高田雁木通り

通り

豪雪地帯の高田を象徴する雁木が連なる通り

家々から延びる庇や軒が、歩道の上を屋根のように10km以上も覆い尽くす通りは、全国でも珍しい。まるで映画のセットのような風景だが、そこには人が暮らし、生活を営んでいる。雪国高田の風景遺産を見学しよう。

歩道の上をすっぽりと雁木が覆う} 歩道の上をすっぽりと雁木が覆う

雁木の長さは日本一を誇る

雁木とは、おもに冬季の通路を確保するために、主屋から張り出す軒や差しかける庇(ひさし)などを延長したもの。高田は豪雪地帯で、それゆえの生活の知恵といえる。上越地域が発祥ともいわれ、高田に現存する雁木の総延長は約16km。日本一の長さとなっている。2007年(平成19)に公開された映画『ふみ子の海』のロケ地としても雁木通りが使われた。映画の舞台は昭和初期の新潟で、高田の雁木のある町並みが当時の雰囲気をそのまま残していることからこの地が選ばれた。雁木通りがある本町6丁目周辺には、町家交流館高田小町、瞽女(ごぜ) ミュージアム高田、旧今井染物屋など高田の町家や歴史的建造物が多く立ち並ぶ。往時に思いを馳せながらぶらりと散策しよう。

雁木の下は風情がある石畳の歩道} 雁木の下は風情がある石畳の歩道

私財を投げ打って雁木を造った

雁木は高田の町のどこにでもあるわけではなく、往来の多い街道筋や商家・職人町など人が集うところ、家が連続する場所に造られている。雪国高田の象徴でもあるが、すばらしいのは私有財産を公共に提供していること。雁木部分も、その下にある歩道も江戸時代から現在まですべて個人の所有。それを雪に濡れぬよう、私費で雁木を設置し、歩道を町の人々に「どうぞお歩きください」と譲っている。助け合いの精神というか、気風のよい高田の人々をうかがうことができる。雁木は地域内の合意があって初めて連続するもの。雪が生み出したコミュニティの遺産、それが雁木なのだ。高田の町づくりはずっと昔から雪と密接な関係があったといえる。

私財を投げ打って雪から町の人を守る} 私財を投げ打って雪から町の人を守る

春夏秋冬を写した雁木通りの写真集

写真集『雁木のある街高田』は、2022年(令和4)に「越後高田雁木ねっとわーく」が発行。「越後高田雁木ねっとわーく」が主催する2020年(令和2)度、2021年(令和3)度開催の「雁木の魅力発見写真コンテスト」出品作品を中心に編集したもので、雁木の下の歩道に置かれたベンチでくつろぐ人々や、庇の下に吊るされた大根、雁木の上に乗って雪かきをする人や軒先に吊るされた風鈴など、雁木のある風景のなかでの高田の人々の暮らしぶりがよくわかる写真集になっている。雪のイメージが強い雁木通りだが、真夏の日差しに照らされた雁木通りもまた風情がある。全48ページの写真集に収められた生きいきとした作品を眺めていると高田に行きたくなること必至だ。

写真集『雁木のある街高田』より大根干しの風景} 写真集『雁木のある街高田』より大根干しの風景

見どころがいっぱいの上越市。散策コースを参考に

上越観光コンベンション協会では上越散策のためのモデルコースをいくつか紹介している。「上杉謙信公ゆかりの地めぐり」は、上越市埋蔵文化財センター、謙信公銅像前、春日山神社、林泉寺などを巡る3時間25分のコース。「日本海満喫コース」は、上越市立水族博物館うみがたり、シーサイドパーク名立、うみてらす名立などを巡る4時間のコース。そして雁木通りを歩くコースは「文化財めぐりコース」。町家交流館高田小町、高田世界館、高田城三重櫓、榊神社などとあわせてまわりたい。こちらは3時間35分の散策コースとなっている。どこか時間がゆっくり流れていると感じる高田の町。通り過ぎるだけでなく、歴史や文化を知って歩いたら、さらに魅力が増すだろう。

高田世界館もあわせて見学したい} 高田世界館もあわせて見学したい

スポット詳細

住所
新潟県上越市(旧高田城下) map map 地図
電話番号
0255205629
休業日
[町家交流館高田小町]第4月(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29-1/3)
[旧今井染物屋]月(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始(12/29-1/3)
料金
無料(ただし、瞽女ミュージアム高田・高田世界館は入館料がかかります)
駐車場
あり
※無料

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

最寄り

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