岡寺

寺院

鎌倉時代の歴史物語『水鏡』に登場する日本最初の厄除け霊場

明日香村にある西国三十三所観音霊場の第七番札所「岡寺」。別名「花の寺」とも呼ばれ、シャクナゲやダリア、紅葉のトンネルは有名。花手水や切り絵御朱印などもあり、季節を問わず癒やしを求めて多くの人が訪れる。

1612年(慶長17)建立、重要文化財の仁王門。両脇には仁王像を、屋根の四隅には阿獅子(あしし)・吽獅子(うんしし)・龍・虎を配している} 1612年(慶長17)建立、重要文化財の仁王門。両脇には仁王像を、屋根の四隅には阿獅子(あしし)・吽獅子(うんしし)・龍・虎を配している

悪龍退治が厄除け信仰の始まり

およそ1300年前に、天武(てんむ)天皇の命により、義淵僧正(ぎえんそうじょう)が、草壁皇子(くさかべのおうじ)の住まいだった岡宮の跡地に建立した岡寺。義淵僧正が農民を苦しめていた龍を退治し、寺の池に閉じ込めて大きな石で蓋をしたという言い伝えから、創建時は龍蓋寺(りゅうがいじ)という寺名だったという。悪龍から人々を守った伝説が「厄除け信仰」の始まりともいわれている。岡山の中腹にあることから、いつしか「岡寺」の名で知られるようになった。本堂に安置されている本尊は如意輪観音座像(にょいりんかんのんざぞう)で、高さはなんと4.85m。寺伝では弘法大師が日本・中国・インド三国の土で造り、それまで本尊だった如意輪観世音菩薩半跏思惟像(にょいりんかんぜおんぼさつはんかしいぞう)を胎内に納めたといわれる。

1805年(文化2)の上棟から30年を費やして完成した岡寺の本堂} 1805年(文化2)の上棟から30年を費やして完成した岡寺の本堂

本尊は如意輪観音座像。土でできた仏像のなかでは日本最大} 本尊は如意輪観音座像。土でできた仏像のなかでは日本最大

梵鐘の歴史と花の寺ならではの花手水(はなちょうず)

本堂の手前にある鐘楼堂(しょうろうどう)の鐘には7つの穴が開いているが、これは鉄砲の弾などの材料に使えるかどうかを調べたものだそう。戦時下は、大半の寺院が梵鐘供出の憂き目にあったが、幸運にも供出の難を逃れ、現在にいたっている。難を逃れた理由は明らかになっていないが、住職が「観音様に申し訳ないと思ったんじゃないでしょうか。本尊の観音様のおかげ」と新聞の取材に答えている。鐘楼堂には「合掌一打、心しずかにねがいを込めて」と書かれている。自由に鐘を撞くことができるので、厄除けや平和への願いを込めて撞いてみては。また、4月中旬から5月にかけては境内のシャクナゲやダリアが咲き誇る。境内の池や手水舎(ちょうずや)にダリアを浮かべて参拝者を迎えるイベントは、ゴールデンウィーク期間中に開催される予定だ。

鐘楼堂。梵鐘には1808年(文化5)と刻まれており、本堂と同時期に再建されたものと伝わる} 鐘楼堂。梵鐘には1808年(文化5)と刻まれており、本堂と同時期に再建されたものと伝わる

ビー玉を浮かべた涼しげな手水舎。春は天竺牡丹(ダリア)を浮かべた花手水が美しい} ビー玉を浮かべた涼しげな手水舎。春は天竺牡丹(ダリア)を浮かべた花手水が美しい

清廉な空気に包まれた奥之院。紅葉のトンネルも

本堂の前を通り過ぎ、奥之院を目指すと周囲の風景は一変する。深い緑に覆われ、人影もまばら。岡寺を訪れても案外、奥之院まで行かない人も多いようだ。「弥勒(みろく)の窟」と呼ばれる石窟堂(せっくつどう)には、弥勒菩薩像が安置されている。小さくかがめば、近くまで行けるが、ライトアップされているので、入り口からでも柔和な表情が見られる。また、石窟堂の右手には地蔵石仏が鎮座し、苔の法衣をまとったような姿がひときわ印象深い。また、秋の岡寺も見どころいっぱい。三重宝塔周辺や奥之院参道ではたくさんの木々が色づき、さながら紅葉のトンネルのよう。燃えるような赤に包まれた三重宝塔は、見事という言葉しか出ないほどの美しさだ。季節ごとに表情を変える岡寺に出かけてみては。

奥之院にある「弥勒の窟」と呼ばれる石窟堂。奥には弥勒菩薩座像が安置されている} 奥之院にある「弥勒の窟」と呼ばれる石窟堂。奥には弥勒菩薩座像が安置されている

1472(文明4)の大風(おおかぜ)により倒壊し、その後、仁王門・楼門の部材に転用されることとなり、復興されないままだった三重宝塔。514年ぶりに再建が始まり、1986年(昭和61)に完成} 1472(文明4)の大風(おおかぜ)により倒壊し、その後、仁王門・楼門の部材に転用されることとなり、復興されないままだった三重宝塔。514年ぶりに再建が始まり、1986年(昭和61)に完成

期間限定で授与される秋らしい「切り絵御朱印」1000円} 期間限定で授与される秋らしい「切り絵御朱印」1000円

スポット詳細

住所
奈良県高市郡明日香村岡806 map map 地図
エリア
飛鳥エリア
電話番号
0744542007
時間
8:30-17:00
[12-2月]8:30-16:30
休業日
年中無休
料金
【拝観料】
[一般(大学生以上)]400円
[高校生]300円
[中学生]200円
駐車場
あり(近隣に民営駐車場あり)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、その他)
※入山料に限る
Wi-Fi
あり(フリーWifiのみ)
コンセント口
なし
喫煙
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • この口コミページだけを存在させれば十分と云う「一つの」施設です
    3.0 投稿日 : 2022.10.01
    良い寺院なのですが・・・遺憾ながらこの管理不十分なサイトのせいで、どうでもいいような口コミページがこの「一つの」施設に対して10近くもある。何故、この岡寺と云うページだけに統一出来ないのか?サイトとしての管理能力の無さ、登録受付時のいい加減さが顕著に表れている。全部をこのページに纏めると云うよりも、他の必要無い口コミページを削除すべきなのです。ここは西国33観音霊場の第7番札所、東光山龍蓋寺、通称...
  • 花手水が美しいの岡寺
    5.0 投稿日 : 2022.04.30
    最寄り駅は、近鉄橿原神宮前駅の東口より奈良交通バス「岡寺前」下車、徒歩約10分。飛鳥周辺の施設では少し遠い場所にあります。境内にある池、手水社や鉢などに季節に合わせた綺麗な花が浮かべられたばえすぽっとです。飛鳥に来れば必見の場所です。
  • 西国33か所巡礼の札所
    4.0 投稿日 : 2021.12.01
    西国33か所の札所にもなっている有名なお寺。明日香には何度も行っているのに、ここだけは今回が初めての訪問。坂道を歩いて登るのはなかなか大変だが、無事に到着すると達成感がある。そんなに大きい寺ではないが、見所はいろいろある。小高い丘の上なので、眺望も良い。帰りは近鉄の岡寺駅まで歩いたが、かなりの道のりがあった。

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

map map 地図

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました