浮見堂
鷺池(さぎいけ)に浮かぶ檜皮葺(ひわだぶ)きの美しき六角堂
池に親しむ名所浮見堂
春日大社の一の鳥居をくぐり、参道から右にそれて進んでいくと、離れ形式の料理旅館の風情ある棟が目にとまる。そのまま丘の裾を巡るように進むと鷺池が見えてくる。この池は1908年(明治41)に貯水池として築造されたもの。とはいえ、100年を超えて奈良公園の緑に溶け込む風情は大古の昔からここに水をたたえていたようにも思える。この鷺池に檜皮葺きの六角のお堂、浮見堂が静かにたたずんでいる。池辺から橋が渡されているので、池を渡る風を感じながらお堂を目指して歩いてみよう。自然の景色を人の手でさらに整える「修景」の傑作ともいえるこの景色。奈良公園には猿沢池、荒池、大仏池などが点在しているが浮見堂の鷺池だけが池のなかほどまで行くことができるのだ。
近代奈良の観光スポットとして
浮見堂は外から見ても美しいが、浮見堂からの眺めもすばらしい。この浮見堂は実は2代目。初代の浮見堂は1916年(大正5)に建てられ、1966年(昭和41)に1度修復された。そして現在の浮見堂は、1991年(平成3)から1994年(平成6)にかけての3年間の再建修復工事によって美しくよみがえった。大正の女学生たちや昭和の修学旅行生や家族連れなどが先代の浮見堂を訪れて憩いのひとときを過ごし、今の私たちはカメラを向けたり絵筆を動かしたりと思いおもいにくつろいでいる。また、季節の良い夜には時折笛の稽古をする人もいて、運良く巡り会えればより深い風情に心動かされることになるだろう。
四季折々に訪れたい
24時間見学自由。夜は日没から22時までライトアップされ、日の出の前後には朝もやに包まれることもある。夜遅くや早朝の景色は旅の1ページを彩ることとなるだろう。
また、春は桜、夏はサルスベリ、秋の紅葉に冬の雪景色。それぞれの四季の絵巻物に描かれているような浮見堂の姿は奈良公園の散策プランにぜひ組み入れてほしいもの。広大な奈良公園の南の端のほうにあって、メインコースから少しそれていることもあり、訪れる人は比較的少なめで、ここではゆったりのんびりとした時を過ごすことができる。
国民的映画の名場面にも
実は1969年(昭和44)公開の映画『男はつらいよ』の記念すべき1作目に浮見堂は登場している。フーテンの寅こと車寅次郎がふるさとの葛飾柴又を出てふらりと訪れたのは奈良だった。偶然旅先で出会った御前様たちと浮見堂で記念撮影する場面はたいそう印象的なシーンとなっている。姿はよく知られているのに人の多い観光シーズンには穴場的な存在でもある浮見堂。堂内には疲れた足を休めることのできるベンチもあり、通り雨をしのぐ雨宿りの場所ともなり、眺めるだけではもったいない一級のスポットでもあるのだ。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 橋を渡る鹿もいました
- 奈良ホテルに宿泊した際、朝の散歩で訪れました。奈良公園の南の方を訪れたことはなく、水面に浮かぶ浮見堂が楽しみでした。池の水が濁っていたのが残念ですが、白鷺、鵜、亀などを見ながら、観光客のあまりいない朝の静かな時間を過ごせました。浮見堂へ渡る橋では向こうから渡ってくる鹿がいて、奈良らしさを感じました。
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- 鷺池の浮見堂とおち方の夕映え
- 片岡梅林の梅の花と香りを楽しんだ後、浮見堂に立ち寄ってオレンジ色に染まり始めた夕空を眺めました。鷺池のほとりには辛夷の花も咲いていました。荒池に通う道には元気な鹿がたくさんいました。
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- 奈良公園内の鷺池に
- 奈良公園の一隅に位置している鷺池に浮かぶ、檜皮で葺かれた六角形の御堂です。幾分太鼓形の橋を渡って御堂まで行くことができます。大正時代に建設されたもののようで、四季折々の景色にマッチする写真スポットの一つでしょう。水面に浮かぶという点では似た状況の、琵琶湖に突き出ている大津市満月寺の浮御堂のような、お寺の御堂というわけではないらしく、内部は木製ベンチがあるだけのガランドウで、休憩用か見晴らし台...
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