フォッサマグナミュージアム

第2展示室「糸魚川大陸時代」ではヒスイの歴史や科学について展示

日本で初めて世界ジオパークに認定

日本列島を東西に分ける地質学的な大陸の裂け目「フォッサマグナ」。その西縁に位置する糸魚川は、2009年(平成21)に日本で初めて世界ジオパークに認定された国内屈指の石の町だ。ユネスコの定めた基準を満たす世界ジオパークは国内に9つしか存在しない。そんな糸魚川の人気の観光名所、フォッサマグナミュージアムはぜひ一度訪れてほしいスポットだ。世界各地から集まったさまざまな鉱物や化石が展示してあり、地球や日本列島誕生について学べるミュージアムは国内でも珍しい。

ヒスイの色には緑・白・黒・青・ラベンダーなどさまざまな色がある

美山公園(みやまこうえん)内に位置するフォッサマグナミュージアム

世界初の鉱物が見つかる糸魚川

フォッサマグナミュージアムは1994年(平成6)に開館し、今の姿にリニューアルされたのは2015年(平成27)のこと。1階建ての館内には、6つの常設展示室に加え、観光情報が豊富なジオパーク情報発信コーナー、学芸員の研究施設などが設置されている。常設展示の第3展示室「誕生 日本列島」では、日本大陸が中国から分断され日本海ができていく様子を大迫力のスクリーン映像で見ることができる。また、糸魚川は世界初の鉱物がたびたび見つかる場所でもあり、ヒスイよりも珍しい「糸魚川石(いといがわせき)」や青海石(おうみせき)、蓮華石(れんげせき)、新潟石(にいがたせき)などこの地で発見された珍しい鉱物も見ることができる。

第6展示室「魅惑の鉱物」では世界各地の鉱物のほか県内の鉱物などが多数展示されている

第3展示室「誕生 日本列島」では大型スクリーンによるフォッサマグナシアターを楽しめる

見るだけじゃない石の博物館ならではの体験

常設展示ももちろんだが、ほかにも石の博物館ならではのさまざまな体験ができるのがこのミュージアムの特徴。屋外にある「化石の谷」では、誰でも手軽に約3億年前のサンゴやコケムシなどの化石採集体験をできる。道具は有料で借りられ、過去に日本最古級のサメの歯の化石を掘り出した人もいるそうだ。また学芸員による「石の鑑定」は、持ち込んだ石の鑑定を行ってくれるサービスだ。鑑定する石には少し条件があるので、利用する場合は事前に公式サイトで確認したい。またミュージアムショップではオリジナル書籍のほか恐竜の模型・科学実験キット・入門書・ハンマー・ルーペなど石に関連する商品を扱っている。

「化石の谷」は屋外有料化石採集体験場で館内で受付すれば利用可能だ

周囲の観光スポットも訪れたい

フォッサマグナミュージアムは、糸魚川市内でも特に観光スポットの密集している美山公園内に位置しており、駐車場は園内ならどこを利用してもOKだ。また糸魚川駅アルプス口からはバスが出ており、片道15分100円と誰でも利用しやすい設定になっている。退館後は公園内にある長者ケ原考古館(ちょうじゃがはらこうこかん)と長者ケ原遺跡(ちょうじゃがはらいせき)にも訪れたいところ。国史跡に指定されている遺跡は13万6000㎡もの面積を有し、竪穴住居(たてあなじゅうきょ)やヒスイの玉などの展示など、縄文時代の生活とヒスイが密接に関わっていた様子を見ることができる。

フォッサマグナミュージアムから徒歩で移動できる長者ヶ原考古館