國盛酒の文化館

伝統的な酒造りの道具を多く展示。現代の酒造りと照らし合わせながら見学できる

酒造りが行われていた蔵の内部を見学

國盛 酒の文化館は半田運河の右岸に位置している。江戸時代より酒や酢などこの地方の産物は、この半田運河を拠点として江戸や大坂に海運されていた。國盛 酒の文化館は、國盛を主要銘柄とする中埜酒造株式会社が新工場を完成・稼働したのを機に、1985年(昭和60)に創設した博物館。1972年(昭和47)まで約200年にわたって実際に酒造りが行われた酒蔵の内部を見学できる、貴重な施設だ。

黒塗りの壁と白い漆喰窓が特徴的な重厚感ある蔵

蔵人たちの息吹が伝わってくる空間

内部には酒造りに使われていた道具を多く展示。BGMとして蔵人たちが歌った酒造り唄が流れており、とても趣がある。一升瓶およそ3000本分(5400ℓ)の酒を仕込めるという大きな桶は、数ある展示品のなかでもひときわ目を引く。毎日1合(180㎖)飲んだとしても、飲み干すまでには82年を要するというから驚きだ。ほかにも半田の歴史・文化・自然などをわかりやすく紹介するパネルなどもあり、知識を楽しく深めることができる。

酒造道具を1、2階に昇降するために使われた、アミダと呼ばれる装置も迫力がある

係員の解説を聞きながら巡ることで、より知識が深まる(2022年6月現在、コロナウイルス感染症対策のため案内をともなう見学は休止中。自由見学のみ)

売店でお土産をセレクト

館内をひととおり見学し終えたあとは、映像が上映される部屋へ。半田は江戸と上方のちょうど中間に位置していたことから、「中国銘酒」として江戸でも親しまれたことなど、國盛の歴史や魅力を凝縮し紹介している。上映が終わると同部屋で試飲へと移る(2022年6月現在休止中)。3～4種類の日本酒やリキュールなどが用意されており、飲み比べが可能。売店も充実しており、試飲して気に入った酒を購入できる。なかにはここでしか手に入らない限定パッケージの酒や、数量限定の生酒なども販売されているのでチェックしよう。

館内を見学したあとにおよそ8分間、國盛を紹介する映像を鑑賞する

定番の「半田郷」のほか、にごり酒など多彩な日本酒を味わえる(2022年6月現在、コロナウイルス感染症対策のため休止中。試飲できる酒の種類は日によって異なる)

中埜酒造の多くの商品を取りそろえる売店。日本酒のみならず、梅酒などのリキュールにも注力している。地方発送も可能