鉄人28号モニュメント

震災復興と地域活性化のシンボルとして街を支えてきたヒーロー

神戸出身である漫画界の巨匠・横山光輝氏の代表作のひとつ『鉄人28号』。ここ長田には、阪神・淡路大震災からの復興のシンボルとして誕生した巨大な鉄人28号のモニュメントがそびえ立っている。

駅からほど近い若松公園内に設置されている

JR新長田駅の南側、商店街へ向かって歩いていくと、コバルトブルーの巨大なロボットが見えてくる。地域活性化と街の新たな観光拠点作りを目的に、阪神・淡路大震災からの復興のシンボルとして2009年(平成21)に誕生した『鉄人28号』のモニュメントだ。直立時の設定は18mにも及び、重さはなんと50tという超ビッグサイズ。神戸出身で新長田にゆかりの深い漫画家、横山光輝氏(1934-2004年没)の作品『鉄人28号』に登場するキャラクターを再現した。2019年(令和元)には完成10周年を迎え、復興再開発ビル群に向かってぐっと右手を突きだし、長田の街を見守り続けている。

子どもも大人もこのポーズをまねして記念撮影

新長田を中心とする地域の商業者が中心になって立ち上げられたNPO法人「神戸鉄人PROJECT」が主体となって作られた、鉄人28号モニュメント。周辺は「鉄人広場」として整備され、新長田一番街商店街「鉄人ストリート」の新長田駅側入り口では、赤く縁取られたポップな鉄人28号のアーチが街を訪れる人を出迎えてくれる。アーチをくぐってモニュメントへ向かう道沿いには、鉄人28号の頭をモチーフにした「鉄人街灯」も。また、鉄人広場の北にある新長田駅前交番は「鉄人28号前交番」の愛称がつけられ、水色の鉄人パネルも設置されているので、合わせて見に行こう。

商店街が一体となって街を盛り上げている

道の北側に並ぶ街灯。夜は目の部分も光る

新長田一番街商店街を抜けてさらに南へ、大正筋商店街の南端には「KOBE鉄人三国志ギャラリー」がある。ここでは、鉄人28号モニュメントのコンペティション応募作品や、モニュメントの無塗装原型や最終カラーリング原型が展示されているほか、モニュメントが完成するまでの映像を常時上映。各パーツの大きさや全体のバランスを忠実に再現できるよう奮闘する人々の様子や、目に色を入れる時の緊張感、完成したパーツを若松公園で組み上げていく様子などを全12分の映像で紹介している。

中央にあるのが最終カラーリング原型

完成当時の盛り上がりを体感できる

鉄人28号モニュメントのある長田地区は、日本一でも有数のお好み焼の激戦区。牛すじとこんにゃくを甘辛く煮込んだ長田名物「ぼっかけ」を入れたすじ焼きのほか、焼きそばを細かく刻んでご飯と炒めた「そばめし」発祥の地といわれている。モニュメント周辺の商店街には約40店ものお好み焼き店が集結していて、昭和レトロな雰囲気漂う店がたくさん。あまりの多さに迷ってしまうが、ぜひ自分の直感で「ここ！」と思う店に立ち寄って、長田名物を味わって帰ろう。