箱根関所・箱根関所資料館

資料/郷土/展示/文学館

高度に復元されてよみがえった関所

約250年にわたり使われた、東海道の重要な関所。特に江戸に住まう大名家族の女性たちが国許に帰らないよう、厳しく見張っていた。江戸時代末期に行われた解体修理の記録『相州箱根御関所御修復出来形帳』の発見を機に徹底した考証が行われ、2007年(平成19)に復元された。

見張り場所だった遠見番所からは広い範囲を一望できる。かなりの急階段なので無理せず登ろう} 見張り場所だった遠見番所からは広い範囲を一望できる。かなりの急階段なので無理せず登ろう

細部までこだわった関所の復元

1983年(昭和58)に解体修理記録『相州箱根御関所御修復出来形帳』が発見され、箱根関所の建物の詳細が明らかになった。これを機に発掘調査を行い、現場の状況と資料の記述とを照らし合わせながら、江戸時代の状況を確認。当時使われた材料と工法を用いて、石垣や土台を含めた建物すべての復元を行った。たとえば建物の基礎となる礎石や石垣の上に置かれる土台となる木材は、礎石や石垣に合わせて凹凸をつけ、ぴったりと合わさるように造る「ひかりつけ」と呼ばれる非常に手間のかかる工法が用いられている。関所の復元にあたっては、関所の役人が記した『箱根御関所日記書抜』といった資料もあり、使われていた調度品や武具はその資料をもとに復元している。ただ、役人の容貌や体格、衣服の色や模様などは記載がないため、人物は単色のモデルを使って展示を行っている。

湖から見た箱根関所の全景。一段と高い場所にある建物が見張りを行っていた遠見番所} 湖から見た箱根関所の全景。一段と高い場所にある建物が見張りを行っていた遠見番所

人物や馬はモノトーンで再現されている} 人物や馬はモノトーンで再現されている

関所内の建物とその機能

「京口御門(きょうぐちごもん)」を入り、「厩(うまや)」の先の左手の大きな建物が関所で最も重要な建物「大番所・上番休息所」だ。ここの面番所と呼ばれる部屋で、小田原藩から派遣された関所役人が旅人の詮議を行っていた。女性の調べは特に厳しく、人見女(ひとみおんな)と呼ばれる女性役人に髪を解かれるなどして細かくチェックされたという。大番所・上番休憩所の向かいにある建物は「足軽番所」で、足軽たちの控え場所や寝床として使われていた。この建物には頑丈に造られた、罪人を入れるための獄屋(ごくや)もある。足軽番所の裏手は高台になっており、上の「遠見番所」には、昼夜を問わず足軽が交代で詰めており、関所破りする者がいないかどうか見張っていた。京口御門と江戸口御門の前には「千人溜(せんにんだまり)」と呼ばれる広場があるが、ここは関所の詮議を待つ人々の待機所だ。

堂々たる京口門。奥に見えるのは旅人を調べるのに使われた大番所} 堂々たる京口門。奥に見えるのは旅人を調べるのに使われた大番所

足軽番所は休憩所や寝所として使われた建物で、裏手の丘に遠見番所がある} 足軽番所は休憩所や寝所として使われた建物で、裏手の丘に遠見番所がある

注目したい展示ポイント

入場料を払うともらうことができる四つ折りの資料「箱根関所通行手形」に見どころが細かく記されているので、そこに示された説明を読みながら順番に巡ると見逃しはない。関所にとって最も重要なものは「御制札場(ごせいさつば)」に掲げられた高札(こうさつ)だ。ここには関所のルールが記されており、実物は「箱根関所資料館」に展示されているのでそちらの閲覧もお忘れなく。「ひかりつけ」の技が見られる場所としては、厩の裏手のポイントがおすすめだ。解説の看板もあり間近にその様子を見ることができる。資料館には当時の記録やエピソード、通行手形の実物、大名行列のジオラマなども展示されており、箱根関所がどう機能していたかがよく理解できる。施設のウェブサイトは情報たっぷりで、歴史の紹介のほか、復元の際にどんなことが行われていたかを詳細に公開している。事前に読んでおくと、実際の建物を見たときの感動が増すだろう。

御制札場の高札が、その関所の決まり事を示している。この場所で最も重要な表示物だ} 御制札場の高札が、その関所の決まり事を示している。この場所で最も重要な表示物だ

恩賜箱根公園側の資料館に先に入場しても、関所の建物の見学が可能だ} 恩賜箱根公園側の資料館に先に入場しても、関所の建物の見学が可能だ

スポット詳細

住所
神奈川県足柄下郡箱根町箱根1 map map 地図
電話番号
0460836635
時間
9:00-17:00(最終入場16:30)
[12-2月]9:00-16:30(最終入場16:00)
休業日
無休
料金
【観覧料】
[大人]500円
[小人(小学生)]250円
駐車場
なし(近隣の駐車場をご利用ください)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
※クレジット・電子決済が可能なのは資料館売店のみ(入館料の支払いには使用不可)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、Apple Pay、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
※クレジット・電子決済が可能なのは資料館売店のみ(入館料の支払いには使用不可)
Wi-Fi
あり
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり(英語パンフレット有)
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
可(箱根関所復元施設は一部段差等があるため、見学できない場所あり)
乳幼児の入店
ペットの入店
可(ゲージに入れる・抱っこなどの対応が必要)
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • ちょっとした歴史テーマパーク
    4.0 投稿日 : 2023.05.10
    箱根の一応名所ということで来てみました。雨の中でも週末なのでそこそこのお客さんはいました。関所はほぼ再現建物と再現模型の展示でした。江戸期の街道再現テーマパークのような場所かなと思いました。資料館は関所展示の後ろになる場所にありました。資料館の中は撮影禁止でした。
  • 歴史の好きな人は是非行ってみて下さい
    5.0 投稿日 : 2022.07.16
    映画や時代劇ドラマでしか見ることのない江戸時代の関所跡。大昔の火縄銃や蓑笠や囲炉裏など良く保存しているなぁと感心。係りの人に質問すれば答えてくれる優しさもあって、いい観光地だなぁと思った。中でも見た目は4.5〜6畳はありそうな牢屋があったので尋ねたところ、本来関所破りを捕まえて入れる場所であるが、当時は関所破りは打ち首の刑になる為、この牢屋に入れられたのは僅か5人しかいなかったと言う話を聞くこ...
  • 箱根が初めての人にはお勧め
    4.0 投稿日 : 2022.04.21
    田舎から出てきた年配の親類が箱根が初めてだったので関所跡へ行きました。江戸への入り鉄砲に出女で最も有名な箱根の関所が再現されていて親類は大喜びでした。資料館では江戸時代だけでなく、その後の関所付近の状況もわかり、楽しめました。芦ノ湖の向こうの富士山は頂上が見え隠れしていましたが、湖畔の恩賜公園の桜と芦ノ湖の景色もいい感じでした。

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アクセス

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最寄り

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