティビティに挑戦してみたい。曽原湖(そはらこ)の近くにある「もくもく自然塾」では、年間を通じてさまざまなツアーを用意している。夏に人気なのはシャワーウォーク。沢登りや沢下りを含む究極の水遊びで、水着さえあればトライできる。スリル満点の半面、リスクもともなうので、安全性に気を配って慎重に催行されている。春と秋にはネイチャーウォーキング、冬には雪の上を歩くスノーシューツアーがおすすめ。裏磐梯を知り尽くしたガイドならではの視点で、自然観察やとっておきの場所などを教えてくれるので、自分では気づかない発見がうれしい。また「もくもく自然塾」には有資格ネイチャーガイドが10名以上いて、日本山岳ガイド協会認定ガイドが案内する本格登山コースや、日本カヌー連盟公認指導員が付いてくれるカヌーツアーなども行われている。アウトドアツアーはやはり信頼性で選びたい。すべて予約制。
    急流に流されたり、岩や崖から川へ飛び込んだり、アドベンチャー度満点のシャワーウォーク
  • spot 03
    バックス
    磐梯山と湖を体感するアクティビティ、桧原湖カヌーツーリング
    五色沼の柳沼から国道を渡ったところにある桧原湖は、裏磐梯にある約300の湖沼群のなかで最大で、火山性せき止め湖としては日本最大。この湖で、磐梯山を眺めながらのカヌーが人気だ。バックスのカヌー体験コースは安定性の高い2人乗りカヤックを使用し、ガイドが付いてくれるので未経験者や子どもでもチャレンジできる。力んで漕ぐ、片側ばかりに進むなど、初心者にありがちなクセをガイドが見て、スムーズに漕ぐコツを教えてくれる。コースは1時間からあるが、これだと陸上講習が30分ほどかかるのでカヌーに乗っている時間はわずか。おすすめは水上で約2時間過ごせる半日コースだ。雄大なパノラマや小島群などの景観が次々に現れ、飽きることがない。犬を連れて乗ることもできるので、予約時に詳細を確認しよう。バックスではまたSUP(スタンドアップパドルボート)や、冬にはワカサギ釣り体験やスノーシューなどのツアーも行っていて、一年中楽しめる。
    1888年(明治21)の山体崩壊の跡も荒々しい磐梯山を眺めつつ、裏磐梯の自然を違った角度から満喫できる
  • spot 04
    雄国沼湿原探勝路
    ニッコウキスゲの生息密度日本一。国の天然記念物の湿原
    裏磐梯と喜多方の中間、猫魔ヶ岳や雄国岳などに囲まれたカルデラにある沼と湿原。6月下旬から7月上旬に咲くニッコウキスゲの大群落で知られ、「雄国沼湿原植物群落」として国の天然記念物に指定されている。
    金沢峠から見た雄国沼。猫魔ヶ岳の奥に磐梯山が少しだけ頭をのぞかせている
  • spot 05
    磐梯吾妻スカイライン
    荒々しい火山と可憐な高山植物を楽しめる山岳観光道路
    平均標高1350m、最高地点1622mの山岳道路で、噴煙を上げる火山、火口や湿原のハイキング、福島盆地の眺望などが魅力。「日本の道100選」に選定され、磐梯朝日国立公園内の特別地域にも指定されている。
    足元の谷から84mの高所に架かる不動沢橋。開通当時は日本一の高さだった。紅葉の名所でもある
  • spot 06
    浄土平
    活火山が造り出した山上のパラダイス
    磐梯吾妻スカイラインの中間点にある。標高1575mで亜高山帯だが、風が強く積雪量も多いため高山帯の植生が見られ、磐梯朝日国立公園内の特別保護地区に指定されている。目の前で噴気を上げる一切経山の火山灰が堆積、風化してできた浄土平湿原に木道が整備されており、可憐な高山植物を見ながら一周15-30分で散策できる。県道の向かいにそびえる標高1707mの吾妻小富士もぜひおすすめ。火口壁まで10-15分、すり鉢状の噴火口を一周するお鉢巡りは40-60分。福島盆地のパノラマがすばらしい。吾妻小富士はふもとからもよく見えて、昔からこの山腹に「雪うさぎ」と呼ばれる雪形が現れると農家が種まきを始めたという。福島市のゆるキャラ「ももりん」はこの雪うさぎがモチーフになっている。なお、磐梯吾妻スカイラインは通行無料だが、浄土平の駐車場は有料。9月下旬の紅葉の頃は混雑し、駐車場待ちの渋滞も起きるので、早朝に訪れるのが賢明。
    鎌沼へのハイキングコースから見た吾妻小富士。右のミニカルデラに樋沼が見える
  • spot 07
    諸橋近代美術館
    東洋一のダリ・コレクションと年2回の企画展が出色
    シュルレアリスムの大家サルバドール・ダリの作品約350点を所蔵する美術館。印象派や英国現代画家の作品も収集し、ダリを含むコレクションテーマの企画展も好評だ。裏磐梯の自然とともにじっくり堪能したい。
    ヨーロッパの城郭を思わせる美術館。庭園の池に建物が映り込み、合わせ鏡のよう
  • spot 08
    猪苗代湖
    全国第4位の面積と「天鏡湖」と讃えられる透明度を誇る
    猪苗代町、会津若松市、郡山市にまたがっており、県民の重要な水がめ。湖岸に数多くの浜があり、湖水浴やウインドサーフィンなどを楽しめる。2000羽以上ともいわれるハクチョウは冬の風物詩になっている。
    会津富士の別名をもつ磐梯山を映す猪苗代湖。2002年(平成14)から4年連続で水質日本一だった
  • spot 09
    天鏡閣
    猪苗代湖畔の小高い丘に建つ、皇族方に愛された洋館
    国指定重要文化財の瀟洒な洋館。明治時代、猪苗代湖の美しさに感動した有栖川宮威仁親王(ありすがわのみやたけひとしんのう)が別邸として建てたもので、格調高い建物や調度品は当時の雰囲気をよく伝えている。
    ルネッサンス様式の洋館だが、畳も使われているなど和洋折衷。木造2階建の上に載る八角形の塔屋が印象的
  • spot 10
    福島県迎賓館
    猪苗代湖を見下ろす伝統的日本家屋の皇族別邸
    近くにある天鏡閣の離れとして1922年(大正11)に建てられた高松宮家の別邸。有栖川宮から天鏡閣を継承した高松宮宣仁(のぶひと)親王が、有栖川宮威仁親王妃慰子(やすこ)殿下の静養のために造らせたものだ。天鏡閣は洋館だが、こちらは皇族の別邸としては珍しい純和風。檜を主体に超一流の技で建てられ、欄間、釘隠し、襖の引手など細部にいたるまでデザイン性が高く洗練された造りとなっている。建築史の面からも貴重なもので、「旧高松宮翁島(おきなしま)別邸」として国の重要文化財に指定されている。慰子妃は加賀藩主の4女として金沢城で生まれた。日本画や書道にも秀で、英語、フランス語も堪能で聡明な女性だったと伝えられる。慰子妃がここに滞在していたのは3か月ほどで、翌年59歳で薨去。これにより有栖川宮家は絶えた。現在は福島県が所有し5ー10月のみ庭園が公開されている。また、期間限定で邸内が公開されることもある(要予約)。
    自然石などをそのまま生かしたという庭園。四季折々の表情を見せるが、紅葉の時期は格別だ
  • spot 11
    野口英世記念館
    猪苗代が生んだ世界的細菌学者・野口英世の偉業を知る
    1000円札の肖像画にも描かれ、感染症の研究に生涯を捧げた野口英世は、福島県猪苗代町の出身。ふるさとにある英世の一生と功績を紹介する資料館だ。生い立ちや母との絆など、人間味あふれる英世に出会える。
    野口英世の人柄をうかがい知ることができ、親しみを覚えるような展示内容となっている
  • spot 12
    本格手打ちそば処 おおほり
    香りとコシが違う、挽きたて、打ちたての十割そば
    猪苗代湖の北岸はそばの里として知られる。夏は涼しく乾燥し、冬は豪雪地帯といった気候がそばの栽培に適しており、秋になると田んぼの稲穂とともにそば畑の白い絨毯があちこちに広がる。猪苗代町内に数あるそば屋のなかでも特に評判なのがここ。磐梯山東麓の、のどかな木地小屋集落にある古民家で、こだわりの十割そばを出す店だ。近所にある畑でそばを栽培するところからすべて自家製。しかも無農薬。全量放射線検査後に自家製粉して、その日の温度や湿度を見極めながら水の量を微妙に調整して手打ちする。つなぎは入れない。こうしてできあがるのは白く香り高いそばで、驚くほど弾力がある。季節ごとに変わる天ぷらもおすすめ。冷めてもサクサクの食感がたまらない。そのほかにも大根おろしをたっぷり入れたぶっかけそばや山菜そば、にしんそばなどのほか、つきたての餅も人気。週末は行列を覚悟したほうが良さそうだ。
    天盛りそば(1500円)。細いのにコシがすごい十割そばと、季節の野菜を菜種油で揚げた天ぷらがウマイ
  • spot 13
    野地温泉ホテル
    標高1200m。秘湯の趣たっぷりの日帰り温泉で湯あみ三昧
    磐梯吾妻スカイラインのドライブを楽しみ浄土平でハイキングに汗を流したら、日帰り温泉に寄り道して疲れを吹き飛ばそう。スカイラインの南端、土湯峠から車で東へ2分。カーブを曲がった途端に硫黄のにおいと白煙が立ち込める。ここは磐梯朝日国立公園内に位置し、背後にそびえる安達太良連峰の鬼面山への登山口でもある。遥か足元には福島盆地が広がっている。ホテルは近代的だが、温泉は湯治場の雰囲気を残していて、源泉100%かけ流し。なにしろホテルの目の前にゴーゴーと音を立てて源泉が噴出しているのだ。「千寿の湯」「鬼面の湯」「天狗の湯」は3時間ごとに男女切り替え。ほかに大浴場もあり、男性は4か所、女性は5か所の湯舟を楽しめる。いずれも白濁した硫化水素泉で、肌にやさしいのが特徴。日帰り入浴に昼食が付いたコース(要予約)もあるので、ぜひじっくりと楽しみたい(2021年12月現在コロナ渦につき日帰り入浴は平日のみ。最新情報は公式サイトで確認のこと)。
    旅情満点の檜風呂「千寿の湯」。奥の湯舟から順に温度が低くなる
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旅のヒント

  1. その1

    郡山からJR磐越西線で40分前後の猪苗代駅から、猪苗代湖畔までバスで5分。裏磐梯(磐梯高原)には鉄道はなく、JR猪苗代駅からバスで35分、JR喜多方駅から65分。

  2. その2

    会津バスが運行する新宿と会津若松を結ぶ高速バスが猪苗代駅に停車する。1日2便。所要4時間15分。季節によっては東京駅と裏磐梯を結ぶ路線もある。1日1便(運行日注意)、所要5時間。

  3. その3

    車なら、郡山から磐越自動車道で猪苗代磐梯高原ICまで45分。そこから猪苗代湖まで5分、裏磐梯まで25分。また、福島市街から磐梯吾妻スカイライン経由で裏磐梯を訪れる方法もおすすめ。途中の見学時間を除いて約2時間。

  4. その4

    猪苗代湖は非常に大きいので、車で一周するなら2-3時間を予定しておきたい。

  5. その5

    個々のスポットは鉄道とバスで訪れることができるが、あちこち見たい場合は車がないと難しい。ドライブそのものが楽しいエリアなので、できれば車でまわりたい。ただし日本海側気候で豪雪地帯なので秋-春は道路情報に注意。

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